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転生世界 -俺が魔王を討伐する迄-  作者: 溶けた一頭身
第一章 プロローグ
1/6

第一話 世界

ある日の放課後。学校のグラウンドでは部活動の明るい声が聞こえてくる。俺はそれを横目に教室のゴミを校舎裏に捨てに行った。


校舎裏はグラウンドとは違い人の声すら聞こえなかった。

「ふぅ、こんなもんか。」

ゴミを校舎裏のゴミ捨て場に置き家に帰ろうとしたその時だった。

「…誰かいるんですか?助けてください!」

(なぜ校舎裏に人の声が?いや、まずは助けることが優先か。)

「大丈夫かー?今行くからな。」

俺は声のする方向へ向かった。


声の主と目が会った瞬間、時間が止まったかのように感じた。


一瞬猫に見えたが、よく見ると全然違う。

白い体は抱き心地の良さそうなフォルムで、手は長い袖で見えない。そして、耳は長く、壊れたフェンスに絡まっていた。

(ぬいぐるみか?)

そう思っていると話しかけてきた。


「そこの人ぉ助けてください…耳が絡まっててぇ。」


俺は直感した。コイツに関わると今までの平穏な日常は消えてしまうと。

「まず聞いていいか、お前はなんだ?」

(質問の答え次第ではすぐ帰ろう。)


「私ですか?私はこことは異なる世界から来ました。ヘルメースと申します!」

ヘルメースと名乗る人物が手を上げたその瞬間。

「にぎゃぁぁ!?」

体を動かしたせいで耳が引っ張られていた。


「…何してんだ。」

「耳が絡まってたのを忘れてましたぁ…」

「んで、異なる世界から来た?奴がこの世界に何の用だ?」

「その質問には答えと一つ願いを聞いてもらっていいですか?」


「私の世界では魔獣と言う魔王の手下が世界の脅威(きょうい)となっているのです。なので!あなたには私の世界を救う勇者になって欲しいのです!」


「よし!分かった。帰る。」

「えっ?!待ってください今ので断るんですか!?」

「俺以外になりたい奴や向いてる奴がいるだろ。そいつに頼めばいいさ。」

(あいつなら喜んで引き受けるだろうし。)


「あなた、貴方にしか頼めないんですよ!他の人ではなく、貴方自身にお願いしているんです!」

「…俺にしか頼めない?」

「そうです!それに、私今耳が引っかかってますし…」


(あいつじゃなくて俺にしか頼めないか…)

俺は拳を握って言った。

「…分かった。なってやるよ、勇者に!」

「ありがとうございます!それで、まずは私を助けて貰っていいですか?」


俺はフェンスに絡まったヘルメースの耳を解いた。


「それじゃあ、行きましょう。」

ヘルメースの背後で黒い渦が巻き始め、空間が開いた。綺麗な草の匂いが押し寄せた。


読んできただきありがとうございます!

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