93.テンプレ的に、マスターに疑われる俺。
シンジ君、再びマスターと対峙の巻。
まあ、シンジだしね。疑われるのもトーゼン。
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やっとお仕事が落ち着いた。
これからはふつうのペースに戻ると、いいな。(ヲイ)
「またお前か……」
「ご挨拶だねえ」
シンジが支部長室に入ると、支部長がため息をつく。
「どうせ面倒事だろ。お前がジュリアに連れられてくるなど、それしかない!」
どキッパリと支部長が宣言する。
「ざーんねん。今回は、すでに支部長も知っていることだよ」
シンジは、胸元から冒険者カードを取り出した。
「もうすぐ、冒険者カードに段数表記が導入されるよね」
「確かにそうだが、何でお前が知っているんだ?」
「その理由がコレ」
シンジは、カードを支部長に渡す。
「ん? お前これ」
「そそ。一足お先に」
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名前 :シンジ=クロス騎士爵
ランク
総合評価:シングルゴールド級
討伐 B-
採取 A-
護衛 G-
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職業 :冒険者
称号 :騎士爵
技術 :祈祷:四段 指導:初段
魔術 :土魔術:五段 水魔術:四段 生活魔術:三段 聖魔術:四段
武術 :剣術:四段 斥候術:三段 体術:四段
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預金 :307G/8sG/8bS/3S
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シンジのカードには、しっかり段位が刻まれている。ちなみに、祈祷と発生した聖魔術、指導は修正済みである。
指導は、恐らく暁の鐘に魔力循環を教えたために発生したのだろう。実際の段位は四段だ。
そう、何故かシンジのカードは、書き換えを行わなくても自動的に更新されていたのだ。恐らく、ステータスボードと紐づいているのだろう。
「……なるほど、実物はこんなふうに記載されんだな」
「支部長も初めて見たの?」
「ああ。だが、どうやって書き換えたんだ? まだ始まってないはずだが」
「王都に行ったら、たまたま神殿で」
しれっとシンジが答える。嘘は何も言っていない。
「正直に言えば、他の冒険者の段数がまだわからんから、高いのか低いのか判断できん」
それはそうだろう。人間は、比較によって初めて高低を知る生き物だ。
「で、ジュリア。何でここへ連れてきたんだ?」
「ケイトが、シンジさんがカードを見せないので、不審に思ったようです。そこで私が呼ばれました。すると、シンジさんがまだこの街では表ざたになっていないカード書き換えの話されましたので、秘匿事項に関する事だと考え、支部長室にお連れしました」
「なるほどな。それなら仕方がない」
支部長がため息交じりに納得した。
「確か、シンジは依頼で、暁の鐘と一緒に護衛任務に付いていたよな」
「その通りです。ケイトが依頼達成を記録しようと、カードを預かろうとした訳です」
「でもほら、俺のカード書き換わっているじゃない? 素直に出して良いもんか分かんなかったんだよね」
そのシンジの発言に、ジュリアと支部長の顔に理解の色が浮かんだ。
「なるほどな。良く分かった。ジュリア、カード書き換えはお前がしてやってくれ」
ジュリアが肯き、カードを預かって執務室から出た。
「これでひと安心だねー」
「しかし、クロス騎士爵か。お前がなあ。……まあ、実績を考えりゃそうなるわな」
魔物暴走終結の立役者のひとりで、仙桃茸まで採取してきている。叙爵は当然と言える。
「で、依頼から戻ってきたら貴族になって、カードも書き換わっていたと。……つくづく騒動の種になる奴だな、お前」
「俺のせいじゃないよー」
「イヤお前のせいだろ。徹頭徹尾」
その通りである。
「だが、今回の段数表記、ちょっと気になるな」
支部長がギロリとシンジを睨んだ。
「ん? 何が?」
「どう見ても、お前の実力と合ってないだろ? ま、さっきも言ったが、比較対象が無いので、俺のカンでしかないが」
さすがにギルドマスター。鋭い。
「ん? まだまだ俺若いしね。これから伸びるんだよ。これからこれから?」
確かにシンジは17歳である。100回以上17歳をやっているが。
「まあ、さすがに俺の気のせいだろうと思うが。もしかしたら、冒険者経験の浅さが反映されているのかもな。第一、創造神様のカードは偽造出来んしな」
残念ながら、その創造神公認の偽造である。
そんな話をしていると、ジュリアが戻って来た。
「シンジさん返却します。今回の依頼達成で、護衛のランクが上がりました」
見ると、確かに護衛のランクがG-からF-になっている。
「おや、一気に3段階上がったよ? どして?」
普通に考えれば、1回の依頼達成でそんなに上がるものではないだろう。
「まず、最低ランクのG-の場合、普通に依頼達成出来ればGに上がります。ただし、依頼主からの評価、教導役として同行した冒険者の評価、特別の功績があった場合の評価などが足されまして、最高評価になると、一気にランクが上がることがあります。普通はありませんけど」
シンジの場合、食事の評価やラックブック村での商売成功、魔術の教導など、評価される項目が多すぎる。やらかし過ぎたと言って良い。
「なるなる」
「で、シンジよ。暁の奴らが、ずいぶん『丼もの』って奴を誉めていたが、どんなんだ?」
「あ、食べてみる?」
シンジは、すかさず牛丼をふたつ取り出す。
もちろん、支部長にもジュリアにも大受けだった。
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いや、さすがに最近星が増えずに凹み気味だし。(マテ)




