表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/135

46.テンプレ的に、新人として準備する俺。

シンジ君、新人らしくギルドで準備するの巻。

ほら、備えあれば嬉しいな、って。(定番)


---------------------

体調不良継続中のため、短いです。

 「こちらが、シンジさんの新しいカードになります」


 ジュリアさんに手渡されたカードは、色と表記が変わっていた。


---------------


 名前 :シンジ


 ランク 

  総合評価:シングルシルバー級

  討伐 B-

  採取 G-

  護衛 G-


 ---------------


 「ほむ、カードの材質が変わったね」


 「あ、それは説明していませんでしたね。(クラス)が何故金属名なのかというと、カードがその素材で作られるからなのです」


 ジュリアの説明で納得がいった。要は、カードごとに金属が変わるので、それが(クラス)名とリンクしているらしい。


 「それで紛失時に小金貨? 上位カードだと、赤字じゃない?」


 「ミスリル以上は、紛失時金貨1枚です」


 「Oh、10倍ですか……」


 「ミスリル以上になるような冒険者は、普通理由もなしに紛失とかしませんので」


 道理である。そんなつまらないミスをするような冒険者は、上位にはなれないという事なのだろう。


 「何で、わざわざストーンのカードを作ったの? 結果が出て、初めから新しいカードにすれば良いのに」


 「これも仕様です。最初のカードが無いと、新しいカードが作れないようになっているんです」


 敢えて最初は初心者のカードを作らせて、形式的にもちゃんと成り上がり(テンプレ)をやらせたいという事なのだろう、とシンジは推測した。……だって幼女だし。


 「ま、いっか。じゃあジュリアさん、ひとつ質問。冒険者になって、普通は最初にどんな活動をするのかな? かな?」


 「普通なら、ですか? まずは採取系ですね。冒険初心者は、武器防具を完全には揃えられていない場合が多いので、森近くの草原で薬草採取をします。そうやってお金を貯めて、武器防具を揃えてから討伐系に挑むのが普通です」


 シンジは考える。それでは、貧民や孤児の救済(テンプレ)としての冒険者ギルドになっていない。


 「街中の雑務とか、子供とかが受けられるようなものはやってないの?」


 「そういうものは、冒険者ギルドと行政の共同下部組織になっている『雑務ギルド』が管理しています。街中の依頼が主体なのと、冒険者ギルドの煩雑化を防ぐこと、あとはトラブル防止のためですね」


 シンジは納得した。確かに、何でも冒険者ギルドでは管理しきれないというのと、街中の細かいところまで冒険者ギルドに把握されるのは、行政側である貴族としても困るだろうこと、両者の共同管理なら、不正も起こりにくいという事なのだろう。


 スラムや孤児の救済という点でも、その方が細かいケアが出来るというメリットも考えられる。自力救済中心の中世らしくないのは、やはり幼女の差し金だろうか?


 「ほむ、納得した。じゃあ、早速採取の依頼を受けようかな。採取定番のリストとか掲示板とかあるのかな? かな?」


 「あ、それは小図鑑になっています。買います? 1冊小金貨1枚です」


 そう言って取り出してきたのは、結構な厚みのあるB5サイズくらいの冊子だった。


 「それ、新人は買えないよね?」


 「ええ、ですので、ギルドの上に資料室があって、そこで閲覧が可能になっています。が、ある程度ベテランになってくると、所持していた方がすぐに調べられるという事で、希望者には販売しているんです」


 なるほど、この厚みだったら、都度見に来るのも大変だから、手持ちしたがる人もいるのだろう。紙そのものが厚いから、ページはそれほどでもなさそうだが。


 「これ持ち歩くの大変じゃない?」


 「こちらをお買いになるような方は、マジックバッグ持ちが多いので」


 納得である。


 「特に薬草やキノコ類は、毒物との見分けが大事ですので、詳細が載っているこの図鑑が大切なのです。高額な採取物ほど、間違って持ってきたら損ですので」


 「ほむ。ちょっと中身見ていい?」


 「こちらは売り物ですので、2階の図鑑をご覧ください」


 シンジは、2階の資料室へ案内され、図鑑をめくって見た。


 そこには、基本的な薬草からキノコ類、毒草との見分け方、採取の仕方、保管の仕方など、細かく図解入りで載っていた。


 薬草には色まで着いている。どうやら、版画で印刷したものに、直接彩色しているようだ。


 「なるほど、こりゃ高いわけだなぁ」


 シンジは、しばらく図鑑に目を通した後、ぱたりと閉じて資料室から出た。そして2階から降りてくるとジュリアを探し、あっさりと図鑑の購入をお願いした。


 「あれ、ひとつふたつならともかく、全部をすぐに覚えるの無理だわ」


 「毎度ありがとうございます♪」


 ジュリアがとても良い笑顔で図鑑を渡してきた。たぶん、これを売ったらボーナス(マージン)が入るのだろう。


 シンジは合わせて、薬草の茎をまとめるための紐や、保護布が付いた収納用の袋、必要部分を切るためのナイフなど、採取に必要な道具を一気に買いあさった。


 「シンジさん、こんなに一度に買って大丈夫なんですか?」


 しまいには、ジュリアが心配したほどである。


 実際のところ、今のシンジは懐が温かい。アイリスから受け取ったお金だけではなく、話を聞いた男爵から魔剣の代金として、金貨10枚分のお金をもらっていたからだ。小金貨分の買い物など、何の問題もない。


 「大丈夫大丈夫。じゃ、行ってくるねー」


 「え? シンジさん、今から行かれるんですか? 歩いて行ったら、近くの森でも結構かかりますよ?」


 そう、普通に領都を出て徒歩で行くと、一番近い森でも着いた頃に昼を過ぎるだろう。一般的には、早朝日の出頃にはギルドに来て、採取依頼を見てから出かけるのが一般的な冒険者だ。


 だが、ジュリアの心配には当たらない。なぜなら、シンジだからである。


 「だーいじょーぶ。まーかせて。ところで、薬草とかはこの図鑑に書いてある通りの本数で束ねてきたら、カウントされるんだよね?」


 シンジは、確認のためジュリアに尋ねた。


 「そうですね。ただ、シンジさんの場合ですと、討伐の実力がありますので、森に入って上薬草以上を採って来ていただけるとありがたいです」


 「おけおけ、わかりましたー」


 シンジは、手を振ってギルドを出た。

よろしければ、★とブックマークをお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ