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転生幼女吸血鬼異世界放浪記  作者: るうと280
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第四十五話:荒野の決闘?群れ対群れの激突

ノア、ロザリア、ミリアの三人を乗せた漆黒の馬車は、魔国へと続く荒涼とした荒野を進んでいた。勇者パーティはスルベニアへ、生徒会長は休学届の提出へと、それぞれ別の道を進み、ノアの周囲は束の間の静けさを取り戻していた。


しかし、その静寂は長くは続かなかった。荒野の地平線に、巨大な魔力の塊と、おびただしい数の魔物の群れが姿を現した。


「ノア様、魔族です!しかも、かなりの大軍!」ミリアが聖なる力を高めながら警告した。


その群れの先頭に立つのは、一人の魔族だった。全身を黒いローブで覆い、その顔は無数の影が渦巻いているようで、単一の個体ではない異様な存在感を放っていた。


「フフフ……ようやく見つけたわよ、デイウォーカーさん」


その魔族は、低い声で威圧した。


「私は、魔王軍四天王、第二席、魔軍参謀レギオン。私たちは群れであり、個であるのよ。この荒野で、あなたの旅路を終わらせてやるのよ!」

「なんでしょう、あれは、なんだか色々関わってわいけないような気がします」

レギオンと名乗った魔族は、頭にいっちゃいけないような形をした、ツノが生えて、ごっつい筋肉質の体にボンテージの衣装を纏っていた。今にも『フォー!』とかいいそうである。


そしてレギオンの背後には、数えきれないほどの同じような角の生えた虫が蠢いており、その圧倒的な数と魔力は、獣魔王軍団を遥かに凌駕していた。


「万の群れを味わうがいいわ! さぁ、あなた達蹂躙しなさい!」


レギオンの命令と共に、魔物の大群が砂塵を巻き上げてノアの馬車目掛けて突進してきた。


ノアは、この下品な数の暴力に対し、微塵も動揺しなかった。ロザリアとミリアを安心させるように、軽く鉄扇を開き、御者席に座る忠実な眷属に視線を送った。


「アルベルト。あなたに任せますわ。あの下品な連中に漢のなんたるかを教えてあげなさい」


御者席から降りたアルベルトは、ノアの言葉に深く頭を垂れた。

いつの間にか、革の衣装に着替えている。

「おまかせを、見事に調教してご覧に入れます。」

そう言うと、ノアから借りた、鞭をビシッとしごいた。


アルベルトは、やおら鞭を地面に打ちつけた。すると、どこからともなく、黒い雲霞が湧き出すように現れた。それは、黒光りする、小さな虫の軍団G――アルベルトの眷属だった。


アルベルトの眷属は、生命力と増殖力において、この世界の魔物の常識を逸脱していた。


レギオンの「万の群れ」は、個々の戦闘力においては優れていたかもしれない。しかし、アルベルトの黒い雲霞は、その数において、そして数の補充という無限の資源において、レギオンの軍団は全くかなわなかった。


黒い雲霞は、レギオンの魔物の群れに瞬時に到達し、一斉に襲いかかった。


レギオン達の体が食い破られ、最強を誇った硬い殻はが溶かされ、その魔力が小さな虫たちのエネルギーへと変換されていく。一匹の魔物が倒れる間に、千匹の虫が新たに増殖し、レギオンの軍団を圧倒的な勢いで飲み込んでいった。


「な、なんです、この数は!?こんなのは対処できない。私たちの数が、減らないの〜。それのなんなのこの凄まじい生命力、まるで・・・は……?!こんな、勝てるはずないわ〜」


魔軍参謀レギオンは、自らの最大の武器である「群れ」が、アルベルトの眷属「G」によって完全に無力化され、逆に駆逐されている光景に、戦慄した。


ノアは、馬車の中から、その光景を紅茶を飲みながらと共に眺めていた。


「ミリア、あなたの入れた紅茶もなかなかですよ。腕を上げましたね」


アルベルトの効率的かつ無慈悲な殲滅により、レギオンの軍団は跡形もなく消滅し、四天王レギオン自身も、本体である核を見抜かれ、黒い雲霞に完全に分解されていった。ノアの魔国への旅路は、またしても一人の四天王の屍の上に築かれたのだった。


「生まれ変わったら、漢とは何か語りましょう」


上半身裸に革ジャン姿のアルベルトのバックには何故か、岩肌に大きな波が押し寄せる背景が・・・


「遊んでないで、行きますわよ。アルベルト」

「はい、お嬢様」


こうして、ノアの旅は続く。

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