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30話 いつの世も貯めるのは難しい

 私は今、悩んでいる。

 三歳児の身でどうやってお金を稼げばよいかを――。


 何に使うかって?

 バルレイ将軍へのお詫びの品を買う為だよ!

 よく考えたら謝罪に行くのに手ぶらじゃ誠意が足りない。

 だからお酒の一本でも持参しようと思ったのだ。思ったのだが。


 リリシアお小遣いをもらっていない問題勃発。


 お城から外に出られないから気にもしていなかった。

 貨幣価値は一応、本で読んで知っている。

 この世界のお金はファンタジーでお馴染みのものだ。


 金貨、銀貨、銅貨。基本この三種類。

 そこから更に大中小に細分化される。大金貨、中金貨、小金貨という感じに。

 だから全部で九種類。

 ここで日本の貨幣の種類を数えて欲しい。硬貨からお札までを。

 ただし、今や沖縄ぐらいにしか流通していない二千円札を除くとする。

 するとどうなるでしょう?


 なんと全部で九種類。

 驚くべきことにこの世界の貨幣、日本の貨幣と価値がリンクしているのだ!

 もう私は確信した。

 この世界の創造神は地球と同じ、それも日本フリークな神様であると!

 解説するとこんな感じ。


 一円=小銅貨。

 五円=中銅貨。

 十円=大銅貨。

 五十円=小銀貨。

 百円=中銀貨。

 五百円=大銀貨。

 千円=小金貨。

 五千円=中金貨。

 一万円=大金貨。


 こうやって置き換えて考えれば、この世界の貨幣価値を理解したのと同じになる。

 正直覚えやすいから助かった! ありがとう!

 アホな私では銅貨十枚が銀貨一枚で……とかまどろっこしくて無理だったよ。

 できなくはないけど面倒くさい! ってなる。絶対なる。


 まあお金の知識はこのくらいにして。

 問題はどうやって稼ぐかだ。

 できれば大金貨三枚くらい稼ぎたい。日本円で言うところの三万円。

 でもさすがに仕事に対する報酬の基準は知らない。

 メルローとかに「お給料いくら?」とか訊くわけにはいかないし。

 その辺のデリカシーはある。


「うーん」

 お子様のお小遣い稼ぎの定番と言えば、家の手伝い。

 お皿を洗ったり洗濯物を畳んだりするアレだ。

 そういうのは全部メイドさんたちがやってくれてるんだよね……。ありがたい。

 しかしこれだと金貨を貯めるにも程遠い。とはいえ地道に稼ぐしか手がないのもまた事実。

 ダメだ何も良い案が浮かばない。

 よし、母さまに相談しよう!



「母さま、相談があるのですか」

 就寝前のお話タイム。

 ベッドで横になり私を布団の上からポンポンしている母さまに切り出す。

「あらあら。何かしら?」


「お仕事をください」


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