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転生幼女吸血鬼異世界放浪記  作者: るうと280
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第二話:夜空を舞う幼女と醜悪な吸血鬼


街に夜のとばりが降りていた。


ノア・ノストラヴァは、フリル付きの白い日傘を片手に、夜空を優雅にふわふわと歩くように飛んでいた。日傘の飛行機能を使わずとも、蝙蝠への変身や闇魔法で飛ぶことは可能だが、優雅な移動手段を好むノアは、この日傘を愛用している。


「まったく、汚らわしい」


ノアは、ゴシックロリータドレスのスカートの裾が乱れないよう、細心の注意を払いながら、街の風景を見下ろす。


その視界の端に、醜悪な光景が映り込んだ。


人気のない街角。古い石造りの建物の影。


一組の男女が、熱烈に抱き合っているように見えた。しかし、よく見ると、抱きつかれている男の顔は真っ青で、まるでミイラのように干からびている。


女は男の首筋に口元を這わせている。その唇からは、生々しい血が滴り落ちていた。


「さあ、快楽の夢の中で、安らかに死になさい」


女はうっとりとした表情でそう呟いた。


その女こそ、街を騒がせ、ノアの眠りを妨げた張本人、クリムゾン・ナイトメアだった。


空からその様子を見ていたノアは、金と赤のオッドアイを細め、心底からの嫌悪の表情を浮かべた。


「ふざけた真似を……」


吸血鬼ヴァンパイアは、血液を飲むことで生命エネルギーを得るだけでなく、その際に発生する快感や、ある種の性的満足感を得ることがある。特に血に飢えた下級の吸血鬼ほど、その快楽に溺れやすい。


しかし、前世で「上月蓮」という男であったノアにとって、こうした行為は生理的に受け付けられない。


(いくら女の体になったとはいえ、わたくしに、見知らぬ男と、ましてやこんな下品なやり方で関わる趣味などありませんわ!)


ノアは、吸血によって得られる高揚感よりも、嗜好品として血を味わうことを好む。そもそも、神祖であるノアは、血を飲まずとも周囲の闇や魔力からエネルギーを補給できるため、吸血は単なる「食事」や「趣味」の域を出ない。


「全く、みっともない。同じ吸血鬼の、しかも下位種ごときが、こんな下品な真似をしているなど、月の女神ルナの加護を持つわたくしに対する冒涜ですわ」


ノアは、日傘を翻して高度を落とす。彼女の瞳には、冷たい怒りが宿っていた。


「責任はきっちりと取ってもらいます」


ノアは、ミスリル製の鉄扇をカチリと広げると、街角に向かって、まるで闇に溶け込むように降下していった。


連投です、何日か前から書いてまいた。感想とかお待ちしております。

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