95.テンプレ的に、目覚めさせてしまう俺。
シンジ君、訓練中にやらかずの巻。
しばらくぶりなのにコレですよ、奥さん。(ヲイ)
シンジは、ふたりに魔職循環を教えることにした。手順は、アンダーソン達に教えるときに確立している。
「おふたりとも、自分の心臓に手を当てて、反対の手を下腹のあたりに当ててね」
ふたりは簡単な魔術しか使えない。魔力の扱いに長けていないので、感じ取るのに時間が掛かるようだ。
「アンリさん、ちょっと失礼するね」
アンリの腹に左手を当てる。そこへ魔力を流してみると、アンリがピクリと反応した。左手は心臓に近いので、魔力を流しやすいのだ。
「あ、この下腹の熱い感じ、これが魔力ですか?」
「うん、アンリさん自身の魔力わかる?」
「ん……あ、これ、ですかね。分かります」
アンリは無事に自身の魔力を感じ取ったようだ。
「アイリスさんは、……どうしようかな」
アイリスは、やはり自分では魔力を感じ取るのが難しそうだ。だが、アイリスは騎士とは言え男爵令嬢である。その下腹に男が手を触れても良いものか。……アレ見ているので手遅れと言う話は聞かないことにして。
「し、シンジさん! 私にもやってください!」
「えー、レディのおなかに手を当てるとか、許されるの?」
シンジがアンリを見る。
「うーん……。まあ、本人が良いと言っていますし、シンジさんですしね……」
アンリがシンジから目を背けながら言った。
「まあ、いっか。じゃあ、アイリスさん失礼するねー」
シンジが背中側からアイリスの腹に左手を当てる。傍から見ると、まるでアイリスを後ろから抱きすくめているようだ。所謂恋人抱きだ。アイリスの耳が赤くなっている。
「……やっぱり、シンジさんに貰ってもらうしか」
アンリがぼそりとつぶやいた。シンジの耳には、しっかり聞こえていたが。
「じゃあ、流すねー。何か感じたら言ってねー」
「は、はぃ……」
蚊の鳴くような声で、アイリスが答える。
シンジがゆっくりと魔力を流すと、アイリスの背中がぴくんッ! と動いた。
「にゃぁッ!?」
アイリスの顔が赤く染まっていく。
「な、なにコレ、ナニコレ……」
アイリスが足をモジモジと動かし始める。シンジはそれに構わず、魔力をだんだんと強めていった。
「やっぱりねー……」
どうも他人の魔力が流れると、女性は感じやすくなるようだ。理由はいまいちわからないが、リンシャンも同じような反応をしたので可能性はある。もちろん、実証実験を重ねないと正しい答えは分からない訳だが。
しかし実証実験をしたら、変態の輝かしいレッテルが貼られること間違いなしだ。知らない方が幸せなのだ。たぶんきっと。
「あぅん……にゃ……にゃぁぅん……」
アイリス、猫になる。いや、そう言っても良い喘ぎ方だ。シンジの手から逃れようと、アイリスが体をくねらせる。
「ダメだよー、まだ循環までイってないからねー」
逃れようとするアイリスの両手首を、まとめて右手で押さえるシンジ。
「し、シン、じゃ、ぃやぁん……ら……めぇ」
アイリスからも『らめぇ』をいただいてしまった。それでも手を緩めないシンジ。鬼畜である。
「アイリスさん? ここで頑張るんだよ? 強くなりたいでしょ?」
アイリスがハッとしたように、理性を取り戻した。
「にゃ、がんばるぅ……ッ! んにゃッ……」
だがそれでも快感が勝るようで、喘ぎながらも魔力をコントロールしようとする。
「そうそう、良い感じだよ。お腹で感じた魔力を、心臓の方に、そう、こんな感じに持って行くのッ!」
シンジが、左手をアイリスの腹から左胸の方に滑らせ、魔力を誘導する。
「んぁ、動い、た」
じりッとアイリスの魔力が動く。
「うん、動いたね、良くやったね、感動した」
うんうんとシンジが肯いて、アイリスの健闘を称えた。
「あ、シンジ、さん……? あの……その……胸……」
「へ?」
シンジの左手は、アイリスの形の良い左胸をしっかりと握っていた。
「あー……T〇L〇veる?」
あまりに感触が良すぎて、思わずにぎにぎしてしまうシンジ。
「ぁんッ! だ、ダメぇ!」
ビクビクッと小刻みに震え、クタッと力が抜けるアイリス。
「あ、あれ? ……アイリス、さん?」
シンジの呼びかけに、はっと我に返ったアイリスが、そのままダッシュで逃げてしまった。
「アイヤー……やっちまった……」
ボー然とそれを見送るシンジ。ふと、肩を叩かれる感触に振り向いた。そこには生暖かい笑みを浮かべたアンリ。
「……シンジさん知ってます? 家爵持ち同士が結婚すると、子供はそれぞれの爵位を受け継げるんですよ?」
「大ッ変ッ申し訳ありませんッ!!」
シンジは、その場で見事な土下座をした。
2月中は、まだまだ不定期になりそうです。ご了承ください。




