表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/135

67.テンプレ的に、野営飯を作る俺。

シンジ君、野営飯を作るの巻。

飯テロにはなっていない、筈。(ヲイ)

 「じゃあ、我々は出発するアル。村長さん、色々お世話になったアル」


 チャンの言葉に、総出で見送りに来ていた村人が、歓声を上げた。その声は、シンジに向けられたものだ。


 「シンジさん、皆シンジさんの言葉を待ってるアル。挨拶するヨロシ」


 「えー」


 「シンジ、そこは素直に応じろよ」


 ボーブが呆れたようにシンジの頭を小突いた。


 「しょうがないにゃあ」


 シンジが、しぶしぶ前に出た。


 「み、みんな、ありがとねー、元気でねー」


 それだけ言って、大きく手を振る。村の皆が大歓声で答えた。シンジはちょっと仰け反ると、そのままそそくさと隠れた。


 「照れたな」 


 「照れたみたいだね」


 「照れてやがらぁ」 


 「「照れたアルね」」


 「……テレ」


 「うッ! うっさいなあもうッ!! ほら行くよ!?」


 シンジの作った、村人の門が開けられた。


 「では、出発するアル!」


 チャンの掛け声ともに、馬車は動き出した。


 荷物をシンジが貸し出したマジックバッグに入れることで、全員が馬車に乗れるようになったので、進みが早くなる。


 シンジたちは、歓声に包まれながら門を出た。




 ◇




 「あー、やっと落ち着いた」


 シンジがため息をつきながら言葉を漏らす。


 「照れてたからな」 


 「キキッ、照れてやがったからなぁ」 


 「照れていたからアルね」


 同じ馬車に乗っているチャン、ボーブ、スナーブからいじられる。

 

 「もうええっちゅーにッ!!」


 シンジはいじるのが大好きだが、いじられるのはあまり慣れていない。元の世界での事もあるが、チュートリアルが長かったこともあるだろう。


 「で? 次の目的地は?」


 ちょっとふてくされながら、シンジがチャンに聞き返す。 


 「シンジ、耳赤いぞ」


 ボーブがニヤリと笑いながら指摘してきた。


 「……ボーブさん、夕食はオークの生肉ね」


 「ウソだろオイッ!! 謝る! 許してッ!!」


 ボーブが必死に頭を下げる。それを見て、全員笑った。


 「アイヤー、ボーブさん形無しネ。シンジさん、次は隣のエルゲス伯爵領アル。ちょっと遠いので、明日明後日は野宿アル」 


 どうやら、違う領主の土地に入るらしい。


 「なるほどー、魔の森の近くを通過するのは?」


 「この村の街道沿いに、一か所森が張り出しているところアルね」


 「ほむ、そこが要注意なの? ボーブさん」


 「そこはボア系の魔物だな。途中の草原はウルフ系の魔物が出る。もちろん、ゴブリンやオークも出るぞ。あいつらはどこにでも出るからな」


 「なら、野営はどこでするの?」


 「街道沿いにはぁ、野営用の広場もあるぜぃ。井戸もなぁ」


 そちらはスナーブが答えてきた。


 「今回は、シンジさんのおかげで荷物が軽いアル。馬車も早くなるので、野営地にも早く着くと思うアルね」


 その予言通り、何事もなく予定より1時間も早く野営場に着いた。


 「では、野営の準備をするアル。シンジさんは、ボーブさんにやり方を聞くヨロシ」


 そのチャンの声に、全員が一斉に動き出す。暁の鐘のメンバーは、近くの林に入り薪になりそうな枯れ枝を拾いに行った。もちろん拾った木がすぐに使える訳はないので、持ってきた薪の補充用だ。


 「シンジ、お前は全員分の料理が出来るか?」


 「だーいじょーぶ、まーかせて」


 シンジが胸を張って平手で叩く。


 「じゃあ、まず竈作りだな。端の方に石が積んであるから、それをここに持ってきて」


 「ボーブさん、ここで良いんだね。大丈夫、作っちゃうから」


 そう言うとシンジは、両手を胸の前でパンと鳴らすと、地面に手を当てる。すると、地面がモコモコと盛り上がり、あっという間に鍋が2つ置ける竈になった。隣には、調理用の台まで作られている。


 「そうか、シンジお前土魔術得意なんだったな」 


 「そうそう。んじゃ、皆が戻ってくるまでに調理始めちゃうよー」


 シンジは、どこからか取り出した台布巾できれいに台を拭くと、次にまな板と包丁を取り出す。さらに中華鍋と寸胴鍋など、調理器具をこれでもかと取り出した。


 「れぇっつ! くっきぃんぐぅー♪ ちゃらちゃっちゃっちゃっちゃっちゃ♪ ちゃらちゃっちゃっちゃっちゃっちゃ♪」


 シンジは、人形が踊って3分間で調理するテーマ曲を口ずさみながら、キャベツを取り出して風魔術で千切りにして皿に盛る。さらにオーク肉を取り出しては厚めに切り、粉をまぶして卵を割って作った卵液に通すと、パン粉を付ける。その作業をしながら水魔術で寸胴鍋に水魔術で水を張った。


 「ここは手抜き♪ 3分しかないからねー」


 そう言いながら、いちょう切りにした根菜をどぱどぱ入れて、細切れにしたオーク肉を入れると、一気に熱してマジックボックスへ。100倍時間を経過させ、すぐに取り出す。野菜が煮込まれて、良い感じにダシが出た寸胴鍋に味噌を投入すると、ふたを閉める。香りが辺りに散った。


 「こっちも仕上げるかねー♪」


 中華鍋に油をなみなみと注ぎ、一気に温度を上げる。菜箸で油温を確かめると、パン粉を付けたオーク肉を投入、揚げては出し、揚げては出し、何十枚か一気に作り上げる。揚げた半分をマジックボックスに戻し、残りをまな板に並べて包丁で切っていく。さくりさくりと、小気味いい音と上質な油の香りが暴力的にたち込める。


 ポカーンと口を開けて見ていたボーブの口から、知らず知らずよだれが垂れた。


 いつの間にか戻って来ていた暁の鐘メンバーも、チャン親子も、同じ表情でよだれを垂らしている。


 「よーし、出来上がりー♪ 後は、炊いておいたご飯を盛ってー♪ みんなご飯だよー」


 そこには、見事な豚汁付きカツ定食が鎮座していた。野営飯のはずだったのに。

俺もオークカツ喰いてえッ! という方、★とブックマークをお願いいたします。


--------------------------------

ちょっとだけ入院中のため、次回更新厳しいですね。無理そうです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ