第十五話:学園都市アルカディアへ
遥か魔王国へと遠征を続けていた神崎傑率いる勇者パーティに、突如として**スルベニア王国からの命令**が届いた。それは、『魔王国からの一時撤退を命じる』
最近、バカ連中の暴走と壊滅、そして聖王国との摩擦の影響で、パーティへの補給が滞りがちになっていた。リーダーの神崎は、このまま進軍を続けるのは困難だと判断し、不本意ながらも撤退を了承した。
勇者パーティが王都に戻った後、国王から次の命令が下された。
「諸君らには、大陸の中心に位置する学園都市アルカディアへ留学してもらう!」
それは、魔王討伐という大義とは全く脈絡のない、突然の命令だった。
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スルベニア王国の狙い
実は、スルベニア王国の国王は、エセ勇者連中を壊滅させた謎の存在が、近々学園都市アルカディアに入学するという噂を、秘密裏に掴んでいたのだ。
その存在の正体、そしてその力が王国に向かうことを恐れた国王は、神崎達、勇者には一切の情報を与えず、彼らを隠れ蓑として利用することを決定した。
(学園で勇者たちを守りながら、その謎の存在を見つけ出し、排除するのだ)
王国の兵士たちは、勇者たちの護衛という名目で、秘密裏に学園に潜入し、ノアの調査を命じられたのだった。勇者たちは、自分たちが誰かを釣り出すための餌にされていることなど、知る由もなかった。
ノア、学園都市に興味を持つ
トリトン領主館では、ノアの優雅な日々が続いていた。
バカ連中の一掃という秘密裏の功績により、彼女は聖王国からポセイダルを通じて褒賞を受け取っていた。また、子飼いとなったアルメニア・ロジャー率いる元海賊団は、トリトン近海の護衛として完璧に機能しており、彼らの商売は順調に利益を上げていた。今では陸戦隊も組織して、トリトン周辺の治安維持にも貢献している。
しかし、ノアは少し退屈を感じ始めていた。トリトンでの情報収集も一通り終え、新たな刺激を求めていた頃だった。
そんな時、ロザリアとの午後の茶会で、ロザリアが学園都市アルカディアに入学することを知らされた。
ノアにとって、ロザリアの入学自体は何の感想もないことだったが、大陸中の貴族の子弟が集まるという学園都市には興味を覚えた。
(学園都市アルカディア……大陸の中心で、様々な情報が集積される場所。そして、勇者召喚の噂を検証するには、絶好の場所ですわね)
ノアはすぐに、トリトン領主に推薦状を用意させた。幼い外見(5~10歳程度)では、当然ながら入学年齢に達していないため、神祖の威圧と恩義を使い、さらにロザリアの懇願もあって、特別枠での入学を認めさせた。
貴族枠での入学
学園都市アルカディアは、東西各国から貴族中心に生徒が集まる、大陸随一の教育機関である。平民でも、学力さえあれば奨学金制度で入学可能だが、貴族には莫大な学費が請求される。
ノアは、アルベルトと、強引に連れてきたアルメニア・ロジャーを従者として、**貴族枠**で入学することとなった。
漆黒のゴシック調のドレスを纏った銀髪の幼女は、新たな舞台、学園都市アルカディアへと向かう。




