僕と彼女の167日
今僕は、君の隣を歩けません。
君は、僕を憶えていません。
それでも、僕は君と過ごした…
167日。その大切で綺麗で愛おしい時間を忘れる事は出来ないでしょう。
長い様で、短いその時間の間きっと僕達は愛し合っていたのですから。
でも、僕は君との〝約束〟を守らなくちゃいけないのです。
今の君を泣かせても。
今の僕が、苦しんでも。
昔の君の望むまま、昔の僕達の甘い約束を。
だから、僕は今日から日記を書きます。
君の事をずっと好きでいる為にも。
自分の為にも。
これは、必要な手順なのです。
僕は、これから君の過ごした日々と君の居ない僕の日々をこの日記に語らおうと思う。
でも、君の消えた日からぼくは、
朝目覚めた時の喪失感。
予定が空っぽの手帳。
隣の騒がしかったはず声の喪失。
時々の我儘のちょっぴり財布に痛いデート。
目の前を歩く君を追いかける楽しさ。
僕の時々の苛立ちを包み込んでくれる優しさも。
全て無くした。
あの日出会いから、白くぼんやりとした人生という名の薄汚れたキャンパスを受け描くことも無かったはずの僕の時間を。
君は、一緒に、カラフルな色。
虹の色?葉の新芽の色?綺麗な澄んだ空の色?咲き乱れた桜の色?真っ白でふわふわのマシュマロの色?
いいや、それは何色でも移り変わる
“恋の色”なのだ。
君の居ない僕の世界は、塗りかけたキャンパス。
ペタペタと塗った色が少し色褪せて馴染んでいるように見えて。
僕は、もう筆を取ることは無いだろう。
僕は、ただ色褪せたキャンパスを胸に抱え
色褪せぬよう。
誰にも汚されぬよう。
隠し隠しひた隠しにし続けるのだ。
あの日から、君の消えたあの日から。
僕の時間は止まったまんまだ。