45.テンプレ的に、実力試験を受ける俺つー。
シンジ君、実力試験でやらか……さないの巻。(ヲイ)
どっちかっつーと、やらかしたのは支部長?
---------------------
すみません、体調不良のため、10/18更新はありません。
コロナでもないのに39度の熱とか…(/_;)
「それにしても驚いたな……。その剣術なら、アイリスたちが言っていたのも納得いったわ」
マスターが呟くと、それを聞き咎めたか、おっさんが突っ込みを入れた。
「ギルマス、アイリス様たちが言ってたってぇのは何だ?」
「ああいや、うーん、もう解決したし、お前ならいいが、パーティーメンバーにも言わないと誓えるか?」
「秘密にしろと言うならそうするが?」
支部長は声を潜めるように話し始めた。
「お前、先日警鐘が鳴って急に騎士たちが集められたのに、すぐに解散したを知っているな?」
「ああ。何かの誤報だって聞いたんだが」
ボーブが斜め上を睨みつつ、何かを思い出すようにうなずいた。
「実は、オークの魔物暴走が起こっていたんだ。1000匹規模で、首魁はキングになりかけのロードだ」
「はあああっ!?」
ボーブの叫び声が響いた。が、誰も訓練場には入って来ない。防音はしっかりしているようだ。
しばらく辺りを伺っていた支部長は、変化がないのを見届けると、また口を開く。
「で、倒されたのが分かったから、門は開いたわけだ」
「な、なるほど。そうだったんか。それにしても、随分対処が早かったな」
「で、その魔物暴走、こいつとアイリスが殲滅した」
「はあああぁぁっっ!!?」
再びボーブの叫び声が響いた。
「オイちょっと待てっ! そんなのに俺を充てたのかっ!?」
「お前が立候補したんじゃねーか」
オヤジたちの責任の擦り付け合いが醜い。
「どちらにしても、大っぴらにゃ出来ねえ話だな。まあ、秘密というのは理解した」
とりあえず、ボーブは了解した。この辺の切り替えが早いのが、ベテランというものなのだろう。
「では、後は魔法のチェックなんだが、正直全開だと、この訓練場でもちょっと心配だな」
「ん? この訓練場、何か特別なの?」
シンジの質問に、支部長は首を振って答えた。
「ああ、地下で天井も厚く造っているし、すべての壁に強化加工が施されているし、必要なら魔力防壁も張れるようになっている。が、だ」
そこまで言って、支部長はシンジをひたと見つめた。
「お前の魔術と聞くと、かなり心配。壊された時の費用とかが、とっても心配」
「うわぁ、ぶっちゃけやがったこの親父。……じゃあ、魔法試験止める?」
「残念ながらそういう訳にもいかない。というわけで、ボーブの登場だ」
全く意識してなかったようで、へ? という顔をするボーブ。
「ボーブは魔法障壁を張ることが出来る。だから、コイツが全力で張る魔法障壁に、お前が全力で魔法を飛ばす。生き残ったらボーブの勝ちだ」
「それって、消し炭になったらどうするのー?」
「それは不幸な事故だったよな。運が悪かったよな」
しばし沈黙が流れ、シンジと支部長は、向かい合ってウンウン♪ とうなずき合う。
「「じゃそういうことで」」
「待て待て待て待ってぇっ!? お願い!!」
ボーブが真っ青な顔で必死に制止してきた。
「それっ! 俺が消し炭になるってことだよなぁっ!? 何が『そういうことで』何だよぉぉっ!!?」
「「えー」」
「えーじゃねえぇぇっっ!! ふたりして同じ反応してんじゃねーよっ!?」
ボーブは、泣きながら必死にふたりを止めようとした。
「じゃあ、支部長、1/10の威力でやるから、普通に的へ向かって撃っていい?」
「それで施設は壊れないんだろうな? 的に穴が開く程度なら良いが、それ以上はお前が弁償だぞ?」
「えー」
「えーじゃねーよッ! 何やらかす気だお前ッ!?」
(それじゃあ、ギルド施設破壊テンプレ&マスター弁償コンボが出来ないじゃないか。残念無念)
シンジは無念そうにため息をついた。
「……じゃあ、1/100にします」
「ふざけとるんかお前は」
支部長の呆れたツッコミに、シンジは本音を話す。
「だってギルドが弁償してくれるんだったらいいけど、自分の金だったらもったいないじゃん」
「お前、これからめちゃくちゃ報奨金貰うって聞いたぞっ?!」
「まだ貰ってないもん。いきなり払えって言われたら、借金奴隷に落とされちゃうじゃない」
「それならギルドで購入するぞ。使い勝手良さそうだし」
「使い勝手……」
シンジは、ハッとしたようにお尻を押さえた。
「そっちじゃねーよッ!!」
「「えー」」
何故か、声が重なった。
「えーじゃねーわッ!! 俺にそんな趣味はないッ!! ……っておいジュリアッ! いつの間にそこにいるッ!! 今の声、お前かッ!?」
そこには、ボーブを連れて来て戻ったはずのジュリアが、いつの間にか不満そうにこちらを凝視する姿があった。
「いえ、邪な空気を感じたもので、念のために見に来たのですが。そうしたら、マスターがシンジさんを奴隷として飼う話をしていて」
「そんな話しとらんわッ!! 邪なのはお前だッ!!」
ジュリアを追い出した後、ため息交じりに支部長がつぶやく。
「まあ、とにかく何でも良いから、盗賊を倒した魔術ってのを見せてみろ」
「あ、その情報も入っているんだ。じゃ、これ使うねー」
シンジは模擬剣を置き、氷の剣をアイテムボックスから取り出す。
同じようにくるりとひと回しして氷の矢を20本生むと、部屋の端にある的に向かって打ち出す。
的は千切れ飛んで、氷の矢はそのまま地面に突き刺さった。
支部長とボーブは、また呆けて千切れた的を見つめる。
……これは、また言わねばなるまい。
「あれー? 俺また何かしちゃいましたかー?」
(よっしゃっ! テンプレ天丼コンボ達成っ!!)
シンジがテンプレ達成に喜んでいると、ボーブが疲れた声で支部長に話しかけた。
「……あー、ギルマス、コイツもう討伐Bで良いんじゃねーか?」
「……そうだな、情報は正しかったとして、討伐Bにしておくか」
支部長の疲れた声を合図にして、シンジの実力試験は終わるのだった。
俺もシンジ君飼ってみたい!という方は、怖いので★とブックマークは押さないでください。(コラ)




