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55.テンプレ的に、素材買取所でまたやらかす俺。

シンジ君、再び素材買取所に行くの巻。

まあ、仕方ないよね。予想できたことだ。(ヲイ)

 「たのもー」


 「うわ出たッ!!」


 シンジが素材買取所に着くと、オリバーがあからさまに防御姿勢を取った。


 「俺は化け物か何かかいッ!?」


 「もっとタチが悪いじゃねーか!」


 「うん、否定しない」


 シンジはあっさりと肯いた。


 「否定して。お願いだから」


 オリバーが崩れ落ちた。


 「だが断る」


 「断るなッ!!」 


 「いやー、ノリがイイね、オリバーさん」


 オリバーが頭を抱えた。


 「俺はそんなつもりはない! で、今日はどうした?」


 「うん、素材を買い取ってもらおうと思って」


 あからさまにオリバーがおびえた。


 「な、な、なにをもってきたんだ……?」


 「今回はだーいじょーぶ。オークだから」


 オリバーがほっとしたように息を付いた。


 「あー、そしたら、奥へ着いてきな。解体所で出してくれ」


 「わかったー」


 オリバーは、三重になっている引き戸を開けて、シンジを促した。


 シンジが引き戸の中に入ると、そこは広い部屋で、4人の男たちが魔物を解体していた。血の臭いは、やはりここから漂ってきたものだったようだ。


 「ほー、広いねえ」 


 「まあな。大きな魔獣も持ち込まれるから、このくらいの広さは必要でな」


 それはそうだろう。あのオークロードも3m以上あった。オーガの希少種とかなら、5m近いものもいる。ましてや竜種なら、最小のワイバーンでさえ翼を広げれば5mは超える。


 「じゃあ、オーク出しな」


 「ん、ここでいい?」


 シンジは、空いている大きな机の前に立つ。


 「おう、そこで良いぞ」


 「はいよー」


 シンジは、おもむろにバッグをひとつ取り出す。そこに腕を突っ込んで、なにかを引っ張る。


 すると、どさりと大きな音を立てて、オークナイトの首なし死体が机からはみ出しながら横たわった。


 「おー、マジックバッグか。このサイズのオークが丸々入るとは。死体も新鮮だし、これ時間経過が遅くなるタイプか。高級なの使ってんな」


 オリバーが感心したようにうなずいている。


 実際には、シンジのマジックボックスに入れておいたものを、マジックバッグに移し替えただけなのだが。


 「ん?」


 オリバーが何かに気付いたようだ。


 「お、お前これ、普通のオークじゃないな?」


 「さすが。これ、鎧ないけどオークナイト」


 オークナイトを殺すと、鎧や剣は消えてしまうことが多い。今回は倒した数が数なので、現場で確認したら十数本の剣は残っていた。それもシンジのアイテムボックスに収納済みである。


 「おお、オークナイトか。久しぶりに見たな。お前が倒したのか?」


 「うんそーだよ。他にもいろいろ居たけどね。こんなのとか」


 再びマジックバッグに手を突っ込み、今度はオークアーチャーを取り出す。2m程度なので、体が机からはみ出すことはないが、その分腕が太くて長いので、そこだけが机からはみ出す。


 「あと、こんなのとかー」


 今度はオークメイジだ。1.8mほどしかない。身体も細身で、オークという印象が薄い。だが肉は魔素が多く、非常に美味だ。


 「おいおいおいおいッ! どんだけ出すんだよオイッ!」


 「種類としてはこの辺かな?」


 「普通のオークはどうしたよッ!?」


 「それは、アイリスさんとノアさんのバッグにあるよー。リーガー含めて雑魚オーク500匹くらい?」


 オリバーのアゴがカクンと落ちた。


 「そ、それがこの解体所に来るのか……?」


 オリバーの顔が青ざめた。作業を止めて、一緒に様子を窺っていた所員たちの顔も引き攣っている。


 「あとはねー、アーチャーが180匹くらいで、メイジが15匹くらいかな。んで、ナイトが250匹超え?」


 オリバーと所員たちが、膝から崩れ落ちた。


 「あれ? みんなどうしたの?」


 「やっぱり、やっぱりシンジだったか……」


 膝から崩れたまま、オリバーは両手を床に着いた姿勢になってつぶやいた。


 「おー、生orzだッ!! すごいぞオリバーさんッ!!」


 オリバーの姿勢は、まさに見本となるようなorzだった。

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