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転生幼女吸血鬼異世界放浪記  作者: るうと280
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第二十一話:黒き改装と監視の目

幼女の憂鬱


学園都市アルカディア、Sクラスの初日を迎えるにあたって、ノア・ノストラヴァは、一つ深刻な問題を抱えていた。それは、学園の制服だ。


「……白、ですか」


ノアは与えられた制服を見つめ、心底から憂鬱な表情を浮かべた。制服は清潔感のある白を基調としたブレザーと、ふわりとした短めのスカート。


(わたくしの気品とわたくしの威厳に、白など軽薄すぎますわ。せめて、黒にしたかったのですが……)


ノアは、短いスカートから肌が多く覗くことも、この上なく不快に感じていた。

あまり肌を晒すのは淑女らしくありませんし。


そこでノアは、学園の規則を熟読した。すると、貴族の子弟の要望に応えるための特権が記された項目を発見した。


> 校則第六条(特例):Sクラス及び一部の特待生は、学園生活に支障をきたさない範囲で、制服に手を加えることを許可する。ただし、品位を保つこと。


「ふふ、さすがは貴族の学園。特権はありましたわね」


ノアは、すぐさまアルベルトに命じ、制服の改造に取り掛からせた。


ノアの制服は、白から漆黒を基調としたデザインへと一新された。ブレザーには銀色のミスリル製の糸で魔術刺繍が施され、スカートの裾にも同様の装飾が施された。そして、短いスカートの下は、完全に肌を隠す黒のストッキングと、黒のハイカットシューズ。これにより、ノアの制服は、彼女のゴシック調ロリータドレスの美意識を保ちつつ、魔法的な防御力をも兼ね備えた、完全武装となった。


「これで、優雅に出席できますわ」


ノアは、自分の改造制服に満足げに頷いた。


友情と防御


ロザリアもまた、ノアとお揃いになることにこだわった。


「お姉様!わたくしも是非、黒のストッキングにお揃いの黒い靴を履きたいですわ!」


ロザリアの制服は、白を基調としたままだが、ノアの指示で、スカートの内側に魔術防御の効果がある金の刺繍が施された。これにより、彼女もまた、不意の攻撃から身を守る力を得た。

しかし、ロザリアの希望に反して、ノアは白のストッキングに、白の靴を用意させた、


「ふふ。ロザリアは、こちらの方が似合いますわよ。これを差し上げますから、我慢なさいませ」


ノアは、ロザリアの髪に蝙蝠の髪飾りをつけ、自分だけの特別な友人であることを再認識させた。

「はぅ、お姉様の髪飾り、素敵ですわ」


一方、Aクラスの教室。


授業が始まる前の休み時間、勇者パーティの面々は、学園の雰囲気に鋭い違和感を覚えていた。特に、軍事経験も持つ拳闘士・大神健と、騎士団との絡みで警戒心が強まった剣聖・如月さやかは、周囲の生徒ではない『異物』の気配を察知していた。ちなみに大神の場合はほとんど、野生の勘である。


大神健が、神崎に低い声で報告する。


「神崎、おかしいぜ。この学園内に、どうも学生じゃねえ、連中(やつら)の気配がある」


神崎は、まだ洗脳の解けきらない頭で、混乱していた。


「兵士?なんで学園に…護衛か?」


さやかは、窓の外を監視するように見つめながら、鋭い言葉を返した。


「違うわ、傑。護衛にしては隠密すぎる。それに、スルベニア王国の匂いがするわ」


彼女は、ノロアの件でスルベニア王国への不信感を強めていた。


「どう考えても、誰かを監視している。あの国王が、私たちを突然ここに送ったのは、私たちを餌にして、何かを探らせるためじゃないかしら?」

さやかの勘は鋭い。


聖女・南ゆかりは、不安そうに辺りを見回した。


「まさか、私たちを監視しているとでも…?」


「私たちだけじゃない。『何か』を探っているのよ。そして、その『何か』は、この学園にいるんだと思うわ」


さやかは、脳裏に浮かぶ黒いドレスの幼女の姿を、あえて言葉にはしなかったが、既に彼女の直感は、監視の目的がノア・ノストラヴァに向けられていることを察知していた。



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