中二病?オタク?
人はなにかの上に立たないと生きていけない。俺はそう思っている。
たとえば、生まれつき体が弱い人がいる。周りの人はその人を見て「かわいそう」と思うだろう。だがそう思う大抵の人はその体の弱い人を下に見ている。「自分はこの人より上だ」そう思ったときに初めて「かわいそう」という言葉が出てくるだろう。
だが俺はその考えを誰にも言わない。なぜだがわからないがほとんどの人が無自覚だからだ。だから俺がこの話をすると「そんなことはない」と返される。人によっては説教してくる奴もいる。だから俺はこの考えをほかの人に言うことをやめた。
俺自身まだ高校生だからこの考えは中二病かなんかのあれかとも思ったことがあるが、周りの汚い大人たちを見ると自分の考えが間違っているとはとても思えない・・・いや、こういうことを考える時点中二病なのかもしれないな・・・
「ハァ・・・つまんね」
そんな考えを持っている俺は今現在入院中。そしてお見舞いに来る人たち。俺はイライラしている。 「はやく元気になってね」なんて言われた時にはぶち切れるとこだった。そんなに俺を下に見て楽しいか?見舞いに来た中で俺の事を本気で心配してた奴なんてどのくらいいるか・・・まあそんなに見舞いに来る人なんていないのが現実ではあるんだがな・・・と思いながら病院の中を散歩していると
「れ~んくーーーーん!」
突然大声で名前を呼ばれて俺はかなりビックリした。ちなみに俺の名前は高橋廉。高校一年生でもう少し二年に進級するぜ!・・・なんて頭の中で考えるなんてやっぱり俺は中二病を卒業できていない痛い奴なのか?
「ん?廉くん何してる?」
「あ・・いや、何でもない」
そしてさっき大声で俺を名前を呼んだのは今俺の目の前にいる少女佐藤きりの。
「お前は元気だな、本当に入院患者か?」
俺の問にきりのは、「それほどでも~」といって照れた。ほめたつもりはないのだが・・・
「それより廉くん、この本読み終わったから貸してあげる。」
入院生活とは暇なものだ。最初は俺も学校が休めると喜んでいたが三日もたつと飽きてしまい、暇潰しの何かをさがす日々となってしまった。かと言って運動できる体でもないしゲームは親に持ってきてもらえずでなにもすることがなかった。しかしそんなときに現れたのが俺の幼馴染である佐藤きりのだ。俺が入院した五日後にこの病院に入院してきた。
そして何もすることのない俺に小説を進めてきた。ふだん本を読むといったマンガぐらいしかない俺がよくわからない小説を読むことになった。暇だからためにに読んでみるとそれが面白くて読むのをやめることができず、その日から一週間がたち今ではすっかりはまってしまった。
「はい、ハルヒの続編だよ」
「マジか?続き気になってたんだよ!ありがとな」
俺はこの時知らなかった。この本がラノベだということが。この本が周りからどう思われているかが。
「ねえ廉くん?」
「なんだ?」
急いで自分の病室に戻り本を読もうと思っていたとききりのが話しかけてきた。きりのの顔を見ると少し悲しそうな顔をしていた。
「手術・・・明日なんだよね?怖くない」
「別に死ぬような難しい手術じゃないんだからな、そんなに怖くないよ」
俺の体は血の流れが悪いらしくてよく貧血になっていたんだが最近それが悪化してしまい貧血レベルではすまなくなってしまいそれをよくするために手術をする。別に手術そのものはそんなに難しいものではないのだかが入院期間がちょっとだけ長い。
「怖くないの?」