46.テンプレ的に、新人として準備する俺。
シンジ君、新人らしくギルドで準備するの巻。
ほら、備えあれば嬉しいな、って。(定番)
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体調不良継続中のため、短いです。
「こちらが、シンジさんの新しいカードになります」
ジュリアさんに手渡されたカードは、色と表記が変わっていた。
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名前 :シンジ
ランク
総合評価:シングルシルバー級
討伐 B-
採取 G-
護衛 G-
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「ほむ、カードの材質が変わったね」
「あ、それは説明していませんでしたね。級が何故金属名なのかというと、カードがその素材で作られるからなのです」
ジュリアの説明で納得がいった。要は、カードごとに金属が変わるので、それが級名とリンクしているらしい。
「それで紛失時に小金貨? 上位カードだと、赤字じゃない?」
「ミスリル以上は、紛失時金貨1枚です」
「Oh、10倍ですか……」
「ミスリル以上になるような冒険者は、普通理由もなしに紛失とかしませんので」
道理である。そんなつまらないミスをするような冒険者は、上位にはなれないという事なのだろう。
「何で、わざわざストーンのカードを作ったの? 結果が出て、初めから新しいカードにすれば良いのに」
「これも仕様です。最初のカードが無いと、新しいカードが作れないようになっているんです」
敢えて最初は初心者のカードを作らせて、形式的にもちゃんと成り上がりをやらせたいという事なのだろう、とシンジは推測した。……だって幼女だし。
「ま、いっか。じゃあジュリアさん、ひとつ質問。冒険者になって、普通は最初にどんな活動をするのかな? かな?」
「普通なら、ですか? まずは採取系ですね。冒険初心者は、武器防具を完全には揃えられていない場合が多いので、森近くの草原で薬草採取をします。そうやってお金を貯めて、武器防具を揃えてから討伐系に挑むのが普通です」
シンジは考える。それでは、貧民や孤児の救済としての冒険者ギルドになっていない。
「街中の雑務とか、子供とかが受けられるようなものはやってないの?」
「そういうものは、冒険者ギルドと行政の共同下部組織になっている『雑務ギルド』が管理しています。街中の依頼が主体なのと、冒険者ギルドの煩雑化を防ぐこと、あとはトラブル防止のためですね」
シンジは納得した。確かに、何でも冒険者ギルドでは管理しきれないというのと、街中の細かいところまで冒険者ギルドに把握されるのは、行政側である貴族としても困るだろうこと、両者の共同管理なら、不正も起こりにくいという事なのだろう。
スラムや孤児の救済という点でも、その方が細かいケアが出来るというメリットも考えられる。自力救済中心の中世らしくないのは、やはり幼女の差し金だろうか?
「ほむ、納得した。じゃあ、早速採取の依頼を受けようかな。採取定番のリストとか掲示板とかあるのかな? かな?」
「あ、それは小図鑑になっています。買います? 1冊小金貨1枚です」
そう言って取り出してきたのは、結構な厚みのあるB5サイズくらいの冊子だった。
「それ、新人は買えないよね?」
「ええ、ですので、ギルドの上に資料室があって、そこで閲覧が可能になっています。が、ある程度ベテランになってくると、所持していた方がすぐに調べられるという事で、希望者には販売しているんです」
なるほど、この厚みだったら、都度見に来るのも大変だから、手持ちしたがる人もいるのだろう。紙そのものが厚いから、ページはそれほどでもなさそうだが。
「これ持ち歩くの大変じゃない?」
「こちらをお買いになるような方は、マジックバッグ持ちが多いので」
納得である。
「特に薬草やキノコ類は、毒物との見分けが大事ですので、詳細が載っているこの図鑑が大切なのです。高額な採取物ほど、間違って持ってきたら損ですので」
「ほむ。ちょっと中身見ていい?」
「こちらは売り物ですので、2階の図鑑をご覧ください」
シンジは、2階の資料室へ案内され、図鑑をめくって見た。
そこには、基本的な薬草からキノコ類、毒草との見分け方、採取の仕方、保管の仕方など、細かく図解入りで載っていた。
薬草には色まで着いている。どうやら、版画で印刷したものに、直接彩色しているようだ。
「なるほど、こりゃ高いわけだなぁ」
シンジは、しばらく図鑑に目を通した後、ぱたりと閉じて資料室から出た。そして2階から降りてくるとジュリアを探し、あっさりと図鑑の購入をお願いした。
「あれ、ひとつふたつならともかく、全部をすぐに覚えるの無理だわ」
「毎度ありがとうございます♪」
ジュリアがとても良い笑顔で図鑑を渡してきた。たぶん、これを売ったらボーナスが入るのだろう。
シンジは合わせて、薬草の茎をまとめるための紐や、保護布が付いた収納用の袋、必要部分を切るためのナイフなど、採取に必要な道具を一気に買いあさった。
「シンジさん、こんなに一度に買って大丈夫なんですか?」
しまいには、ジュリアが心配したほどである。
実際のところ、今のシンジは懐が温かい。アイリスから受け取ったお金だけではなく、話を聞いた男爵から魔剣の代金として、金貨10枚分のお金をもらっていたからだ。小金貨分の買い物など、何の問題もない。
「大丈夫大丈夫。じゃ、行ってくるねー」
「え? シンジさん、今から行かれるんですか? 歩いて行ったら、近くの森でも結構かかりますよ?」
そう、普通に領都を出て徒歩で行くと、一番近い森でも着いた頃に昼を過ぎるだろう。一般的には、早朝日の出頃にはギルドに来て、採取依頼を見てから出かけるのが一般的な冒険者だ。
だが、ジュリアの心配には当たらない。なぜなら、シンジだからである。
「だーいじょーぶ。まーかせて。ところで、薬草とかはこの図鑑に書いてある通りの本数で束ねてきたら、カウントされるんだよね?」
シンジは、確認のためジュリアに尋ねた。
「そうですね。ただ、シンジさんの場合ですと、討伐の実力がありますので、森に入って上薬草以上を採って来ていただけるとありがたいです」
「おけおけ、わかりましたー」
シンジは、手を振ってギルドを出た。
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