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第6話 告白

一日が終わり、今日のところはチームの練習に参加せず俺たちは寮に向かった。寮生活初めての夜、何もないといいんだが…。


「パルちゃん、部屋同じだってさ」

「そうですか。それはよかったです。我もテティス様が傍に居てくれた方が楽しいので嬉しいです」

「私、パルちゃんと一緒の部屋なおかげで安心して寝れるよ。他のヤツだったらいじめられないか心配だし」

「それじゃあ、今日は食堂で食べずに我の手料理を食べてほしいんですが、食べたいものはありますか?」

「それじゃあ、お店で高いような見た目のパンケーキってできる?」

「高級レストランのシェフに負けないようなものにしてみせます!食材を買いに行きますが、テティス様は一緒に来ますか?」

「もちろん」


俺たちは荷物を部屋に置いた後、手を繋いで買い物に出かけた。手は自然に繋いだものだ。特にどっちかが繋ぐことを提案したワケではないが…。デートだよな、これ。



やはり、この世界は異世界とかつての現世が混ざったようなものだった。

俺は前世、高3の時に料理が得意な彼女がいた時期があった。俺が作ろうとしているパンケーキはその彼女が作ってくてたものを真似たもの(レシピは覚えている)だ。

ただ、その彼女とは俺がテティス様にお熱だったことを知られ、嫉妬されて別れた。俺は元カノが嫉妬したテティス様その人にその彼女が考案したレシピのパンケーキを作った。非常に複雑な気持ちである。


「す、すごいよ!!どうやったらこんなに美味しいパンケーキが作れるの!?」

「ま、まあ、昔どこかで見たレシピを運よく覚えていて、その通りにやっただけですよ」

「やっぱり私、パルちゃんと友達でよかった」

「そう言ってもらえて光栄です」

「うーん、最近ますます思うようになったんだけど、パルちゃんって彼氏って言うよりはメイドさんだけど、メイドさんって言うより執事さんなんだよね」

「まあ、我は初めてテティス様に出会った日から尽くそうと決めていたので。我が執事ならテティス様はお嬢様ですね」

「執事、(ひざまず)け!私こそはお嬢様だぞ!!」

「ははーっ、お嬢様」


そんなことを言い合って俺たちは大笑いした。これから、テティス様とこんな毎日を送っていけるのかと思うと楽しみで仕方がない。



「お風呂上がったよー」


俺が皿洗いや道具の片付け、持って来た荷物の整理をしている間にテティス様にはお風呂に入ってもらった。

フリルのたくさんついたそのピンク色のパジャマは、ただてさえ可愛いテティス様をより可愛くしていた。破壊的である。俺はついまじまじと、嘗め回すように見てしまった。


「どうしたの?疲れた?」

「い、いえ。それで、お風呂はどうでした?」

「部屋についてたからてっきりマンションのお風呂くらい狭いのかと思ったけど、観光地のホテルのお風呂くらいの広さはあったよ」


つまり、浴槽があるというワケだ。


「なんが、ジャグジーみたいなのも付いてて気持ちよかったよ」

「それじゃあ、我も風呂に入ってきます」



浴室は本当にそれなりの広さはあった。シャンプーやリンスー、ボディーソープも高そうなものが置かれていた。っていうか、改めて異世界がどうか疑いたくなる。まあ、それはこの世界を構築したこの<ゲーム>の制作陣が悪いのだが。

体を洗い終え、浴槽に入る。ジャグジーのある風呂は初めてだ。

そして俺は、水面に浮いた綺麗な糸のようなものを見つけた。テティス様の髪の毛だ。

そういえば、これはテティス様が入った残り湯だった…。


「いや、そ、そんなこと考えちゃダメだ…」


ここは一回お湯でも飲んで冷静になろう。湯の中に潜り、ゴクン。

あー、俺何してるんだろう。こんなことしてるの見られたら一巻の終わりだ。

俺は風呂から上がった。



「へぇ。パルちゃんのパジャマはそんな感じかぁ。やっぱりパルちゃんは可愛いのよりカッコいいやつの方が似合うよねぇ」

「さて、もう消灯まであと30分切ってますがどうします?」

「そうだな…。恋バナとかしない?」

「わ、我はあんまりそういう話得意じゃないというか、そもそも恋したことがないというか…」

「そっか。じゃあ、まず私から話すね」


テティス様に好きな人がいた。そうだよね、都合良く同性の俺を好きになるワケないか。俺の中身が男だってことも知らないんだから。まあ、その時はテティス様の恋を応援してあげよう。


「わ、私、実はパルちゃんのことが、す、好きなの…。あっ、わ、忘れて!!ゴメン、変なこと言っちゃったよね。別に、本気で言ってるワケじゃないから気にしなくても…」

「テティス様…」

「な、何?」

「ごめんなさい。実はさっき、ウソを吐きました」

「ウ、ウソって…?」

「我は最初からテティス様のことが好きでした。一目ぼれ、です。だからあの時もいじめれてたのを助けたんです」

「そ、そうなの?私に無理に合わせなくっても…」


俺は無意識にテティス様に抱き着いてしまった。ここで言い切るしかない。


「合わせてなんかないです、我は本気で言ってるんです」

「そ、そっか。ありがとうね。だから、ずっと私の為に色々してくれたんだね」

「まさか告白に6年かかるとは思いもしませんでした。だって…」

「だって?」

「互いに言葉で言わずとも解っていたいたような気がしたからです。じゃなきゃ、テティス様だってあの日我のことを彼氏だなんて呼ばなかったでしょ?」

「う、うん。じゃあ、これからも同室として、主従として、親友として、恋人としてよろしくお願いします」


テティス様は、俺の目を見て満面の笑みを浮かべた。

えっと…。まあ、当初の計画から言うと計画通り。ここから先百合としていちゃらぶ生活を送れるように願う俺であった。


続く

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