69.テンプレ的に、磨かれちゃう俺。
シンジ君、ピカピカになっちゃうの巻。
仕事中の専門家は、恥ずかしいとか全く考えませんからねえ。
「ここが王都か……」
シンジたちは、10日ほどかけて王都まで来ていた。当初の計画では、隣の伯爵領から円を描くように戻る予定だったが、ラックブック村で予定外の量の小麦が手に入ったため、急遽王都へ足を延ばすことになったのだ。
幸い生鮮食料関係は伯爵領などでも追加が出来たし、野営時にはシンジが毎食丼もの作っていたし、大きな町経由であれば、商業ギルドを通じて連絡も出来たので、多少予定より日数が増えても大きな問題はなかった。
王都の石壁は、シンジの拠点である領都チェスタニアよりも高く、10m規模だ。
すんなりと壁門を潜ると、ひろい街道がある。王都のメインストリートになるのだろうか。奥には城門が見える。直線距離で1km以上あるだろう。その城門の奥が貴族街になるわけだ。
「もうすぐ卸先の店アルね」
城門近くにまで進むと、大きな門構えの商店が軒を連ねている。
と、そこに見慣れた人物が立っていた。
「あれ? アンリさん? 何でこんなトコに?」
そこには、チェスタニアにいたはずのアンリが立っていた。
「シンジさん、待ってました」
「待ってた? 何で?」
シンジは訳が分からない。
「アイリスの叙爵が、ちょうど明日なんですよ。シンジさんも同席するんですよ」
「待って待ってちょっと待って! 俺、ただの冒険者ですが?」
「ええ。でも招待が来ているから、行かないとまずいですよね?」
どうやら、招待が来ているらしい。
「シンジさんが依頼を受けて旅立った後に、正式な招待状が来たんですよ。伯爵様が陛下に報告したんでしょうね。……まあ、例のキノコや姫の件もありますし」
どうやら、キノコが悪さをしたらしい。が、姫とは何なのか? 伯爵の姫が、どうして王の招待状に関わるのだろうかとちょっとシンジは不思議に思った。
「どうしたんだ? お、アンリ卿。このようなところで」
ボーブたちが近寄って来た。当然アンリの事は知っているらしい。
「あ、暁の鐘か。すまんが、シンジさんを連れていくが、問題ないか?」
「承知しました。依頼主には私どもの方から報告します」
「頼むぞ。……じゃあ、シンジさん行きましょう」
そのまま、シンジは手首を掴まれて連行されていった。今度は何をやらかしたんだという、暁の鐘の面々からの視線を浴びつつ。
◇
「ここが王都伯爵邸です」
アンリが見せた札のようなもので城門を軽くスルーし、連れられてきたのは大きな屋敷だった。周りも似たような屋敷しかない。王都でも上級貴族の区画なのだろう。
「ほむ、すごい屋敷だねえ」
「感心するより、中に入ってください」
シンジは、そのままアンリに引きずられて屋敷に入る。当然門番はスルーだ。
「「おかえりなさいませ、アンリ卿」」
ふたりのメイドが迎えに出た。
「すぐにシンジさんを磨いて、衣装を準備させてくれ」
「「畏まりました。シンジ様、ささ、こちらです」」
「え? え? え?」
戸惑うシンジは、両サイドをメイドに囲まれ、両腕を掴まれてそのまま拉致されてしまった。
まさか振りほどく訳にもいかず、連れていかれた先は湯殿。
「「では、任せました」」
「「「「畏まりました」」」」
そこには、薄着を来たメイドが4名。いわゆる湯殿付きメイドという事だろう。
「え? あれ? 俺、洗浄の魔法使えるけど? ほら、洗浄の魔法」
シンジが奇麗になるが、メイドたちは首を横に振る。
「失礼ながら、王宮に入られるのに、それだけでは不足でございます。こちらでしっかりと磨かせていただきます」
メイドはそう言いながら、あっという間にシンジをすっぽんぽんにする。
「えーッ!? いつの間にッ!!?」
慌ててシンジは股間を両手で隠した。
「メイドの基本技にございます」
「そんな基本技があるのッ!?」
「ささ、こちらに寝てくださいませ」
シンジはなぜか全く抵抗できず、台の上にうつ伏せに寝かされる。
上から掛けられるお湯。動けないまま、コロコロと回されてマッサージされ、完全に脱力したところで全身のムダ毛を剃られてしまう。
「な、な、なんで抵抗できないのッ!?」
「メイドの基本技にございます」
「怖いよメイドッ!?」
そうして、シンジは完全に磨かれてしまった。
「しくしく、もうお婿に行けない……」
「お気になさらず。これも業務ですので」
「気にするわッ!!」
シンジの魂の叫びも、メイドたちの業務の壁に阻まれたのだった。
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