第五話 中央大陸精密騎士団
翌日の学校。
今度のチャイムは放課後を知らせていた。
「レイ、今日も異世界に行くか?」
「トウゴ、悪りぃけど今日部活あるんだよねー。ごめん!本当はめっちゃ行きたいけど大会も近いからさ、」
レイは前回の大会で惜しくも準優勝だった。きっと、今度の大会では優勝を狙いたいんだろう。
「いや、大丈夫だよ。今日はヘルメースと二人で行くことにする。」
―――
異世界到着。
降り立ったのは相変わらず長閑すぎる草原だった。
「今日もあの森か?」
「そうなりますね。あの森以外では今のところ発見されてないので。」
「へぇ、そうなのか。」
(今日はレイの代理となるよう頑張るか…)
―――
薄気味悪い森のそばに来ると、森の外に魔獣が食事を行っていた。
「あれは…黒い虎か?」
「その様ですね…今日は辞めます?虎ですよ?」
(…昨日までは森の中での戦闘だったがここは森の外…徐々に外へ出てる…?)
「いや、ここで奴を倒さなければ逆に被害がデカすぎるだろう。」
「分かりました!でも、危険な時はすぐに転送しますからね!」
魔獣もこちらの殺気にでも気付いたのかこちらに振り向いた。
魔獣は素早くこちらに向かってきた。
「それならカウンターを…なっ!?」
魔獣は一度スピードを殺し、タイミングをずらして攻撃してきた。
「早い、防げない…!」
一か八かで剣を振り落とす。
すると以前より早く降り下ろせて魔獣を真っ二つにした。つまり、魔獣討伐成功だ。
(…えっ?)
「とうごさん、凄いですね?!転送を行おうとした時に討伐するなんて…!」
(なんだ?今日は簡単に倒せた?それに、なんだか調子がいい…)
トウゴが疑問に思っていると一人の男性が拍手をしながら近づいてきた。
「今の勝負、見事であった!」
声の方向を見ると赤紫の髪をしている人物がいた。
体には機能美を極めた白銀の胸当てと重厚な肩当てを付け、足は完全に鎧で塞がれていた。
「先に、この前の騎士団の件について感謝したい。」
(騎士団…俺の初仕事で助けた…?)
とりあえず相槌を打つことにした。
「あぁ、それはどういたしまして。」
「自己紹介がまだだったな。私は中央大陸精密騎士団の傲慢部隊長のデルフィニウム・プライドと言う者だ。」
(なんだか色々急に出てきたな。えっとまず気になるのが、)
「その、プレシジョン・ホーリーズ…ってのはなんなんだ?」
「おっと、失礼。中央大陸精密騎士団についてご存知なかったか。では説明しよう。」
「中央大陸精密騎士団。中央大陸に存在している、元々戦争関係だった国同士が、共通の敵。魔王を封印するために制作された組織だ。そこに居るものは誰もが、精密に行動出来る者ばかりのはずだ。中でも、幹部。つまり隊長クラスは優秀な戦闘実績・研究結果を持っている者しかなることが許されていないんだ。」
「あー、えっとつまり…?」
「まぁ、簡潔に言えば超優秀な奴らの宝庫ってことだ。」
(あぁ、なるほど。)
「分かりやすい説明をありがとう。」
「…ところで、隣にいる白くてフワフワ浮いているのは君の相棒かな?」
(ん?あぁ、ヘルメースのことか)
「そうですね。名前はヘルメース。」
「ヘルメース?ふむ、そうか…」
デルフィニウムは顎を手で触っていた。
「あの、どうかしましたか?」
「…いや、なんでもない。ここへは騎士団から下された任務で来たのだ。内容は勇者の存在確認と特徴の調査。つまり、私の任務は報告するだけで完了だ。深堀は任務外だ。」
(何か隠したか?だか、無理に聞いて話すような男じゃなさそうだな。)
「そうなんですか。じゃあまたどこかで会いましょう。プライド部隊長。」
「よしてくれ。勇者殿に敬われる立場ではない。気軽にデルフィニウムと呼んでくれ。あと敬語も。」
「えっと、分かった。またいつか会いましょう、デルフィニウム。」
「あぁ、またお会いしよう。異界の勇者殿。」
デルフィニウムは来た道を戻って行った。
―――
さっきのデルフィニウムの言葉や仕草でほぼ確信した。ヘルメースは隠していることがある。
(…聞いてみるか。)
「ヘルメース、さっきの―――」
「とうごさん。今日は速やかに帰りましょう。」
ヘルメースに話を遮られてしまった。
ヘルメースの顔を見ると、少し険しい顔になっているように思えた。
(この状態で話すのは良くなさそうだな…後で聞こう。)
ヘルメースの言葉どうり、速やかに現世へと帰った。
なろうのルビって十文字なんだ…
ルビ入ってね?




