第二話 その者の名は
一日で二話投稿!多分ですが何卒よろしくお願いいたします!
「甘くて美味しい‥‥ん?なんや?急に暗くなったで?あれここどこや?‥うおっ!?虫や!俺のいちごケーキに近寄るな!!」
男はケーキを作るのを止めて当たりを周辺を見回した後に机の上にいつの間に乗っていたゲジゲジを見つけて払い除けのていた。
そんな姿を見ていた
魔神ギャレス
「‥‥‥‥」
何も言わずただ男の行動を黒い靄の中の目玉が細めながら呆然と見ていた。
「魔王様ご無事で!!心配しておりました!」
「ひっ!!ま、魔神ギャレス様!!」
魔王の配下であり参謀のレベス・アルブレヒトは地下室での煙がただ事でない事を心配していたが魔王の無事を確認していた安堵していた。
エィミー・エンリケスは逆にこの場にいる魔神であるギャレスがいることに恐怖を感じていた。
しかし魔神はそんな後から来た二人を見もせずにいた。
「ま‥魔王様!あれが異世界から召喚された者ですか?」
「そのようだが‥‥なんだかあの人間変なのだ‥意気揚々とケーキを作っているようだ。」
「そうですね‥でもケーキが美味しそう‥。」
三人が男を見てそう言うと男が気づいた。
「ん?なんや!お前ら!珍しそうにこっちを見て!‥はっ!もしやこのケーキを狙っているんか?‥やらへん!やらんで!!このケーキが俺が大学休んで半日かけて作っているもんや!‥あっでもそこ姉ちゃんなら少しだけ分けてもえええで。しかし姉ちゃん可愛ええな!‥そして耳も長いなぁ〜。」
と警戒をしているが‥エィミーに対してはそんなに敵意はなく見えた。そしていつの間にかケーキを切って皿に置いて彼女に渡そうとしていた。
まるであわよくば彼女と仲良し【意味深】になろうという魂胆が見えた。
「おい!無礼者!!貴様!魔王様に対してなんたる無礼!!」
レベスはこの男の今の言葉に対して敬愛する魔王に対しての無礼千万な振る舞い我慢できずに憤慨した。
「えっ?魔王」
「そうだ!ここにおわすのは今生の魔王でもあり魔国の王シャッテン・ハイデガー陛下であらせられるぞ!」
地下室に響き渡る大きな声に男は
「‥‥ふーん。で?」
とあまり興味を持っていなかった。
むしろ
「コスプレにしてはけっこう凝った衣装や角が生えているんやな‥。おっさんにしてはけっこう洒落な服やな‥なんぼかかったこれ?」
と素っ気ない問いそして服と角をコスプレヤーと勘違いをしている模様‥。
「貴様〜!!」
レベスはあまりにもこの男に対して憤激したのかいつの間にか右手に短剣を持って今にもその男に向けて投げる体勢を取っていたが。
「やめよレベス。」
と魔王はレベスの行動を自制するように促した。しかしその声は不機嫌さを隠す事が出来ず、すごみさえ感じるような低音‥表情はにこやかに笑っているが顔に青筋を立てていた。
「異世界の者よ名はなんという?」
「あっ?‥わいは野上、野上大輝や。」
「ノガミダイキか‥‥して今回お前を呼び寄せたのは他でもないお前の力を我のためにー」
「断る!!」
といちごケーキを食べながら言う大輝。
「‥‥話は最後まで聞け後食べるな。愚か者。」
さらに青筋が増えた魔王
「なら言わせてもらうけども無理矢理連れて来られてこっちだって迷惑なんや!それに明日は女の子と買い物をする予定があるんや!さっさと元の世界に戻せや!!」
「貴様〜!!魔王様に対して‥!!」
「うるせえ!この顔がええだけの痩男が!」
「‥‥殺す!絶対に殺す!!」
「レベス落ち着いて!貴方らしくないわ!」
レベスは両手に短刀を持ち今にも大輝に対して襲いかかろうとしたがエィミーに止められている。
「‥‥‥‥」
魔神ギャレスはそんな喧騒を見向きもせずに大輝が作ったケーキに視線を向けていた。
「もうよい‥!!」
魔王が雷のようなその激しい怒りの声を発した。
その場にいる面々が静かになった。大輝は新たなケーキを食べようとしたが止めた。
「ダイキよもう一度問う我に力にならんか?」
「嫌や!絶対に!」
「そうかなら仕方ない‥‥ギャレス様!此奴に闇の力をを!!」
「‥‥エッ?ア、ウン‥ワカッタ。」
「ギャレス?なんや一体何の話や?俺の後ろになんかおるんか?‥‥おっ!!眼が!デカい眼が!!」
魔王の呼びかけに反応が遅れた魔神に対して大輝は後ろ【いちごケーキの方】になんかいるのかと振り返ったら黒い靄の中に大きな眼【片目】がこっちを見ているのに数歩下がって腰を抜かすほど驚いた。
その途端に黒い靄がまるで意志があるように一切に大輝が包んだ。
「なんや!この‥!この!!」
大輝が腰を抜かしながらも靄を払おうとしたがそれが段々と濃くなっていきそして
「おおっ!‥口に入る‥!入る!!耳も鼻にも‥!!ウヴォエ!!」
黒い靄は大輝の口、耳や鼻からそして目に入ってゆく
「‥‥オオッ!!‥ヴゥオエ!‥‥オオェ!」
四つん這いになりながら必死に靄から抜けようと暴れたがそれでもあまりの気持ち悪さに吐き気をもようしそしてその場で嘔吐した‥まだ未消化のイチゴが出てきた。
「‥‥‥‥!!!」
そして次第に仰向けになり痙攣を起こした。鼻から鼻汁を出し口から嘔吐が出た。
それでも必死で立とうとしたが、中腰の状態から白目をむきながらそのまま後ろに仰け反って倒れた。
「‥‥あれは死んだのではないでしょうか?」
「いくらなんでもやり過ぎたか‥。」
「いやしかし痙攣しているから大丈夫でしょう。それに失敗していたらアンデットとして使役できますから‥。」
と魔王と側近達が会話していると再び黒い靄が倒れている大輝の頭上に現れて眼【片目】が現れた。
「オワッタゾ。コノオトコ二ヤミノチカラトチシキヲアタエタ。キゼツシテイルダケダ。」
「お疲れ様です。ギャレス様‥してどうですがこの男は?」
魔王と二人の側近は黒い靄に向かって跪きながら礼を述べた。
「ソザイガヨクノウリョクモタカイ‥ソシテチシキモアル。マオウノイウトオリダ。」
「ありがとうございます。必ずやギャレス様の力を無駄にさせないようにします。」
「キタイ‥シテイルゾ‥ワガシソンヨ‥デハコレデワレハメイフニモドル‥‥コレハイタダイテユク‥デハザラバダ‥。」
黒い靄の中の眼が閉じた途端に靄が祭壇の供物包みそして次は‥‥大輝が作っていたイチゴケーキにも靄が包んでそのまま取り込んだ後に魔法陣に移動してそのまま地面に飲み込まれるように地面に消えていった。
辺りが静まり返った後に魔王は気絶した大輝に近づき大輝の右手にあるものを付けた。
それは黒く覆われ真ん中に真っ赤な宝石がある腕輪であった。腕輪をカチッという付けた音が地下室に僅かながら響いた。
「これでよし‥レペス」
「はっ!」
「兵士たちに命じてこの男を牢屋に連れてゆけ。」
「はっ!!」
「エィミー。」
「はっ!」
「王宮内に残っている諸将を集めよ。これから王宮にて会議をすると伝えよ。」
「分かりました!」
命じられた二人はそのまま地下室から上に繋がる道に向かっていた。
魔王は気絶してる大輝を見ながら笑みを浮かべながらその場を後にした。
魔神様は以外と甘いのが好きです!