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転生幼女吸血鬼異世界放浪記  作者: るうと280
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第二十九話:決闘の日常と残念王子の登場

決闘は貴族の嗜み


学園での生活が軌道に乗った頃、ノアの放課後の日課は決闘になっていた。


学園都市アルカディアにおいて、「決闘」は貴族の生徒にとって力の証明であり、嗜みの一つとされていた。ノアがクラス分け試験で見せた異次元の剣技、そしてその美貌と威圧感は、学園内の強者たちの挑戦欲を強く刺激していたのだ。


ノアは、放課後の訓練場に立つ度に、いつも心底うんざりした表情で呟いていた。


「なぜ、こんなところに? わたくしは優雅にお茶を嗜みたいのですけれど」


挑戦者の中には、ロザリアへの恋の申し出を断られた逆恨みの貴族もいれば、純粋にノアの強さに魅了された者もいた。中には、突拍子もない目的を持つ者もいる。


「ロザリア嬢、もし私がノア嬢に勝ったら、ぜひ私と結婚してください!」


ノアは、そんな変な連中の戯言を、鎧袖一触、すなわち鉄扇の一閃で全て吹き飛ばした。ノアの強さは、この学園の生徒たちにとっては異次元であり、全く相手にならなかった。


ドリル令嬢はマネージャー?


そんなノアの決闘の場に、いつの間にか定位置を確保した人物がいた。


縦ロールのドリル令嬢、レティシア・ハイデルベルクである。


レティシアは、ノアの強さと気品に完全に心酔しており、お友達になりたい作戦の果てに、ノアへの挑戦者を仕切る役目を勝手に引き受けていた。


「さぁ、ノア嬢への申し込みは、このわたくしを通してくださいませ! 序列と覚悟のない挑戦は、このレティシアが認めませんわ!」


レティシアは、まるでノアのマネージャー然として振る舞い、ノアの忠実なファンと化していた。ノアは、その行動を「うるさいが、雑音の選別としては使える」と判断し、放置していた。


ちなみにレティシアの取り巻き達はなんだかんだ言いながら、闘技場の使用手続きやら、見学者の整理やらでレティシアに協力していた。ノアグッズで小金を稼いでいるものもいるだが。


「ま、いいんじゃない」

ノアは、それも消極的だが、容認していた。

貴族も色々あるのだ。


その日、ノアの決闘に、ある意味、規格外の人物が姿を見せた。学園の表のボスとも呼ばれる、生徒会長である。ちなみに裏ボスは学園長である。


「おや、ノア嬢の周りは、今日も賑やかですな!」


生徒会長は、大陸最大の強国、アース帝国の皇族であり、金髪碧眼の正統派イケメンだったため、女子生徒には絶大な人気を誇っていた。


次期皇帝ではないが、皇族として将来を約束されている。


しかし、この生徒会長には、残念な性癖があった。彼は、極度のロリコン(美幼女愛好家)王子だったのだ。


彼は、ノアの前に立ち、優雅な笑みを浮かべた。


「ノア嬢。私も貴女の剣技に魅了されました。貴女に勝って、我が嫁になってもらおう!」


会場の女子生徒たちからは、「キャー!」という黄色い悲鳴が上がる。残念な性癖であるにもかかわらず、そのカリスマと美貌は、その残念ぶりを上回ってしまうらしい。


一方、Aクラスの勇者パーティの面々は、その光景を見て、一様に嫌悪感を覚えた。


「おい、あの生徒会長、本気でノアに求婚してるのか?趣味が悪いにも程があるだろ!」(大神)


「あんな子供に……何を考えているの!」(さやかはノアの制裁で隷属から解放されていたため、特に嫌悪感が強かった)


ノアは、生徒会長の言葉を聞き、冷たいオッドアイで生徒会長を見上げた。


「残念すぎますわ」


ノアは、元は男性であり、誰かの嫁に行くなどという発想は全くない。それは、彼女が男からの吸血を断固として拒否していることからも窺える、強いポリシーだった。


「わたくしの人生は、わたくし自身で決定するもの。貴方のような、残念な性癖の王子に、横から口出しされる覚えはございませんわ」


ノアの返答は、皇族に対する宣戦布告にも等しかった。

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