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転生幼女吸血鬼異世界放浪記  作者: るうと280
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第二十三話:平伏しなさい!

壇上の幼女


学園都市アルカディアの入学式。数百人の生徒と貴族、教師たちが集う大講堂。


新入生代表の挨拶として、ノア・ノストラヴァは、その幼い身体で壇上に上がった。


会場の全員が、その黒いドレスのような制服の幼女に注目する。期待と好奇の視線が集中する中、ノアはミスリル製の鉄扇を静かに広げ、口元を隠した。


ノアの放った言葉は、たった一言。


平伏(ひれふ)しなさい!」


その瞬間、ノアの小さな身体から、凄まじい吸血鬼としての圧力と、神々しいまでの威圧感が、大講堂全体へと波及した。


貴族たち、教師たち、そして生徒たちのほとんどは、その圧倒的な力と気品に、思わず背筋が凍りつき、目の前の壇上に君臨する幼女の姿は、まるで女王のようにだった。


そして、なぜかその言葉は、「我々を導く指導者」としての力強いメッセージとして受け取られた。


ザザザーとまるで波がひけるような音が聞こえそうだった。


前の列から順に皆が臣下の礼を取って行ったのだ、


ノアが壇上を降りると、大講堂は割れるような拍手喝采に包まれた。誰もが、あの幼女が王の器であることを確信した瞬間だった。


意外なクラスメイト


入学式を終え、ノアとロザリアはSクラスの教室へと向かった。


Sクラスは、数十人規模の生徒がいるが、その誰もが、ノアの纏うオーラと同様に、規格外の才能や異様な雰囲気を放っている。大陸各国から集まった将来の王侯貴族、天才魔法使い、稀代の冒険者の卵たちだ。


ノアは優雅に、指定された席に着いた。そして、周囲の顔ぶれを静かに観察した。


ロザリアがノアに囁く。「凄い面子ですわね、お姉様。やはりSクラスは違いますわ」


その時、ノアの視線が、教室の隅に座る意外な人物に留まった。


「……カエデさん?」


ノアは、思わずその名を口にした。


カエデ少年は、Aクラスに配属されたはずだった。彼は実戦試験では高評価を得たものの、「剣術(刀術)以外に得意なものはない」と自ら語り、魔法の基礎知識も皆無であったため、Aクラスに落ち着いたと聞かされていたのだ。


カエデはノアに気づくと、軽く頭を下げた。


「ノア様、ロザリア様。ご一緒になるとは思いませんでした」


ロザリアは目を丸くする。


「カエデ様!Aクラスではなかったのですか?どうしてSクラスに?」


カエデは、どこか居心地が悪そうに、しかし正直に答えた。


「剣術の項目で、常人には理解できない動きがあったため、とのことで……居合が認められたみたいです。」


(常人には理解できない…わたくしの武の記憶が、彼の才能を無理矢理引き上げた、ということでしょうか)


ノアは、その事態を面白く思った。彼女の退屈しのぎの相手は、より近くにいることになった。


ノアは、鉄扇を静かに閉じ、カエデに向かって冷たい笑みを向けた。


「ふふ、まあいいでしょう。退屈はさせられませんわね、カエデさん」


ノアの学園生活は、規格外の能力を持つ者たち、そして前世の記憶を持つ者たちが集う、新たな舞台で本格的に始まったのだった。


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