90.テンプレ的に、救命活動をする俺。
シンジ君、人助けの巻。
いきなり実践教育の酷さよ。(ヲイ)
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2月中旬が終わるまでは、不定期更新となります。ご了承ください。
一年で一番忙しい時期なの……(´・ω・`)
人体構造をひと通り講義したが、あくまで構造をひと通りでしかない。細かい部分や病気の事、変異の事、細菌やウイルスなど感染に関わる事、毒に関わる事など、まだまだ伝えるべきことは多い。
ただ、アンダーソンに直接関わりそうな、毒とケガ治療を優先するのが良いだろう。
幸いと言って良いかは分からないが、チェスタニアに到着するまでにはあと6日程掛かる。それまでに、基礎部分は終わらせたい。
そして、3日が過ぎて大き目の町に着いた時の事だった。
「誰かッ! 司祭様を呼んで来いッ!!」
大勢の人が、1か所に固まっている。横には斜めに停められた馬車があり、馬は外されていた。
どうやら事故が起こったようだ。
シンジたちが人ごみに近づくと、どうやら事故らしい。
「アンダーソンさん、行ってみる?」
「……ああ」
アンダーソンが、人ごみを進む。シンジも後を付いていく。
人ごみを抜けると、その先には10歳くらいの少年がぐったりと地面に横たわり、足が脛のあたりでベッコリ凹んでいる。腿のあたりを馬車に轢かれたのだろう。
どうやら、頭も打ったのだろう。意識はほとんどない。
すぐに手当てしないと生死に関わる。
「侍祭だ。どいてくれ」
アンダーソンが周りの人たちに話しかけた。治療の時は無口が改善される。集中しているからだろう。
周りの人間が、侍祭だ、治療だ、と身体を引いた。
アンダーソンが少年に手を近づける。シンジが教えた通り、魔力を使って身体の中を精査しているようだ。
頭から徐々に下がり、胴体、潰れた足まで精査する。
「どう?」
「足は大丈夫だ」
シンジの問いかけに、言葉少なく答えるアンダーソン。その体勢まま、まず足に聖魔法を掛けた。意識が無いうちの方が、暴れないという事だろう。
潰れた脛がボコりと盛り上がり、見る見るうちに修復される。周りから、オーッという声が漏れた。
「次、頭……」
アンダーソンが、少年の頭をゆっくりと持ち上げ、ちょうど膝枕の様に自分の腿へ乗せて、額に手を当てた。すると、難しい顔になった。
「出血は?」
シンジが短く聞くと、アンダーソンがシンジの方を向く。
「内側、少し。……良くない」
「じゃあ、俺がやる?」
「その方が……確実」
悔しいのか、アンダーソンの顔が少し歪む。逆に、シンジはアンダーソンを評価する。プライドより人命を取ることが出来る。大事なことだ。
「ちょうど良いから、その体勢のまま魔力で様子を観察して」
シンジも、アンダーソンの斜めに座り込み、少年の頭に手を当てる。
「ふうん、血管切断3か所。血だまりが出来ているね。先ず血を止めて、これを除去する」
アンダーソンが肯いた。
「でも、脳の中、それだけじゃないね」
シンジのつぶやきに、アンダーソンが首を傾げた。
「どうも、小さい腫瘍が出来ているっぽい。これも一緒に取り除いちゃおう」
シンジが、少年の脳に聖魔術を掛けていく。アンダーソンが一瞬、目を見開いた。魔力の流れを見たのだろう。切れている細い血管が次々と繋がっていき、血が吸収されていく。
「アンダーソンさん、脳に溢れた血が無くなったから見やすくなったでしょ。腫瘍が解る?」
アンダーソンが集中し、大きく肯いた。
「これも小さくしていくね」
聖魔術の魔力が脳を巡り、腫瘍を小さくしていく。最後には消えてなくなった。
「ぃよぉし、これで大丈夫だね」
シンジが深く息を付いた。脳は繊細な器官だ。これでもかなり緊張していたのだ。
「勉強、なった」
アンダーソンも、無事に魔力の流れが解ったようだ。今後は自分でも出来るようになるだろう。
そんなことを話していると、少年の目が薄っすら開いた。
「ぅ……」
「誰かこの子の知り合いいませんか?」
シンジが問いかけると、人ごみの後ろから神官服を着た男が出てきた。
「ケガ人がいると聞いたのだが……ランス?」
アンダーソンが、その神官を見て立ち上がろうとしたが、少年を抱えていたのですぐにあきらめたようだ。
「お、其方はアンダーソンではないか? 其方が治療したのか?」
「テリー準祭司」
どうやら、ふたりは知り合いらしい。
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……下らないネタ考える暇もないの(´-ω-`)




