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「カグヤと彼氏と日本史の謎」(セーラー服と雪女 第21巻)  作者: サナダムシオ


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16/30

⑯ 二人の雪村

「それについては、私から説明しましょう。」

 サン・ジェルマンが、横から助け船を出した。


「実は、先日、ミケーネ君から、こんな話をお聞かせ頂きまして…。」

 かくかくシカジカと、これまでのカグヤと武蔵との、成り行きについて話す伯爵である。


「…それは大変だったわね…というか、むしろ残念な事をしたわね。」

 雪子がそう言うと、カグヤはまた少し、悲しげな顔を見せた。


 それを見た付き添いのミケーネが、彼女の頭に手が届かず、仕方なく腰の辺りを撫でる。


「そういう訳で、この天才科学者の私が、ひと肌脱ぐ事にしたんですよ。」

「ナルホド…ってまさか!?」

 そう言ったのは雪村だった。


「そう、当然ですが、雪村君ご本人には、最初にお伺いを立てて、快く承諾を頂きました。」

「えっ、でも、こんなに早く…?」

 心底驚いた様子の雪村。


「次いで、彼の時空を超えた姉で、且つ実質上の分身でもある雪子さんにも、もちろん事前に、話は通してあります。」


「そうね。確かに、ついこの間、私もその件に賛同したわ。」

 雪子も、ソレを知っていた事を認めた。


「ちょっと、みんなして、何なんですか?アレとかソレとか…ハッキリ言って下さい!」

 弓子が、柄にもなくイライラを募らせて見せた。


「"百聞は一見に如かず"と言います。今から、皆さんにお披露目しましょう。どうぞエレベーターで、地下3階の私のらラボへ。」

 伯爵がそう言うので、皆は地下3階に降りて行った。


 一行がラボに入ると、部屋の中央に、縦2m、横1m幅50cm程の、透明なガラスケースの様なモノが立っていた。

 ただ、中に白いガスが充満しており、ナニが入っているのか良く見えない。


「では、お披露目します。」


 サン・ジェルマンがそう言って、ナニやらスイッチをイジると、ケースの中のガスが次第に消えて行き、同時にケースの天板が持ち上がるようにして、上に開いた。


「きゃあっ!」

 同時に、そこに居た、雪子とカグヤ以外の、女性たちから悲鳴が上がった。


「ああ、レディの前でした。コレは失礼。」

 伯爵はそう言って、ケースから出て来たモノに、さして慌てるでも無く、白いガウンを掛けたのである。


 そして、そこに居たのは、何と、"もう一人の真田雪村"だったのだ!


 しかし、よく見ると、何となく違いを感じる。

 下唇の右下に、雪村本人には無いホクロがある。

 髪の色も、少し本人より茶色いようだった。



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