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「カグヤと彼氏と日本史の謎」(セーラー服と雪女 第21巻)  作者: サナダムシオ


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㉒ 小型トランク

「皆さん、はじめまして。私は、サン・ジェルマン伯爵と申します。雪子さんとは、以前から仲良くしていただいております。」

 彼は、その場に居た面々に、そう挨拶した。


 すると、何時もお馴染みの囁きが、"チーム雪子"のあちこちがら聞こえて来た。

「えっ、サン・ジェルマンって、あの?」

「まさか…実在したんだ?」

「確か不老不死とか、タイムトラベラーとか…?」


「そうです。私がその、サン・ジェルマンです。」

 彼も、いつもの"変なオジサン風"の返しをしたのだった。


 そんな楽しげな遣り取りの最中、カグヤは雪子に呼ばれ、中庭の片隅に行った。そして彼女から、とある予言とアドバイスを告げられたのだった。


 そして、ちょっとしたデバイスも渡された。カグヤは少しばかり驚いたが、やがて何食わぬ顔で、集団の中に戻った。


 その後、現場は解散となり、サン・ジェルマンは、カグヤたちの部屋にやって来た。


「さて改めて、成雪君、ようこそニンゲンの惑星へ。私がキミの産みの親です。」

 伯爵が再度の挨拶をする。


「つまり、アナタが、ボクのお父様なのですね?色々とまた、教えてください。よろしくお願いします。」

 成雪も畏まった返答をする。


「父であり母でもあるような…まあ、ともかく、よろしくね。そんなに硬くならなくてイイから…。」


「でも、びっくりしました。まさか、並行宇宙への移動まで可能な、"完全な時空転位装置"を完成させるなんて…。」

 カグヤは、驚きの色を隠せない。

「…私たち鳥族にとっても難しい技術なのに。」


「流石にまだ、細かい座標の調整が行き届かなくて…ミケーネ君たちみたいに、"飛び出して行け宇宙の彼方"とまでは行かないですね。地球上が精一杯ですよ。」


 伯爵は、2025年に流行る、ガンダムの主題歌のフレーズを引用して、謙遜した。さては一人で、コッソリ未来に行って来たようである。


「ああ、すいません。嬉しくて、ついつい脱線してしまいますね。今日、お二人に会いに来た、本題に入ります。」


 彼は、持って来ていた小さなトランクを、テーブルの上に置いた。

「コレは昔、私が最初のタイムトラベルで使用していた、ポータブルタイムマシンを、改良したモノです。」


 伯爵はそう言うと、トランクを開けて、二人にその中身を見せた。

「ここに座標を入力して、このスイッチを押すだけで作動する、実にシンプルな構造です。」


「へえ、大したモノですね。コレもご自分で、造られたのですか?」

 カグヤが感心して尋ねる。


「実は、昔々、まだ私が少年の頃、雪子さんに手伝ってもらって造りました。」

 何故か伯爵は、少し照れくさそうに答えた。

 そして、話題を変えるように、説明に戻る。


「大きな改良点は、太陽電池で駆動するようになった事です。昔は手巻きレバーで充電してましたから…。」

「ああ、それは確かに大変そうですね。」


「二人で移動するなら、コレ一つでまかなえます。是非、成雪君を、ニンゲン界の歴史探訪に、連れて行ってあげて下さい。」


「ありがとうございます。」

 カグヤと成雪は、伯爵にユニゾンで、お礼を言ったのだった。

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