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異世界転生英雄養成学校  作者: うつだけーたろー
1/1

プロローグ・ぼくは死にません(死にます)


『あぶない!クルマは急には止まれない!』


――その瞬間ぼくの脳裏に過ったのは、小さな頃に習った当たり前の事実だった。

スポットライトにしては明るすぎるヘッドライトの明かり。耳をつんざくほどのクラクションの音とブレーキ音。

「あ」

だめだこれ。と口にする前にぼくの身体は宙に浮く。胸から腰にかけてが痛い。痛いと言うか、熱い。なんか色々やばい。四肢があちこち好きな方向へ行こうとしている。やばい。やばいけど今のぼくにはどうにもできない。地面が近づく。着地。痛い。


「おい、大丈夫か!」


トラックの運転手が出てきてぼくに駆け寄ってくる。全然大丈夫じゃない。


死ぬ。


間違いなくぼくは死んでいっている。




『――ってなワケで君は死んでしまったのじゃ』


瀕死のぼくの目の前に突如現れた神を自称する人物はそう言った。


『なにか言うことはないか?』

「……オーマイゴッド!」


なんつって。

…………無反応!ちょっと恥ずかしくなってきた。




『面白いのう、君は』

「だいぶ間があった気がするのですが」


『ほほほほほ』

笑って誤魔化された。


「ところでカミサマは何故ぼくの元に?」


『おおっと、忘れるところじゃった。キミにこれを渡しにきたのじゃよ』


カミサマは懐から小冊子を取り出した。ぼくはそれを「きっと生温かくなっているんだろうなあ」などと思いながら眺めていた。


『おめでとう!キミは異世界転生英雄養成学校の入学が認められた!』


いせかいてんせいえいゆうようせいがっこう?


「なんですそれ」

『学校』

「それは何となく言葉の響き的に理解できました。その前をもっと詳しく聞きたいのですが」

『英雄を養成する学校じゃよ。キミはこの度その入学試験に合格した』

「えっ、ええ〜?」


英雄?養成?学校?何でもいいけどぼく瀕死の重体でもうすぐ死ぬんですが!?


『まあ、フツーに天国でぬくぬく暮らしたいならそれでもいいんじゃが……、せっかくの機会だ。入学してみんか?』


カミサマは『ん?ん?』とぼくに答えを促す。正直血液が抜けて頭が重い。何も考えられない。


「いいっすよ……」

『よしきたー!ではキミの拇印をもらうぞい』


カミサマは力の抜けたぼくの手を取って、どこからか取り出した書類に押し付けた。


『よし。ようこそ!異世界転生英雄養成学校へ!』

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