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旅人さんシリーズ

シロイロノヒ

作者: 風紙文

ある日、旅人が街に訪れると、その入り口で門番が、

「こんにちは旅人さん、今日この街ではある行事が行われているんですよ」

そう伝えてきた。

行事ですか、それはいったいどういうものですか? 旅人は首を傾げて訊ねると、

「行事と言っても…………ん?」

何か伝えようとした門番は、旅人を見て首を傾けてしまった。

どうしました? 旅人が訊ねる。

「えっと……すみません、旅人さん、貴方の性別を教えてもらえますか?」

門番がそう訊ねると、旅人は、


どちらに見えますか? と訊ね返した。





入り口を抜け、旅人は街の中を歩いていく。道が整えられ、自転車も走っている、中々文化の発達した街だ。

大通りなのか、一際広い道を歩いていると、旅人は多くの街人とすれ違った。

その中には、先ほど聞いた行事を行っている者達も見られる。

「はいコレ、この前のお返し」

「わぁ、ありがとう」

何をしてるかと言えば、男性が女性へ、何かプレゼントしているだけ。

だが、

「あ、あの人プレゼントしてるわよ!」

「今日の行事に忠実なのね! 行くわよ!」

その2人のところへ、新たに女性が数人現れ、

「アタシにも何か頂戴!」

「あたしにも!」

男性に対してプレゼントをねだり始めた。

「こ、これしかないよ」

男性が困ったように手を振っているその前を、旅人は横切った。

「あ! そこを行く人!」

それを見た男性は旅人を呼び止めた。

自分ですか? 旅人は立ち止まり振り返り男性とその回りにいる女性、いつの間にか更に増えた女性達を見た。

「アンタ、旅人さんか? この行事のことは聞いてるよな?」

はい、先ほど入り口で。旅人は首を縦に振った。

男性から女性へプレゼントを送る日、逆に女性から男性へプレゼントを要求してもいい日、とも聞きました。旅人が聞いた通りに答えると、

「なら…………ん?」

何か伝えようとした男性は、旅人を見て首を傾けてしまった。

どうしました? 旅人が訊ねる。

「えっと……すみません、旅人さん、貴方の性別を教えてもらえますか?」

男性がそう訊ねると、旅人は、


どちらに見えますか? と訊ね返した。





大通りを行くと、街の中心と思われる、大きな噴水のある広場へと旅人はたどり着いた。

そこでは、今日この街で行われている行事が、そこかしこで行われていた。

「さぁ! もう逃げられないよ!」

「おとなしく観念しなさい!」

「何かプレゼントを頂戴!」

「ひぃぃぃ!」

そこかしこで、男性が女性に、プレゼントをくれと攻められていた。

「そんなこと言ったって! さっき全部配り終えちゃったんだよ!」

「せめて何か買わせてよ!」

男性の悲しげな言葉と、女性の要求の言葉が入り交じる中で、旅人は噴水の近くまで歩いていき、肩にかけていた鞄を、わざと音を立てて地面に置いた。

何の音だ? 疑問に思った人達は音の発生源を見る中、旅人は鞄の中からシートを取り出して地面に引き、傘を取り出して背中に背負い噴水からの水を避け、様々な商品を、主にお菓子等の食べ物を取り出す。

最後に鞄を横にしてその上に腰かけると、旅人は旅商人としての商売を始めた。

「ちょうど良かった!」

「ナイスタイミングだよ旅人さん!」

始めるや否や、絡まれていた男性がこぞって集まり、お菓子を中心とした食べ物類を買い求めていく。

毎度ありがとうございます。旅人は男性一人一人にお礼を言った。

最後の一人に売ると、お菓子はに売りきれになってしまった。

「いやー、本当に助かったよ旅人さん」

これが自分の商売ですから、旅人が男性にそう言うと、

「でもアンタ…………ん?」

何か伝えようとした男性は、旅人を見て首を傾けてしまった。

どうしました? 旅人が訊ねる。

「えっと……すみません、旅人さん、貴方の性別を教えてもらえますか?」

男性がそう訊ねると、旅人は、


どちらに見えますか? と訊ね返した。


先月は何もできなかったので、今日こそは、と思い書いてみました。普通の行事とはかなり異なっていますが、そこは物語ですので、と。旅人さんが訪れる町は本当に多種多様ですね。

この中で最たる謎は、旅人さんのせいべつですね……

どちらにみえますか?


感想、及び一言、お待ちしています。


それでは、


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