92.テンプレ的に、受付嬢に疑われる俺。
シンジ君、受付嬢に不審がられるの巻。
まあ、存在自体が不審だし、仕方がない。(ヲイ)
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たまたま更新できました。でも、まだ不定期期間中です。
シンジたちは到着後、冒険者ギルドで報告をする。
情報を照合していた受付嬢から、こんなセリフが出た。
「あ、ランクが変わりますね。カードを書き換えますので、ご提出ください」
「はーい。……あ、やべ」
冒険者カードを取り出し、提出しようとした瞬間、シンジの目にカードの表面は写った。慌てて隠すように。
「? どうされました?」
受付嬢が不審に思ったのか、ちょっと目を吊り上げて訪ねてきた。
「んー、申し訳ないけど、御用の筋で支部長に話ししないとまずいかも。支部長無理なら、ジュリアさん呼んでもらえる?」
「支部長と主任ですか?」
思いっきり不審そうな顔をされた。そう言えば、この受付嬢はあまり見たことが無かった。シンジの事はあまり知られていないのかもしれない。
「あー、ケイトちゃん、そんなに警戒しなくていいぞ。ジュリアを呼んで来てくれ」
それを見たボーブが、こちらに近づいてきて横から口を挟んだ。
「あ、ボーブさん。……そうですか、ボーブさんがおっしゃるなら」
冒険者ギルドに置ける、ボーブの信頼は絶大である。
受付嬢はさっと立って、奥へと引っ込んだ。
「ねえ、ボーブさん。何でボーブさんは、ギルド職員の信頼がこんなに厚いのさ?」
「知らんわそんなもん」
信頼は、積み重ねによるものだろう。普通は。
しばらく待つと、ジュリアを連れた受付嬢が窓口に戻って来た。
「クロス卿、お呼びとの事ですが」
「え? クロス卿? この人が?」
受付嬢が驚いた顔をする。
「ケイト? あなたまさか何か失礼を?」
「は……、申し訳ありませんッ!」
「ジュリアちゃん、そりゃしょーがねーよ。今回の依頼受けたときは、コイツまだ『シンジ』だったし」
普通、依頼を受けて帰ってきたら騎士爵になっていましたとか、あり得ない話である。当然受注書は『シンジ』のままである。それを一介の受付嬢に察しろと言うのは、確かに酷な話かもしれない。
「第一コイツ怪しいし非道ェ奴だし。ケイトちゃんが警戒するのも無理ないって」
「えー? ボーブさんひどいー」
「やかましいッ! 俺ァ、人形の恨み忘れてねーぞッ!! 立派に非道ェ奴じゃねーかッ!!」」
「それは確かにそうですね。私もひどい目に遭いましたし」
ジュリアが笑いながら言った。
「ジュリアさんもひどいー」
シンジが膨れるが、ボーブとジュリアは笑ったままだ。ケイトはキョロキョロとふたりの顔を見ている。
「ま、いいわ。ケイト、次から気を付けなさいね。クロス卿は寛大な方だから、許してくれているわ」
「は、はい。では、業務に戻ります」
ケイトは、そう言って窓口に戻った。
「さてクロス卿。どうなさいましたか?」
「あー、ジュリアさん、その『クロス卿』やめない? 俺、冒険者活動中は『シンジ』ってことで」
あまり畏まれるのも得意ではない。それに、調子に乗っていると痛い目に遭うのだ。トンカツ定食の様に。
「そうですか? では、今まで通りに『シンジ』さんで。それで、何かありましたか?」
「あーうん、実はね、カード書き換えの件で」
「あ、その件絡みですか。……それなら支部長立ち合いの方が良いですね。こちらへどうぞ。ボーブさんもご一緒に?」
「断じて拒否する。俺は巻き込まれたくねぇよ」
ボーブが素早く拒否する。
「えー」
「良いからさっさと行けッ!」
不満顔するシンジに、ボーブがしっしっ! と虫を払うように手を振って追い出そうとした。
それを見て、くすりと笑うジュリア。
「あ、シンジ。俺たちはお疲れ反省会するから酒場にいるな。終わったら戻って来いよ」
「わかったー」
ジュリアは、返事するシンジを連れて、支部長室へ向かった。
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