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パズル部伝説の先輩である直木遥飛、今野京佑、瀧川彩香が行方不明になって今日で5年。あの3人の後輩であるパズル部のメンバーの中嶋芽以、後藤開智、武田壮大、福谷鈴寿菜、大畑透夜は、いくら良い成績を出しても世界大会に出られなくなった。あの後、世界大会出場枠に年齢制限ができたのだ。行方不明になってしまった先輩が、制限を作ったのだ。(その他にも行方不明者があの大会では多数出たそうだ。だから、安全確保と子供を減らさないようにするために、規制した)
その制限のせいでパズル部は、同好会に格下げをされた。部員数もとうとう5人になってしまった。そして、来年には廃部となる。
思い出作りも何もなく、廃部への道をつき進んでいく……と誰もが思っていた。
◇
事が急展開したのは、数日前。
スズとカイチとトウヤのクラスの理科の移動教室の後、怪しい手紙、灰色の封筒に入って、新聞の字を切り取った手紙がウタのバッグに入っていたのだ。ソウタは学校の机の中に置き勉をしているから、いつもバッグの中は空っぽのはず(お便り類はバッグの外ポケットの中)なのに、中にその手紙はバッグの中にあった。
「DEAR パズル部員の皆様
お久しぶりです。
皆様とお会いできる日が決定しました。
一週間後の土曜日の正午に、東京タワーの下で待ち合わせましょう。
from MAZER JIGSAW」
「メイザージグソー?パズルの名前が二つある」
気に食わないような表情で長い髪をいじりながらメイが言った。
「もしかしたら、消えた先輩方と何か関係があるんじゃないのかなぁ……もしさ、先輩方が見つかったら大会に出れるよね?」
目を輝かせながらアで始まりンで終わる甘いヒーローそっくり(顔をちぎるのはさすがにしないけど)のカイチが言った。
「差出人に会ったことがある人いる?ぼくはないんだけど」
ソウタは身の潔白を証明したいらしいが、ソウタがそんなことする訳がないと誰もが知っている。無駄なお仕事ご苦労様ですという眼差しをみんなで一斉に向ける。
「先輩を取り戻せるんなら、行くしかねぇな」
普段は口数が少なめのトウヤがいらないお便り(学級便り、トウヤのクラスは教師が自己中過ぎてストレスを生徒に当たって発散するために憎まれて、学級崩壊した)で作った紙飛行機を飛ばして決意表明をした。
「すぅも行くよ」
スズナは行く準備なのか、ペンケースと懸賞付き500円のクロスワードの本と懸賞付き500円のナンプレの本と懸賞付き500円のイラストロジックの本をスクバの中に入れている。
「スズ、今日じゃないよ……私は、塾の模試あるから本当は行きたいけどパス」
メイは塾の予定表を見せてきた。ちゃんと土曜日が模試と書いてある。模試の料金まで書いてある。
「じゃ、何があるか分からないし、パズルでもしようか」
ソウタが棚から分厚い本、一冊あたり推定2kgのパズル集を5冊持ってきた。
「LET'S START PUZZLE TIME!!」
◇
メイザージグソー
mazer jigsaw
一体それは何なのだろうという疑問に心を動かされなかった部員は一人もいなかった。