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ドーナツ

作者: けいな

クラスに田中くんという子がいる。

いやいないのだが全員が田中くんはいるものとして生活を送っている。

田中くんは先月交通事故で亡くなった。

高校生の情報のまわる速さは尋常ではない。

田中くんが亡くなった翌日、先生からは何も言われなかったが全員が事故のことを知っていた。

しかしその日も前日とは何も変わらず田中くんの席は窓際の後から2番目にあるし休み時間にはそこに何人もの生徒が集まっていた。

田中くんは死んでもなお人気者だった。

居もしない田中くんにみんなはいつも通り話しかけていた。

この状況をおかしいと思うのは僕だけらしい。

確かにこれだけの人数の人間が『田中くんはいる。』と認識しているのならいるのと変わらないのかもしれない。

ドーナツの穴はそこには何もないが周りのケーキがあることで確かに存在している。

周りとほとんど関わらない僕よりもずっと確かに田中くんは存在していた。

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