97.テンプレ的に、子犬をモフり倒す俺。
シンジ君、子犬をモフるの巻。
子犬可愛いよね子犬。(ヲイ)
「くぅん?」
膝から崩れ落ちたシンジの様子に、首を傾げて甘え声を出す子フェンリル。あざとカワイイ。
「で、テンプレ通りなら、この子はうちの子になる流れなんだけど」
あっさりと復活したシンジは、顔と顔を合わせるように子フェンリルを持ち上げた。つぶらな瞳をじっと見つめると、逆側にちょっと首を傾げてあざとカワイイ。
「お前、お母さんは?」
子フェンリルは反応しない。じっとこちらを見てくる。
「……お前、うちの子になる?」
「うぉんっ!」
この問いには、すぐに返事をする子フェンリル。やはり分かっているのだろうか。
「ん、じゃあ、この瞬間からうちの子ということで」
ぺろりと俺の鼻を舐めてくる子フェンリル。
そうだ、名前を決めなければいけないだろう。どんな名前が良いか。
当然『シロ』にはしない。絶対にだ。
何故なら、本格的に嵐を呼ぶ5歳児になってしまうからだ。シンジ的に、それだけは許されぬ。
「名前は、フェンリルの女の子だから……『ぽち』?」
「バウッ!!」
怒られた。
「ぽちはイヤ? んじゃ『お父さん』?」
白いから。
「バウバウッ!!」
やはり怒られた上に、犬パンチまでされてしまった。
「えー、これもイヤ? んじゃ、テンプレならフェンかフェルかリルだよね。どれがいい?」
子フェンリルは、しばらく考えたのか沈黙すると、くっと顔を上げて吠えた。
「ウォン、ウォン、ウォン」
「なるほど。3回鳴いた。ということはリルか。じゃリルに決定っ!」
「うぉん!」
子フェンリル……リルがそれに答える。
「……て、おい! 普通に返事してんじゃねーかっ!?」
「くぅん?」
またもや首を傾げて甘え声を出す子フェンリル。チョーあざとカワイイ。
「ま、いっか。んじゃお家帰ろうかねー」
「くぅんッ!」
そこで、シンジの脳裏に幼女のセリフが蘇った。
「あれ? 待って待ってちょっと待って? 確か幼女、『ドラゴンかフェンリルかベヒモス』とかフラグ立ててなかったっけ?」
もし、リルが倒すべき反動だったら。
じっとリルを見つめてみる。何の疑いもないようなつぶらな瞳が、じっとシンジを見つめ返してくる。
「……うん、無理。このカワイイ生き物を殺すとか、どんだけ無理ゲーだよ!」
仮に幼女が許しても、シンジが許さない。
「まあ、警告が出たわけでもないし、問題ないでしょ」
うんうんと自分を納得させながら、シンジはリルに頬を寄せてモフりまくる。
くすぐったいのか、リルがじたばたするが、それがモフり感を更にアップさせる。
「うーん、たまらん」
暫くモフっていると、リルは疲れたのかだらりと身体を脱力させた。
「あ、疲れちゃった? ごめんね。あんまり気持ちいいから」
テヘペロするシンジと、それを非難するようにきゅーんと鳴きながら見つめてくるリル。心なしか、目がチベットスナギツネになっている。
「でも、お前どうしてあんなケガしてたんだ? って、そう言えば」
先ほど見たリルのステータスには、確か『生還者』という称号があった。
もう一度鑑定してみると、確かに『生還者(中級竜種)』と書いてある。
「なるほど、幼体のフェンリルじゃ、中級竜種には勝てないよねえ。……ん? という事は、この奥に竜種が居るって事?」
当然そういう事になる。
「んー、だとすると、竜種退治かあ。また大騒ぎになりそうだなぁ」
仕方がない。そういう星の下に生まれたのだ。……幼女によって。
「ま、何とかなるなる。俺だけが目立たなきゃ良いわけだし」
ニヤリと笑うシンジ。傍から見ると、小悪党にしか見えない。
「じゃ、仙桃茸の確認だけして帰りましょーか」
「うぉん!」
子犬好きじゃあぁっ! という方、★とブックマークをお願いいたします。
--------------------------------
まだまだバタバタしています。しばらく不定期更新になります。ご了承ください。




