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転生幼女吸血鬼異世界放浪記  作者: るうと280
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第二十四話:神速の剣と夜の散歩

幼き教師と授業の選択


Sクラスの教室に、現れた担当教師は、ノアと見間違えるほど小さな女の子のような外見だった。


「みなさん、こんにちは。わたくしがこのSクラスを担当する、フィリアと申します。こう見えても、人間年齢で24歳ですの。」

魔術師の中には、魔力が大きすぎて、身体の成長が緩やかになる場合があり、彼女はそういった類らしい。


フィリア先生は、にこやかに自己紹介をした。ノアは、その膨大な魔力と、それに伴う現象に「興味深い」と目を細めた。


授業は、午前中は座学で世界の歴史や魔法理論を学び、午後は実技として剣術や魔法のクラスに分かれた。


ノアは迷うことなく、剣術を選択した。


「今さら、この身体で魔法の基礎訓練をする必要などありませんわ。わたくしの闇魔法は、この世界にいる誰よりも優れていますもの」


ロザリアは魔法クラスへ。ノアは、カエデと共に剣術クラスへと向かった。


縮地の居合い


剣術の実技授業は、専用の訓練場で行われる。


学生たちが次々と藁人形を相手に剣を振るう中、カエデの番が来た。


カエデは、抜刀の姿勢を取ると、一瞬にしてその場から姿を消した。


侍の固有スキルである、縮地

「一閃でござる!」


そして、驚異的な加速で藁人形の懐に入り込んだカエデは、刀を鞘から抜き放ち、神速の居合いを繰り出した。藁人形は、縦一文字に正確に断ち切られていた。


まさに一瞬の出来事。周りの生徒たちは呆気に取られている。


ノアは、その技術に目を輝かせた。


「すばらしい剣技ですわ、カエデさん。あれは、縮地ですか?あの距離をを一瞬で踏破するような、技。わたくし、初めて拝見いたしまたわ。まさに武の極致ですわね」


それは、前世で最強を目指していた蓮の、満たされなかった武への欲求を刺激する動きだった。


カエデは、藁人形の残骸を見つめながら、ノアに声をかけた。


「見ていたのでござるか、ノア殿。貴殿の剣技には、まだ到底及びませぬが、これが我が一族の奥義でござる」


神武の一閃


ノアは、カエデの技術に、心からの賞賛を込めて応じた。


「すばらしいですわ。では、わたくしも、お見せしないと」


ノアは、ミスリル製の鉄扇を、ゆったりとした動作で左手のみで中段の構えに構えた。その瞬間、ノアの周囲の空気が一変し、微かな風が、藁人形へと向かって流れた。


「さすがでござる、一瞬の隙もない構えでござる」


次の瞬間、何が起こったのか、誰も見極められなかった。


ノアが再び鉄扇を納めた時、カエデが断ち切ったはずの藁人形は、まるで千切りにされたかのように、バラバラになって地面に崩れ落ちた。傍目にはノアは、一歩も動いていない。


「あら。少しずれましたわね、わたくしもまだまだですわ。」

ノアの足元には、1ミリほどずれた、靴跡が残っていた。


カエデは、その光景に驚愕しつつも、すぐにノアに尋ねた。


「すごいでござるな、ノア殿。まさに神速の域!でござるな」


ノアは、自らの力を理解しているカエデの質問に、優雅に微笑んだ。


「あら、あなたは見えていましたの?」


カエデは、刀の柄に手を置きながら、真剣な眼差しで答えた。


「全てではないでござる。ただ、残像だけは少しだけ終えたでござる。貴殿の魔力と速度が、空間を歪ませたように見えたでござる」


ノアは、内心で少しだけ驚いた。(わたくしの速さについて来られましたのね。残像でも、常人では認識すらできない領域のはずですのに)


その日の夜。寄宿舎のノアの部屋の窓が、静かに開いた。


黒いドレスに身を包んだノアの姿が、窓枠に立つ。彼女の足元には、アルベルトが黒い影のように控えている。


ノアは、学園都市の夜景を見下ろしながら、昼間から続く不快な視線と、訓練された兵士の気配について、苛立ち混じりに独白した。


「全く、人の欲というのは際限ありませんわね。昼間から、下品な視線が常にわたくしを追っている。学園にまで、スルベニアの兵士を送り込むとは」


ノアは、冷たい怒りを込めて、夜空に向かって吐き捨てた。


「勇者召喚という、大陸を制覇するための切り札を手にしていれば、それで満足していればいいのに。なぜ、わざわざわたくしという新たな脅威を作り出すような真似をするのか」


アルベルトが静かに進言する。「お嬢様。彼らは、お嬢様の真の力を知りません。ゆえに、自分たちの愚かな力で制御できると過信しているのでしょう」


「ええ、その通り。彼らは、あのヤンキー(ばか)たちを滅したのがわたくし一人だという、ご存知ないようですわね」


ノアは、闇魔法を起動させ、アルベルトと共に夜の闇へと溶け込んだ。


「アルベルト。今夜は、彼らの寝床に、神祖(わたくし)からのご挨拶を届けに参りますわ」



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