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「カグヤと彼氏と日本史の謎」(セーラー服と雪女 第21巻)  作者: サナダムシオ


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15/26

⑮ 帰って来たカグヤ

 それは、西暦1991年10月31日の木曜日。

 時刻は21時00分の事だった。


 この日は、ハロウィン・ナイトという事で、いつもより夜更かし気味に、テレビ塔の亜空間レストランを開けていたサン・ジェルマンであった。


 実際に日本で、ハロウィンのイベントが定着するきっかけになったのは、1997年の、ディズニーランドの企画だったのだが、オシャレな伯爵は、流行を少しばかり、先取りしたのである。


 日頃、時空調査に勤しむメンバーを、労う意味も込めて、ちょっとした仮装パーティー兼ディナーの会をやっていたのだが、それもそろそろ終盤であった。


 参加者は、平日という事もあり、忙しい現役小学校教諭の真田香子を除く、フルメンバー。つまり、真田雪村、由理子、雪子。それに杉浦鷹志、酒井弓子。そしてサン・ジェルマンと村田京子だった。


 因みにジャンヌ・ダルクは、他の時空救出メンバーと同様に、自室で安んでいた。


「何だかイヤな予感がするわ。」


 それまでずっと上機嫌だった酒井弓子が、急にそんな事を言い出したのだ。

「えっ、何?どうしたの?」

 パートナーの真田雪村が尋ねる。


 すると、突然、エレベーターの扉が開き、懐かしい人物が顔を出したのだった。


 ただ、その服装が、まるで天女のような透明感の有るワンピースだったので、一瞬みんな、ソレが誰だか分からなかったのだ。


 その人物は誰あろう、カグヤ・イシュタル、その人だったのだ。ついでに言うと、傍らに、猫王子のミケーネもついて来ていた。どうやら、今日は行儀良く、宇宙船を地下駐車場に停めて来たらしい。


「皆様、お久しぶりです。カグヤ・イシュタルです。先日は大変お世話になりました。」


 彼女は、爽やかな声で皆に挨拶すると、直ぐにサン・ジェルマンを見つけ、こう言ったのだ。


「この度は、不詳この私めのために、骨を折って頂き、ありがとうございます。"お約束の真田雪村様"を頂きに参上しました。」


 コレを聞いて、直ぐに顔色を変えたのは、雪村本人よりも、弓子だった。


 彼女は雪村の前にズイと出ると、こう言ったのだ。

「雪村君を手に入れたければ、まず私を殺しなさい!…でも私だって、そう簡単にはヤラレないわよ?」


 するとカグヤは、慌ててこう言ったのだ。

「ああ、誤解しないで…言葉が足りなかったわ。そういう事じゃないのよ…。」


「じゃあ一体、どういう事なのよ。説明して!」

 弓子はいつになく、鼻息が荒い。

 彼女にとって雪村は、唯一無二のパートナーなのだ。

 必死になるのも、無理は無かった。

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