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96.テンプレ的に、子犬を助ける俺。

シンジ君、子犬を助けるの巻。

犬可愛いよね犬。


---------------

忙しく、間が空いてしまいました。

お見捨てなきよう……。

 3日もすると、アンリたちはすっかり魔力循環を覚え、少しずつ身体強化に使えるようになってきた。さすがに訓練を続けているだけあり、馴染むのが早い。


 「あ、そー言えば、今日からカード書き換えスタートだっけ?」


 シンジ、修行にかまけて大事なことを忘れていたようだ。


 「アンリさん、アイリスさん。おふたりは、今日はカードの書き換え行くの?」


 「そうですね、やはり自分の実力は気になりますので。アイリスもだろ?」


 アイリスもうんうんと肯いている。


 「そっか、なら俺は、ちょっと森の方に行ってくるよ」


 アンリとアイリスが首を傾げる。


 「まさか魔の森ですか? ここから何日もかかりますよ?」


 「まあ、そこはそれ、何とでもなるから」


 「ああ、空を飛ぶんですね」


 アイリスがパチリと両手を鳴らした。確かに、空を飛んで行けば早く着く。


 「まあ、そんなとこ。じゃあ、俺は今日はひとりで動くね」


 シンジは、ひとりで男爵邸から出て、途中駅馬車に乗り、街門を抜けた。


 「……誰も見てないな?」


 周りを見て誰もいないことを確認すると、前も利用した城壁の陰に身を隠すシンジ。


 「飛びます、飛びますッ!」


 指を変な形に折り曲げて、そこに声を掛けるシンジ。誰も見ていないから良いが、見ていたら変な人である。


 次の瞬間、シンジの姿が掻き消えた。




 ◇




 「よし、予定通り」


 シンジが飛んだのは、以前マーキングした、あの仙桃茸が取れた場所である。


 「んーと、あ、あれだね」


 シンジは、以前見つけたテント状の木の前に立つ。前と同じように木をどかそうとすると、奥の方に何やらところどころ土の付いた白い塊を見つけた。以前には無かったものだ。


 「何だろね?」


 シンジが木を避けて白い塊に近づく。それは、血と泥の混じった白い毛玉だった。


 「おんやぁ?」


 汚れた毛玉。それは、子犬が丸まっている姿だった。


 「犬だよね。狼かな?」


 これがテンプレだと、ケガした子供のモンスターで、フェンリルだったりするわけだが。


 「さすがにテンプレって言っても、ベタ過ぎない?」


 毛玉の様子を見る。すると、やはり地面には引きずったような血の跡。どうやら、傷つきながらもここまで来たらしい。目的はたぶん仙桃茸。だが、ギリギリまで近づきながらも力尽きた様だ。


 目をつぶって苦しそうに浅い呼吸を繰り返すだけ。どう見ても瀕死の子犬である。


 「……治療するか」


 シンジは哀れに思い、治療する事にした。傷なので聖魔法で治してもいいのだが、あれは、治癒するときに体力も使う。細胞を活性化させて、分裂を促すのだから当然だろう。


 今の瀕死状態だとショック死しかねない。この場合は、様子を見ながらポーションを使うのが正解だ。


 だが、いきなりエリクサーで全快にすると、敵意を持って襲ってくるかもしれない。すると殺さなきゃならなくなる。それはイヤだ。


 まずは危ない状態からの脱出が大事だ。そこで、マジックボックスからミドルポーションを取り出す。


 コルクを外し、慎重にちょろり、ちょろりと垂らすようにポーションをかけていく。


 かける度に、ちょっとずつ呼吸が落ち着き、深くなっていくのが分かる。


 「だいじょうぶかな~」


 犬の顔を覗き込むと、ハッと目を見開いた子犬とバッチリ目が合ってしまった。


 ひゃうん、と情けない声を上げて驚く子犬。まだ元気には程遠いようだ。


 「犬にも結構表情があるんだねえ。ちょっと驚き」


 それが耳に入ったのか、ひゃうん、ひゃうんと、体を起こし、抗議ともつかない声を弱く上げる子犬。


 「あー、わかったから鳴くな。体力を消耗する。今から治すから、ちょっとだけ待っとけ?」


 シンジが優しくそう言うと、犬は理解したのか、またうつ伏せに寝転がる。


 「ずいぶん頭のいい子だねえ」


 その行動にちょっと感心しながら、またポーションをちょろりちょろりと垂らしていく。見えている傷が少しずつ消えていき、血に赤くなった毛も色落ちして、部分的に輝く白さを取り戻していく。


 「洗濯のCMみたいに白くなるねえ。ポーションじゃなくて、〇タック?」


 だいたい丸2本使い切ったら、ほぼ傷は表面上無くなったようだ。


 「もう大丈夫じゃないかな」


 シンジは犬を抱き上げた。犬は抵抗しない。こちらの頬をペロッと舐めてきた。誰が治療したかわかっているようだ。


 そのまま目の前に持ち上げる。


 「うん、雌かな?」


 子犬は怒ったように、ぅわんっ! と吠えた。


 「あ、ごめんごめん。まあ女の子だもんね。デリカシーなくてごめんよぉ」


 ある程度元気になったみたいだし、キレイにしようと、子犬に洗浄の魔法(クリーン)を掛けた。


 子犬が、白銀色に輝く毛並みを取り戻した。


 「んっ? 白銀色?」


 シンジには、思い当たる節があった。


 「テンプレだよね、たぶんきっとめいびーぱはーぷす」


 思わず詳細に鑑定を使って、子犬を見た。


---------------


 名前 :なし


 種族 :フェンリル(♀)


 年齢 :2


---------------


 称号 :生還者(中級竜種) 至高の美狼(子)


 技術 :咆哮3級 疾走1級 衝突2級


 魔術 :水魔術2級 風魔術1級 聖魔術初段


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 ……そして、あまりにも意外性のない(テンプレな)結果に、両膝から崩れ落ちてしまった。

俺も犬飼いたいと言う方、★とブックマークをお願いいたします。

犬可愛いよね犬。(シツコイ)

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