12話村への魔物襲撃(後編)
「ふぅ~、お帰り~「啓太、それを言うならただ今でしょ」…分かってるよ…。もう夜か。って誰もいな・・い?!!」
「あ、ケイタ君。今村にいた・・」
ゴン!っと村長が全てを言い終る前に、悲劇は起こった。
村長さんが啓太達に危険を知らせようとした所を、グラムの手によって問答無用で吹き飛ばされ、近くの木にドン!という音と共に叩きつけられたのだ。
「ちょ、一寸おじさん!シッカリして!?今治してあげるからね?【アスクレイ】」
思わず駆け寄ったミレイの目が星座の、医療に関する星の色に代わり、魔法陣が生まれる。
慌てていた事もあるが今回はミレイの戦星魔法の中でも凡そ反則に近い、死者蘇生に属する魔法だ。
普通なら一段階で十分なのだろうがさっきの一撃をイキナリ見せられてはミレイも平常心を失っているのでしょうがないともいえるし、この世界で死者蘇生の魔法がどういう位置づけか分からない以上、死にそうな人を見過ごすのは目の前に啓太が居る時点で皆無。
仮にこの世界でそれ自体が違法行為だとしても、啓太の機嫌を損ねたくないミレイ達ならやる事は一つというのに変わりはないが・
そして、現れた星座の女神に短的に用件を言ってから目の前の半?死人を治療して貰う。
ミレイの戦星魔法の派手な部分はこの精霊術の様な見る者を圧倒する威容を顕現できることにある。
まあ、屋外限定ではあるが、威力も星の輝きに比例し、今夜は新月では有るがそれでも星自体が満天の星空なら、例え雨であっても地上に多少の光が届く限りミレイなら殆ど威力に差は出ない位に鍛えてある。
そして、女神が処置を終えて還るとそれに伴いゆっくりと息を整えて目を開けた村長さんが
「・・・?・・私は生きているのか??さっき夢で母さんが川の向こうで呼んでいたんだが・・」
なんて言って和ませてくれる。
「・・ほっ・・、どうやら間一髪だったようだ。良くやったなミレイ。」
「・・ええ、危ないとこだったようだけどね?・・って、さっきの奴は?」
ミレイが辺りを見回すが、さっきの魔物が居る気配が無い。
そう思っていると、上の方から
「グルルル・・」
という呻き声がしたので見ると・・
「あーあ、イキナリでやり過ぎよ、美空・・まあ、仕方ないっちゃ仕方ないけど・・。」
「確かにね・・俺もイキナリでビックリだよ。・・・おじさん、詳しく聞かせて?」
「あ、ああ。実は・・」
そう言いながら村長は語りだした。
啓太とカリンが森へ行った頃、丁度入れ違いに行商が来たこと。
そして、少し話した結果、村の外れに魔物の群れが居た事。
更には夜に村が襲われそうだと護衛の人が言っていた事。
それから、村長は一旦は山の方に避難していたが、村に魔物が入りそうな様子から、啓太の荷物だけでも持ち出してやろうと戻って来た事。
しかし、其れからは運が悪かった。
啓太達が帰って来た場所に、運悪くカリンらの迎撃の手から逃れたグラムの集団が別の場所から村に入り込み、民家を次から次へと破壊していたのだ。
その事を山の方から見てしまった村長は、更に別の場所から一人で舞い戻り、灯りを消したまま啓太の前に来た直後だった。
当然、グラムは魔力によって鼻や目が常人なんかよりも数倍に上がっているため、灯りが無くても村人を探して殺すことなど簡単だ。
その為、視認しなくてはならない村長は、無闇に魔物の前に姿を曝して巨木の様な腕に吹き飛ばされた。
「・・これって、俺の所為か?」
「「「・・・」」」
三人とも何も言わないが、それが答えだった。
そもそも、荷物を持って行ってない啓太が悪いので、村長はその不始末の尻拭いを死に掛けに、いや・・ミレイが居なかったら、死という行為でさせられているのだ。
これに落ち込まない程啓太は図太い神経はしていない。
「なあ、おじさん。他の奴は無事なのか?俺達がアンタの代わりに助け出してやる。アンタを俺の失敗に巻き込んだ罪滅ぼしだ。」
啓太の言葉に、村長は笑いながら・・
「ふっ・・・、なら外で戦っている方たちの応援に行ってください。私の分はそれ位でお釣りが来ますよ・・・・」
そう言って、村長は気を失った。
「皆、聞いた通りだ。悪いが俺の行動の尻拭いに皆の力を使うぞ?」
「「「了解!!」」」
「先ず、美空は森に一体式神を配置して湧き出してくる奴に備えろ。あと、二人に式神を出してやって二人は外の敵を残らず殲滅。一匹も生かして帰すな。どうせ魔物だけだ。もしけし掛けた奴が居たら、そいつはもうこの村に乗り込んでいる筈だからな。ミレイは殲滅後、ガラムと別れてこの周囲10キロに居るこの村を見張ってる怪しい者を探して残らず殲滅して危険を排除。ガラムは村の周りに簡易の用水路とキャンプファイアーとキャンプを設置して、森で取れた物を片っ端から村の人に振る舞って元気づけろ。村長の話が確かなら山の麓に避難してる筈だ。美空は俺と村の巡回。変な集団が居たら始末する。・・良いな?」
「はい(おお)」
そうして、啓太達は散って行った。
☆
啓太達が村長の代わりに村を巡回して居た頃、ホノライは副官と数人の護衛を率いて遠回りで村に到達していた。
「グフフ・・・さあて、良さそうな雌は居るかな?この程度の村に魔道具と金を求めるのは酷だから、せめて良い奴隷に成りそうな奴でも探すか・・・。」
そう言いながら既に村長宅以外の人気の無くなってしまった村で既に居ない人を探し始めるホノライ。
この時にホノライ自身か、副官辺りが村に人気が無いという事で明かりの魔道具でも使っていれば、村長宅に啓太が放置した物凄い量の魔道具が放置してあるのが分かりその後の逃走に役に立ったのだが、不幸なことに誰も気が付かなかった。
そして、魔物が色々と壊して行った跡が見れる中、背後からの音も無い暗殺術に一人また一人と当人たちも知らない内に数を減らしていき、気が付いた時には十数人から、ホノライと副官合わせて5人となっていた。
「・・おい、セノス。何か後ろが静かすぎないか?少し数を確かめろ。」
声を忍ばせてそう言うホノライの態度は、言葉に対して焦りと不安が先行していた。
そして、セノスと呼ばれた副官が数を数え、それを把握した段階で更に後方で何かが倒れる音がした。
「ヒィー!何が起こっておるのだ!ここは魔物の住む村か?!」
「落ち着いてくれ。今不用意に声を出せば暗殺者に気付かれる。恐らくは村に入ってきた数分で気付かれてる筈だ。・・さっきからこっちを見る視線が生半可な数じゃない。」
「正解です。カス共の中にも少しは出来る人が居たという事ですか。啓太様に付いてきた正解でしたね。」
「だね。俺だけじゃ、ここまでの威圧感を出すのは無理だからな。・・けど、カリンは無事かな?村長にお願いされた手前、何とかミレイ達が間に合ってくれてると良いんだけど。」
「そ、そこにいるのは誰だ!」
背後からの急な話し声に振り向き、光の魔道具を当てると、そこには絶世のと、形容しても可笑しくない程の美女が居た。
今から自分たちが狩るエルフが完全に頭から消え去る程の美貌。それに加えて身に付けている、人を誘っているとしか思えない装い。
楚々として男の隣に侍る一歩引いた佇まい。これが仮にホノライでなくともその立ち姿だけで殆どのオスならその場で欲情を漲らせても可笑しくない光景だ。
しかし、自分の姿を全くその意識に向けていない美空にとってはそのホノライのオスの本能は逃げる間を無くす無駄な行為でしかない。
そして、叫ばれているのにも関わらず隣にいる啓太と会話を続けている美空も何の問題も無いと言った感じで話を続けている。
「それは大丈夫でしょう。ミレイ達に渡した式は早さならムクを遥に上回る物。戦闘行為こそできませんが、どうせミレイ達は着いたら一瞬で片が付くんです。問題ないでしょう。」
「それならいいか、後はこのカス共の処遇だけだね。」
「それは村長を含めた被害者全員に任せるとして、先ずは何処かに浮かして逃げられなくしましょう。」
自分たちの処刑計画が着々と成されている状況だが、ホノライ達は全員意味が分からない。
それは自分たちが常に騙す側、捕食側に立っていた故の危機管理のお粗末さ。
少しでも逆の立場で居たことが有るなら、交渉なり契約なりを持ちかければ万が一の可能性もあったのだが、今までの立場からその考えは何処からも出てこなかった。
挙句・・
「おい、キサマラ。俺たちは同盟国の者だぞ?魔物が現れたと聞いて態々駆けつけてやったのに、それを逆に殺して回るとはどういう事だ。代わりにそこの女で償って貰うぞ?」
啓太の隣にいる美空のその容姿に欲情し唇を歪ませて、その醜悪な考えが思い浮かぶ辺りは流石だが、一つ勘違いをしていることに、そして思い浮かばなかった事が有る事に気付いてないホノライ達。
勘違いは、目の前の二人が村の関係者だと思って(実際にはそうであってそうでないのだが)今の事態の責任が追及できると思っている点。
思い浮かばなかったことは、自分たちと同じ立場(他国の襲撃者)の者だと言う考え。
この二つが微妙に絡み合って、トンデモナイ処刑書類にサインをしてしまった事をホノライ達は知る由も無い。
更には、護衛たちにまで見せしめにしようという始末
「おい、セノス。その娘を捕えろ。見た限り隣の男は大したことは無いだろう。その男の代わりに我らが気分よく娘を使ってやろうじゃないかグフフフフ・・」
「・・アンタもこの状況でよくそんな考えが出来るもんだ。逆に感心するぜ。・・俺はそんな危ない橋は渡りたくないんで一抜けするぜ?」
「な、何だと!?お前の仕事は何だ!?キチンと仕事しろ!」
「おいおい、俺の仕事はエルフを捕まえる手伝いとアンタの私兵を無駄に殺させない様にすることだ。明らかに死にそうな今の状況でアンタの欲望に付き合う義理は無い。・・あば・・よ・・?」
副官が退散の言葉を言い終らない内に、美空は行動を起こしていた。
「・・美空?・・・相変わらず早いね。」
「ええ、今のは正直頭に来ましたから。」
そう言ってホノライ達を指差し
「このカス共全員を今浮かせた所です。」
見れば言葉通り全員が宙に浮いている。
「な、ナンダ!?貴様ら、一体何をした!!?」
「・・これはもうお手上げだ。ここまで反則的な力の差じゃ、俺らが力で如何こうしようにも手さえ届かん。」
そう言って副官が両手を上げて降参のポーズをとる。
「・・あんなことは言ってるけど、何が有るか分からないから・・頼むよ?」
「ええ、カス共の周りの酸素濃度を17パーセントにして、生きられるギリギリの範囲で上空1000メートルに待機させておきます。」
「・・少し生温いけど、まだ殺したら不味いからそれでいいか。・・他の村の人は捕まっている人とか居無さそう?」
「ええ、ナノバードが監視している範囲では特に見当たりません。」
「ならいいか。じゃあ、終わってるとは思うけど、カリンを助けに行くのと、リンナを見つけに行くのを同時に行こうか?」
「そうですね。・・これでいいでしょう。・・行きますか」
美空は風を操り、提示した場所に男共を送る。
既に外に出ている美空にとって、風をその身に纏わせるのは勿論、国軍の1個大隊程度の集団を空中に放置するなど寝ていても可能な行為だ。
そして、それは星の、星座の力を我が物として、魔法として使う戦星魔法士のミレイにとっても同様の事だ。
☆
「はあ・・はあ・・」
「大丈夫ですか?お姉さま。」
「ええ、これくらい・・危ない!!」
「え?・・わ!!」
ユリアが危険を察知して、リンナを庇って近くに来ていたドロンに背後から襲われた。
「くあああ!!」
叫びと共に背中から鮮血を飛び散らせるユリア。
「お、お姉さま!?」
姉の鮮血をその身に浴び、イキナリの事態に困惑するリンナだが、危険はまだ去っていない。
姉を心配して傷口を急いで処置しているリンナに、後から忍び寄るグラムがその丸太の腕を使って木を削った棍棒を振り降ろす。
その事に直前で気付いたリンナは思わず目を瞑るが・・
「・・・??・・あれ?」
痛みが来ない・・
「ふぅ~、間に合ったようだな。旦那の話からして、この小っちゃい子がリンナかな?・・・名前合ってるか?お嬢ちゃん。」
ミレイが呼びかけるが痛みが来ないことにまだ疑問の様子のリンナは放心中で・・
「・・・」
反応なし・・
というよりも事態が把握できていないのだろう。
その証拠に傷の処置も途中だ。
「あ、そんな固定の仕方じゃ変に骨が固まっちゃうわよ?お姉さんにかしてみなさい。【アスク】」
再び治療の魔法により動かなくなっていた肩の傷の患部が元の状態に戻る。(今回は威力を落としているので女神が現れることは無い。見てしまったらそれこそパニックになると思ってやめているのだ。)
それに伴い、先ほどリンナを庇って出来た背中の傷も綺麗に跡が無くなっていた。
その実感を生で体験したユリアは・・・
「あのー、もしかしてエルフさんが言っていたお強い方々ですか?」
そんな風に問いかけてくる。
まあ、間違いは無いということで頷き・・・
「アンタらの他に無事な奴は居るか?居るなら助けに行ってやる。俺たちの主の要望だ。有難く思えよ?」
「ほんと、本来なら関わりたくないんだけどね?こんな明らかに他の第三者が関わっているイザコザなんか。静かに啓太達と迷宮めぐりしてた方が面白いわ?」
「ケイタ君を知ってるって事は、カリンちゃんの話にあった人?・・お願い!カリンちゃんを助けて!?この向こうで未だ戦ってるの!!」
リンナの悲鳴のような叫びに一瞬だけ唖然となるミレイとガラムだが、二人とも顔を見合わせ・・
「なら、魔法の種類から言って私の方が良いわね。ガラムはこの人達を啓太達の元に送ってから、ケイタに言われた作業に入って?私はもう一仕事して来るわ。」
「了解。」
この二人の会話で驚いたのはリンナだ。
勿論、普通の状態ならユリアも普通に驚いただろうが、生憎自分の体の事に一杯でそこまで頭が働いていない。
それもその筈、先ほどの傷にしても、本来なら回復に特化した青魔術師か傷の自然治癒を速める回復薬を用いる位でしか、これほど早急には回復しない。
ましてや媒体らしい媒体も無い者が、詠唱のみでここまでの魔法を使える等聞いたことが無い。
幾ら前もって物凄い使い手と聞かされていても限度がある。
ましてや今向かって来てる魔物だけでも結構な数が居るのに、その数を物ともしてない口ぶりだ。
「んじゃ、向こうに向かう序にココの雑魚を片して行くわね?【イ】」
目の前の女性がした行動が、リンナとユリアには理解不能だった。
突然の出来事・・としか言い様が無い。
何処からともなく火の妖精(最小の威力なので妖精だ。因みに最大威力は魔神)が地に降り立ち、片腕を水平に振るう。
そして、その後には元の草原が残るのみ。解かるのはその結果だけ。
事象を例えるなら水の溜まった巨大な湖が一瞬にして干上がるように、その場に居た、此方を目指して近寄っていた魔物だけを、一瞬にして炎が呑み込む光景だった。
チリチリと目の前に跳ぶ火の粉と、その火の粉を浴びながらも燃え出さない草原の草花を見ながら呆然とするユリアとリンナに、ミレイは微笑ながら
「もうここらには魔物は居ないでしょ。後はそこの大男にアンタの知り合いの啓太の所に連れて行って貰えば、そのにも頼れる護衛が居るから、大丈夫よ?・・じゃあ、ガラム。後はよろしくね?」
「おう、間に合わなかたら旦那に申し訳ないから早く行け。俺も早いとこ旦那の依頼をかたずけるから。」
二人はそう軽口を言い合いながら別れる。
ミレイはカリンの居る戦場に、ガラムは二人を連れて啓太の元に。
そうして、ゆっくりとこの長い夜が終わっていこうとしている。
☆
カリンが大型の人型であるグラムとドロンを義経と弁慶と一緒に足止めをしていた時、それは不意に現れた。
「アンタがカリンね?啓太って言って解かる?」
「へ?・・って啓太さんのお知り合いですか?ココは危険ですよ?・・・それ!」
ミレイと話している間もカリンの攻撃は続く。
魔法書に手を添えて魔法陣を呼び出し、行使する。
一見正しい手順に見えるが、それは熟練者の場合。
一流を自負し、素晴らしい魔法を間近で見ているミレイは、少し残念そうにアドバイスした。
「カリン、アンタはどの位生きてるか知らないけど、魔力の流れが悪すぎるわ。いい?魔法書を使うのはあくまで道具に頼らないといけない人たちの都合。そんなのに合わせてたら、自分の効率の良い魔法は出来ない。時には詠唱でその現象に思いを通わせるのが正しい時が有るの・・・こんな風に・・【シルフ】」
「え?」
ミレイの詠唱に由り人型の水色の妖精が現れ指を回し、それによってカリンの周りが分厚い空気の層に包まれる。
美空ほどでは無いが、一人に対する障壁程度ならミレイも簡単に作れる。
「そして、【イフ】」
ミレイが目に火の輝きを宿した魔法陣を刻み、手でその魔法陣を空に構築する。
そして、再び火の魔人が降り立ち、膨大な魔力の奔流がミレイの手を降ろすと同時に迸り・・・
「ぎゅがああ!!」
「ぎゅうううう!!」
ほぼ一瞬にして、残っていた約150体の魔物が血液どころかその巨体を余すことなく焼き払う。
「・・ほぇ~・・」
カリンはその光景を見て、もうあんぐりと言った感じで呆けていた。
それと同時に上には上がいるという現実をマザマザと見せ付けられた瞬間でもあった。
「どう?これが魔法の本来の使い方よ?詠唱を覚えないといけないと言う課題は有るけど、それをハンデと思う事よりそれ以上の威力で事態を覆すほどの脅威を敵に与え、味方に希望を与える。それが本来の魔法の在り方。唯便利な術 (すべ)としての魔術ではなく、自分の戦い方自体、人の生き方を活かす方法 (ほうほう)としての魔法がいつの世も必要とされるのよ。私達魔を使う者はそれを正しく認識して人々に希望を与える存在になる必要があるの。・・解かる?」
「・・・・」
どうやら、カリンには難しすぎて分からないようだ。
「まあ、いいわ。使い方は兎も角、使う理由はアンタの場合は間違ってないようだから、これから私がみっちり教育をして上げる。半年もあれば国で一番の魔術師にして上げるわ。その代り、扱きは厳しいけどね?」
「・・・・」
未だ放心中のカリンはそれ所では無い様だ。
仕方ないのでミレイは式にカリンも一緒に乗せて辺りの怪しい者を片っ端から殲滅する仕事に移る。
「今は私のやってることを見てればいいわ。ほら、行くわよ?」
「・・あ、はい!」
漸くこっちに戻ってきたカリンだが、その行動はミレイに由って常にコントロールされていた・・・
こうして、一連の魔物騒動は終結し、啓太の村での初めての夜は終わりを迎えた・・・。
ミレイの魔法講座が私の魔法と魔術の違いの考え方です。
他の作品には法則と想像の違いとかも書きましたが、それはあくまで発現の方法で合って、根本ではありません。
言ってみれば剣の道を行く剣道と人を剣で殺す術を学ぶ剣術との違いと同じですね。
この物語りを通じてほんの少しだけそういう作者の考え方を書く心算です。
意見が合わない等と言う人は無視してくれて構いません、所詮作者の考え方の一つなので