転校生(仮)
「ふぁ~~~ねみぃ」
僕はいつも通りの学校に行く道を通っていた。
桜の季節が終わり若葉がキレイになりはじめた季節、だいたいクラスのなかでグループができはじめた頃だ。
もちろん僕はどのグループにも所属していない。
決して友達がいないという事ではないどうも僕のクラスには僕と周波数があう人がいないだけだ。
そんな平穏な日常も長くは続かなかった……
クラスに着き、ホームルームが始まるまで席に着いて待っていた
担任の白石先生がクラスに入ってきた。
ここまではいつも通りだった。後ろに着いてきているリア充(転入生)を除けば……
クラスは騒然としていた。それも無理はない。転入生はかなりの美少女だったからだ
腰まで伸びた長い髪。少しカールがかかった毛先。アニメキャラのような大きな目。バランスのよい体型。
「なんだこのマンガみたいな展開は……」
どうせこの中の誰かがこの転入生とラブコメになるって展開だろ。
1番ラブコメになりそうな可能性は隣の席だ。
今のところ隣が空いてる席のやつは……
―――僕だ
ヤバい!!このままでは隣がいなくて得にからかわれもしなかった平穏な日常が狂う危険性がある!!
まぁ、そんなことありえないだろう……
そんなことを考えているなか転入生の自己紹介が始まった
「川井美姫です。これからよろしくお願いします」
「めっちゃかわいいんだけど!!」
「名前のとおり美しい姫のようにかわいい//」
クラスのリア充どもが騒いでる。
確かにかわいいが僕の嫁ほどではないな
「じゃーあ川井さんは太田君の隣ね」
「は、はい!!」
やっぱり僕の隣か……
変に注目を浴びそうだな
「クソッ!!なんでオタクの隣なんだよ!!」
やはりな……
僕だって隣なんか嫌に決まってる
そんななか転入生が僕に話しかけてきた。
「こ、これからよろしくね」
少し緊張気味に転入生は言った。
しかし僕の心はそれくらいじゃ揺るがない。
「…………。」
僕が無言でいると周りのリア充どもが騒ぎはじめた。
「そいつオタクだから気にしないで」
「ったく、オタクのくせに無視なんかしてんじゃねぇよ!!」
はぁ。まったくうるさいやつらだ。
2話end