6話ガラム登場!
「ほうー?これは意外と大きくて広い迷宮の様だな。けど、祭壇らしき場所がこの階だけなのが残念だ。」
俺はそう言って肩を落とす。
出来ればこの階の後2体のと合わせて6体くらいの召喚体が欲しかったが・・・。
まあ、これから旅をする様になれば、何処かで新たな迷宮なり遺跡なりの祭壇の様な場所が出てくるだろう。
その為の美空だし、トルカ村の護衛と、村の発展の為にガラムとミレイを残せばアイツらが大きくしてくれるだろう。
俺はその間に美空と祭壇探しに各地を放浪したり、どっかの国に情報を求めていったりすればいい。
俺の召喚体のメリットは、俺が持ってきた実体化デッキでの再召喚を行える点だ。
先ほど美空に揉んで貰ってる間に調べた結果、送還は何処に居ても出来るらしい。
そして、一定の場所に2体をペアで配置すれば、大事な時の召喚体の交換時も離れた場所でも無理なく交換できるだろう。
交換というのも、オマケ機能により、俺の直筆のサインを残した物を埋め込むか、置いて行けば召喚体のみではあるが、そのサインと俺の実体化デッキを行き来できるらしい。
まっこと、便利すぎる召喚体だこと。
まあ、便利なのは良い事なので、あまり文句は言えないのだが・・・
さて、余計な思考は後にして、残りの2体とこの迷宮の攻略に勤しみますか。
式神の映像では、幾つか魔道具の様な物を飾っている場所も有ったし、一番下は何処かの研究施設かと思う機材が置かれていた。
案外、ここは俺の知っている以前の世界と何かしらの繋がりが有るのかもしれない。
この祭壇の台座にしてもそうだし。下の研究施設そっくりの場所もそうだ。
場合によってはこの迷宮を俺の今後の活動拠点の候補に入れてもいいだろう。
「よし、美空。式神はそのままに隣の穴に向かうぞ。」
「はい。啓太・・・で宜しいですか?」
?・・ああ、冒険者としての練習か。
なかなかいいじゃないか。
「うん、それでいいよ。姉さん。」
「うん!分かった!」
可愛いなー。
カリンとは違う意味で可愛いぞ。
「じゃあ、行こうか。」
「うん、レッツゴー!」
そういいながら俺たちはこの部屋を出た。
先ほどの広間に出た俺達が見た物は、無残な姿を曝している魔物共。
恐らくは式神にやられたのであろうブランは両手がもげて足を焦げ付かせていた。
誰だ!
こんなひどい事をした奴は!
あ!・・多分カリンだな。
恐らく義経が八双飛びで湧き出してきた魔物を屠っていたら、不意にカリンの背後にブランが現れ、その事に気付いた弁慶が、物理的に両手を毟り、腕の痛みに苦しんでいる所を足元に火の魔法って所だろう。
あの、式神の弱点は魔物や人間の気配を探れない所だ。
まあ、元は魔力による護符なんだから、仕方ない所ではあるがな。
「こりゃー凄いね。啓太、少し待っててね?ここら辺の死骸を片づけるから。・・・」
おお、流石美空。
風の魔法で次々と死骸が中央に集まって行く。
そして、全てが固まった後美空が俺にバトンを回した。
「はい、啓太。後は啓太の魔法の練習で燃やしてみて?」
「うん。分かったよ。」
そういって、俺はAIフォンを操作し、火の魔法を使って死骸を燃やす。
初めは中々火が移らなかったが、5度ほど繰り返すと、付ける場所が良かったのか、一気に燃え始め、そこから美空の風の魔法で障壁の壁を作って火を閉じ込め、中の可燃性のガスを逃がさないようにしてから全てを燃やした。
「ふぅ~、これで綺麗になったね。・・じゃあ、行こうか。」と美空
「うん。」俺はそう言って応え、再び今度は左の穴に入って行った。
そこは、入り口こそ普通だが、中は何故か水浸しだった。
そして、目前数十メートルの距離にある、船の形をした祭壇も水たまりの中心に浮かんであった。
それから、肝心の門番は4メートル、若しくは5メートルはあろうかという大きな電気ウナギの様な姿の蛇の化け物だった。
その魔物は俺達を見るなり、イキナリ電撃を放ってきた。
「!!ヤバイ・・美空!くう・・・あ、流石だな美空。ありがと。」
「これ位、当たり前のことです、啓太様。・・・それと・・・どうします?」
美空が俺が言い終るより早く二人纏めて空中へと逃がす。
しかし、美空が言う様にこのままでは攻撃が恐らく通らない。
相手は見たまんま電気ウナギの特徴をした化け物で、攻撃も防御もそれに関連したやり方だ。
なら、此方の対処法は高密度に圧縮した空気の層を身に纏い、二人で肉弾戦をする方法が一つ。
遠くから俺が炎の魔法で牽制しながら美空が肉弾戦をする方法。
後は俺の火の魔法と美空の風魔法でカリンがやったような獄炎を創りだし、水のフィールドを蒸発させるか、一旦戻ってもう一つの穴へ行き、そこの召喚体を手に入れて再び挑むかだ。
まあ、俺の火の魔法の威力がまだ心許ないから、風の威力に押されて火が弱まる可能性が高いので、カリンがやったようにはいかないだろうから、蒸発は無理だろう。
ココは一つずつ試してみるか。
「美空、二人に風の障壁を纏わせて。俺が火の魔法を使って牽制、美空が近づいて肉弾戦。先ずはこれでいこう。」
「分かりました。・・・では、行ってきます。」
言うと同時に二人に風が高密度で纏わり付き、風の鎧となる。
俺は兎も角、美空はその神々しいまでの存在感と、神のような美貌。天使のような微笑の中に隠された冷たい威圧感から、正に戦姫と言うに相応しい姿だ。
その美空が一瞬にして化け物に迫り、その扇で化け物を切り刻みながら洞窟内を縦横無人に駆け巡る。
化け物も辺りに電気の光線を頭の触手から出してはいるが、美空のスピードが余りに速過ぎる為、当たる気配はない。
俺自身も美空が常に俺の気配と光線の位置を掴んで移動しているので当たる訳もなく、簡単に避けられている。
そして、俺がその美空の戦う可憐な姿に呆気に取られていて、数秒固まっていると・・
「・・啓太様、援護が有りませんよ?このまま私だけで倒しましょうか?私は良いですが、戦闘訓練に成りませんよ?」
気を遣って言ってくれているのだろうが、聞きようによっては「役立たず」と言われている感じがしたので、気を引き締めて
「・・悪い、物凄いスピードと攻撃だったから呆気に取られてたよ・・・。今から援護するけど、倒せるなら倒しちゃっていいから。」
「はい、様子を見て倒します。」
それから再び美空が切り刻み続ける。
その間に俺はなるべく魔法の練習に成る様な魔法を構築する。
イメージは四方八方から迫る火の球体。
槍のような形の方が良いが、今の状態なら簡単な形の方がやり易いだろう。
それをエネルギーパックの三分の2ほどを使って数百個作る。
そして、美空には恐らく当たらないだろうから美空毎攻撃したら化け物に集団放火。
こうすれば空いた火の魔法の隙間に美空が入り込み、化け物がその美空が入った一か所に向かって攻撃をするだろうから、俺が背後から美空を攻撃している化け物の隙をついて直接体内に火の魔法をお見舞いしてやる。
全体に眼のある様な美空なら、俺の視線を受けて、俺の行動が分かるだろうから化け物の背後に移動させてくれる筈だ。
なので、AIフォンを操作し、先ほどの規模の火の魔法を構築。
それを化け物目掛けて一気に放出する。
「・・ヴゥぅウぅ・・!!」
化け物がやっと呻き声のような物を上げて怯んだ。
その様子に美空がチラッとこちらを見て微笑、俺を移動させる。
それから思った通りの位置に移動した所で全弾発射。
勿論、美空は態と開けて置いたスペースに飛び込み、その間俺を俺自身の火魔法に当たらない様に移動させる。
それから美空も俺の失敗に備えて自らも化け物の正面から扇を畳んみ魔力を使った刀のような形にしてから化け物に迫る。
あれは確か扇魔刀 (せんまとう)と美空が呼んでいた刀だ。
あれの他にも魔力刀のバージョンはいくつかあるらしい。
その刀を以って俺の数瞬後に斬りつけられるスピードで迫っている。
「ギュググヴヴヴ!!」
ドン!という魔法が化け物に当たった音がした瞬間には、俺は化け物に手を当て、美空が切りつけて皮膚が見えている箇所にありったけの(勿論少しは残すが)魔力を使った火球を流し込む。
「ーーーーーー!!」
熱さでエビ反りになり、声にならない声を上げて苦しんでいる所へ、美空が扇魔刀を手に化け物を縦一閃に斬ってその威力で化け物が真っ二つになる。
そして、真っ二つになった化け物が、イキナリ光の粒子になった時、頭上から声が降ってきた。
「『おめでとう。これでこの祭壇の封印は解除された、この祭壇のスロットに入れられるのはセブンス・シー・ワールドの星1つのカード。他の者は別の祭壇を使用せよ。』」
「お、これがカリンが聞いたって言う声か。まんまシステムメッセージの音声だな。それにしても都合のいい位俺のAIフォンの新規追加項目と連動してるな。まあ、都合がいいのは良い事だ。・・・じゃあ、美空。ここの水を祭壇を浮かべてる物以外全部一か所に集めて何処かに流して来て?それから降りようか。」
「分かりました。」
答えて直ぐ、美空はフロア内の水を全て浮かせ、ひと塊の水球にする。
そして、恐らく予め調べていた洞窟内の貯水層の様な場所のある階層へと持って行った様だ。
勿論、俺の近くで全てを完了しているから、想像でしかないが。
そうして歩きやすくなったフロアの、元水たまりの中心の祭壇へと二人で向かい、船のサイドに有るスロットにガラムのカードを入れる。
その時美空の時と同様に魔力が全て奪われたので、これまた同じようにエネルギーパックを素早く交換して万一に備える。
「よし、セット完了。美空は万一に備えて風の障壁を継続してて。」
「はい。」
それから船の中から少しずつ光が溢れ、美空の時と同じように辺りが光に包まれた。
「へえー、なんか神秘的ですね。私の時も同じだったんですか?」
「ああ、まあ序に美空自身が神秘的な雰囲気を漂わせての登場だったよ。・・っと、もう出てくるな。」
「ええ。」
同じ反応で光の収まって行く光景を眺めながら、その中心を見据える。
そこで現れたのは、船のデッキ上に肩肘をを付いて寝ている大男。
更にはゲームの時と同じように何故か上半身裸のスキンヘッド。そして、左肩から右腰に掛けて大きな鉄製の鎚を担いでいる。下半身はアーマープレートのような物で保護している。
しかし、体中には美空の時と同じような圧倒的な威圧感を漂わせている。
あの威圧感だけで並の攻撃なら弾き返せそうなくらいだ。
顔はその周りと同じで男前!と言った言葉が良く似合う、イケメンとは言えないが、漢といった感じの厳つい容姿だ。
身長も2メートルを優に超えている。
丁度、北斗の○の○オウが近いか?
その漢が目を開けて、周りを見渡し俺に狙いを定めて歩き出す。
それを見た俺はコイツも大丈夫そうだと判断し、男に対する忠誠の立てさせ方を示した。
それは拳を突きあわせる事。
女性のような事を男性にさせたら俺は寒気が来ると思ってこのやり方を覚えさせた。
そしたら、皆賛成してやってくれた。
なので、向かってくる漢、ガラムに対して拳を突きだす。
すると、ガラムも口をニッと歪ませ、同じように突き出してくる。
そうして互いの拳が「コツン」っとぶつかった後
「お久しぶりです、啓太の旦那。俺たちの事情はそこの美空と大体同じなので省かせて貰いますぜ?どうせ野郎の説明何か聞いても旦那は楽しくないでしょう?」
「うん!分かってるね。流石!」
「・・・啓太様?そこは少しでも説明させるべきでは?何かしらの情報が有るかも知れませんし・・」
「いや・・無いな!」とガラム
「ならいい。」と俺
この様な俺とガラムの兼ね合いを見ていた美空は
「これだから男は・・」と呆れたように溜息を吐いた。
その呆れた様子に俺はワザト傷付いた風を装い・・・
「うう・・美空がこんなに男を嫌っていたなんて・・俺はどうしたらいいんだ~~。」
とワザとらしく頭を抱えた。
すると美空は慌てて・・
「え?いえ・・そ、そんなこ・・ことは・・・・。すみませんでした!!罰は何なりとお受けしますから。嫌いに成らないでください!!」
「あ、そ?なら、今度他の召喚体の者達が集まった時に公開で何かして貰うね?その何かは考えとくから、楽しみにしてるよ。・・・じゃあ、ガラムに美空。このフロアを出て、恐らく溜まっている魔物を掃除してから、次の穴に行こうか。」
「・・うう・・皆に見られるのは何か恥ずかしいです・・。出来れば二人きりの方が・・」
「・・ぉぃ、・・おい!美空。旦那は先に行ったぞ?早く行こうぜ。」
「・・え?・・あ、あ~待ってくださーい!」
ガラムの声に漸く我に返った美空は、慌てて啓太の後を追いかける。
それに従う様に、背後の気配を確かめるように気を配りながらゆっくりと後を追うガラム。
そうして、啓太達一行は元の広間に戻ってきた。
「あーあ、やっぱり溢れてるな・・。まあ、最初に見た時と比べたらマシか。」
そう言いながら広間を見渡す。
最初に来たときの大凡200体の魔物に比べれば大したことはないが、それでも30体は湧いてきてる。
この湧くタイミングはどう見るべきか?ゲームのリポップの様に時間に応じて魔物が溜まり、一定量が溜まると出て行った数だけまた湧くってのが自然だが、なぜかこの世界はゲームの様な感覚が残っている。
今回の湧いた数にしても、少ない方だとは思うが、戻って来てイキナリこの量は安心が出来ない量だと思う。
「さて、どうする?旦那。先ずは加わったばかりの俺の戦力の確認でもしとくか?俺は戦闘は専門じゃないが、鍛冶をやる関係で火や風の魔法も結構使えるってのは知ってるだろ?ハッキリ言ってこの程度の数の魔物なら、俺一人でも十分な位だと思うぞ?」
俺が思考を深めていると、不意にガラムが自らの戦闘を提案してきた。
まあ、確かにこの程度の雑魚なら問題ないか?
「分かった、鍛冶仕事の戦闘応用ってのも気になるし、やってみてよ。」
「よし、了解だ。・・美空は旦那の警護、頼んだぜ?まあ、頼まなくてもやるだろうけどな?」
「当たり前です!」
ガラムの言葉に打てば響くような反応を返す美空。
「なら大丈夫だな。じゃあ、獲物もこっちに気付いた様だし、行ってくるわ。」
「ああ、大丈夫だろうが気を付けろよ?」
「心配ご無用っと・・・オラ!」
俺と話している最中のガラムにブランが小枝を振り降ろして攻撃した。
その攻撃に振り向きざま肩に掛けていた鎚を横薙ぎに振り回す。
「ぴぎゃああ!」
「ぴいいい!」
ガラムの鎚に当たった奴は、その衝撃に耐えられずにそのまま壁に激突し、肉片が飛び散るように砕け散った。
「わー・・相変わらずエゲツナイ怪力だな・・。」
「品性の欠片も無い戦い方です。鍛冶仕事の応用のかの字も見当たりませんね。」
「今のは急な事だったんだから仕方ねえだろが!一々ウルセェーぞ。黙ってみてろ。」
「「はいはい」」
そう返事して微笑みながら美空と共にガラムを見守る俺達。
そしたらやっとガラムが鍛冶の際の魔法、精霊魔法を行使しようと集中して、眼を閉じる。
ガラムは全ての精霊と会話が出来る精霊魔法士だが、その職人肌故製造関係の事しかやろうとしない。
だが、普通に戦闘をすれば間違いなく元のゲームの精霊魔法士の中では5本の指に入る超一流の精霊魔法士だ。
「・・・おう、それで頼む・・いけー!」
精霊との何らかの会話を終了させ、行動開始を命ずるガラム。
それに応える精霊。
それからはハッキリ言って感嘆の一言だった。
美空のやったように湧き出した魔物を一か所に風で集め、集まった奴らを奴ら自身の武器である棍棒をや小枝を使って牢屋の様な囲いを創り、火の精霊に木を燃やさせる。
その効果はカリンがした獄炎の縮小版だ。
最小限に効果をだし、一匹も残さぬように配慮する。
戦いの見本のような手際だった。
「・・っし、終わったぜ?旦那。・・それと、燃え残った魔物の牙とか皮とかは後で取に来れるように何処かで固めとくか?恐らくこれらで簡単な武器や魔道具が作れる筈だ。この世界の空気も俺達が過ごしてたゲームの世界の空気も大した違いは無いからそれは保障するぜ?武器づくり、道具作りの決め手は魔力の源だからな。」
「ほー?やっぱりお前はそう言う事には敏感だな。俺にはさっぱりだったし、AIフォンを通さんと魔法も使えんから困ってたんだ。・・で?何が違うんだ?」
ココは具体的な何かを掴んでいるガラムに聞くべきだろう。
「ああ、ハッキリ言う。ここの空気はゲームの中と同じだ。だから俺らは言葉が通じるし、魔法も使える。旦那が何かしらの理由で言葉を理解できるのは、ここの空気の成分と同じ成分の魔法の元を摂取したからだろう。例えば魔法薬とか魔物の肉とかか?」
おおー、スゲーな。
ズバリ過ぎるぞ。
なおもガラムの説明は続く。
「旦那が機械を通じてしか魔法を使えないのはハッキリ言って当たり前だ。そもそもの土台(体)が違うんだから。しかし、だからこそ機械を通すことで全ての魔法が使用可能だし、機械の電力を使って行使するから威力もその機械の性能に準ずるって事だ。・・まあ、偉そうに言ってるが、これは俺の仮説だから、詳しくは旦那がこの世界に来ちまった理由を調べないと無理だろうぜ?」
そうしてガラムは美空を見て、微笑すると
「お前さんの願望も一つはあの声の通り叶うのは事実だが、もう一つの願望が叶うのはもう少し先でないと分からんぞ?旦那にそう言う行為を期待すんならそれは覚悟しとけよ?」
「ーーーー!!」
何か知らんがガラムに言われた瞬間に美空の顔が赤くなってしまった。
何のことだ?まあ、いいか。
要は魔道具の事もガラムに任せておけば問題なしって事だ。
これは村の発展計画の見通しが明るくなって来たな。
「じゃあ、魔道具の材料が分かるのなら、魔道具自体の役割も見れば解かるか?」
「ああ、問題ないだろう。余程工程を個人の特異な魔法で捻じ曲げてない限り、その物を作った奴も判別可能だ。・・ただし」
「?なんだ?」
「言って置くけど、俺は魔力の質を見極める道具は作れるが広い世界にいる只一人を見つける事は出来ねえぞ?そんな事が可能なのは神とシドの頭だけだ。俺が知る範囲ではな?」
あ、そう言う事ね。それは、まあ仕方ないな。
そこまでガラムに求めるのは酷ってもんだ。
そう言う能力はシドの奴に任せるとしようか。
アイツの能力ならその範囲の調べものでも簡単に割り出せるだろうからな。
「それよりも早く次の穴に行きませんか?何時また湧きだすか分からないのですから。湧きだした場所自体でどうしても障壁が間に合わない場合もありますし。」
「だな。俺の予想では地球の物語りの蠅男見たいの事には成らんとは思うが、美空の言う様に危険な事には変わりないから、さっさと行こうぜ?」
「おう、では出発!」
「「おーー」」
って事で最後の穴に俺たちは三人で入って行った。
ガラムのイメージは作中に書きましたが北斗の拳のラオウです。
巨漢のサッパリ性格が自分的に笑えるのでそういうイメージで書いてます。
全部でどれだけの召喚体が出るのか、自分でも分かりません(途中で設定自体変えるかも?)ので、その辺は適当に流してください。