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仮設風向計/詩集その3

大暑

作者: 浅黄悠

乾いた白い部屋、ベランダのアジアンタムを添えて

アナログ時計の針とクーラーの味気ないBGM

コバルトブルーをした君の瞳に飛び込んだ

僕は学校のプールの底で泡を見る


汗をかくのが嫌で

また温いシャワーを浴びていた

キスするときは湿度を感じないように

目を閉じる時は星空を感じるように


聞いてよ

今日もオーガニックのグラノーラを

小皿に注いで朝ごはんにしたんだ

美味しさよりも流行りを優先して


このまま無為に年くって

いつの間にか老人になっていたらなんて考える

炎天のしじまの中へ出ようか

肌を刺す痛みと影だけは正気なのだから

……


読書をする君

落ち着きなくストレッチを始める君

たまにぼけーとこっちを眺める君

露出した肩の日焼けと髪の柔さに


たとえば手持ち花火が吹く火の潔さ

沖合に駆けていく光の自由さのような

希望的観測でどこかへ走っていけるような

そんな存在もそういえばこの世にあったなと


そうだ

いつの日か

旋回する飛行機から海面を眼下にした時

エーゲ海を渡る波がいくつもいくつも


あの波はどこから来てどこへ行くんだろう

風に流されるままなのか

見知らぬ土地に憧れと目標を抱いているのか

まるで誰かみたいだった

その前進に気づく人間がいてもいなくても気に止めない

途轍もない大きさ途方も無い広さの中へ

無謀にも手を広げ碧を一身に受けるような煌めきの固まり


日常をいくつか過ごしたら

今度一緒にどこかに行こうか

東京にある敷居が高くなくて飯の美味い場所君は知ってる?

前に思いつきで行った七夕祭りも楽しかった

……


サイレンが鳴る

スマホの天気予報は

この後急速に下り坂の空模様になり

明日の朝以降大雨が続くと

しきりに慌てている




窓の外では蝉も死ぬ夏

幻さえ長続きしない役立たず

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