第三話 グッドモーニング!
カーテンが開けられ、日光が顔面に直撃する。
「眩しぃよぉ…眠ぃ。」
「おにい起きて、もう朝だよ。」
弟が話しかけてきた。
日光には顔を枕で対抗する。
「ん、あと5分…」
「そう言って学校遅刻したのはどこの兄だろうね。」
それを言われたら流石に頭も覚ますしかない、
「先に下で朝食食べてるからね。」
「…ふぁい。」
―――
「…以外にバレませんでしたね?」
俺の顔の横に普通に座っているヘルメースが話す。
「だって、お前はぬいぐるみにしか見えないからなぁ。」
「流石に外では通用しないですよね。話しやすいようにイヤリングにでも変身しておきますね。」
「変身って便利だなぁー。」
―――
リビングに行くと、弟が朝ごはんを食べていた。
「うわ、今日もめっちゃ美味しそう。」
「だろ?今回のは自信作!」
綺麗に焼けたパンケーキの上からバターが美しく溶けている。隣には牛乳とシロップが。
「上手くなったなぁ、流石俺の弟!」
「褒めてもなんにも出てこないよーだ!」
パンケーキにシロップをかけ、ナイフで一口サイズに切り、口に運ぶ。
「……!」
口いっぱいに幸せが広がる。それは甘いからなのか、それとも愛しの弟が作ったからなのか…
答えは、その両方だった。
「…幸せ。」
「…ジュルリ、」
なんだか耳元で聞こえた気がするが気のせいにしておく。
「てか、おにいイヤリングか?付けたんだな。綺麗だね。」
「あぁ、だが、ユウキには負けちゃうんだけどね。」
「そりゃどうも。」
ユウキで気づかなかったが、今朝から父さんの姿が無かった。
「ユウキ、そう言えば父さんは?」
ユウキがパンケーキをリスのように可愛く頬張りながら喋る。
「父さんなら今日は朝早いって言ってたよ。」
確かに昨日は早くに寝ていたな。
「て言うか、おにい時間大丈夫?」
「えっ?」
時計を見ると家を出るべきタイミングから10分も遅れていた。
「なぜだ!?弟のパンケーキを深く味わってただけなのに…!」
「それだよ。」
弟が呆れながら言う。
―――
「大丈夫だ、いつもと変わらない時間だ!」
「なんでいつも遅れてんだよ…気を付けていってらっしゃい。」
「行ってきます!」
玄関のドアを開け、駆け足で学校に向かう。
「てか、なんでバレちゃダメなんだっけ。」
イヤリングのヘルメースに問う。
「別に他の人にバレてもいいんですけど、バレたら色々とめんどくさいじゃないですか、なので異世界に行ける人物にしかバラさない方がいいと思いますね。」
「つまり…弟に話せってことか!」
「すっごーい!弟さんが絡まると思考が下がるんだー!」
その後の学校は椅子に座ったタイミングでチャイムが鳴った。




