ウサギテイマーが、ウサギ大明神に自分のテイマーレベルを確認する、画像多めのハタ迷惑なその他
春におむかえしたウサギ様と暮らして、早三ヶ月。
ウサギテイマー(見習い)TKは、テイマーとしてのレベルが上がったのだろうか。自分ではわからないので、ウサギ大明神様に、聞きにいってみた。
ウサギテイマー(見習い)TK……面倒なので以下TK。
印象スケッチ希望。
春に来た仔ウサギは、あっという間にデカくなった。
良く遊び、良く食べる。
懐いた、のか?
TKのテイマーレベルはあがったのだろうか。
夏のある日、緊急事態宣言中の県境をいくつもこえ、TKはウサギ大明神様に会いにいった。
ウサギ大明神様は、葛城山中の某所におられる。
会いにいったら、アポ取ってから来いと言われたが「そこを何卒」と頼み込んだ。
「で、何用じゃ?」
ウサギ大明神は牛くらいの大きさの白ウサギ様である。
イナバのシロウサギのモデルであると、ご自分で賜った。
「ウサギテイマーとしての、我がレベルを、お教えいただきたく」
大明神は、なんだ、そんなことかと言いたげに、ごろっと横になる。ウサギ種お得意の、『ごろっと横寝』だ。まったく興味がない模様。
「そこを何卒~なにとぞお」
TKはお玉串を上乗せし、頭を下げた。
ちなみにウサギ大明神へのお玉串は、有機野菜のトレトレ人参と、パパイヤ及びパイナップルである。
上乗せしたのは、福岡産のイチゴであった。
大明神がウサ祝詞を奏上すると、三匹の白ウサギが巫女衣装で登場し、ウサ神楽を舞う。
シャラ――ン!
鈴の音と共に、三匹は舞う。
というか、跳ねる。
「お前さまのレベルは、『見習い』からアップして、今のレベルは!」
「レ、レベルは?」
TKの額に汗が浮かぶ。ウサギ大明神は宣言する。
「一点七五である!」
何その、オリンピックレコードみたいな数字。
「今後は四捨五入して、レベル二と名乗るがよい!」
「ははあ! かしこまりました」
ところでレベルが上がったTKだが、実は勤労意欲が低い。極めて低い。どのくらい低いかというと、普通の人の勤労意欲が一メートルくらいあるとしたら、ダンゴムシの体高より低い。せめて、カマドウマの体高を目指したい。
しかし、テイマーとしての最低の責務は、一緒に生活する生き物の食と住の確保。
TKんとこのウサギ様の場合、主食となる牧草と固形ペレットだけでも、ひと月八千円ほど必要だ。それに、毛球症予防のためのサプリメント(パパイヤ成分入)とか、トイレシートとか、獣医さんとこでの爪切りとか、全部合わせると毎月二万程度は、用意しておかなければならない。
「金が~ない~けど、働きたくもない~」
お盆の期間、TKは棒アイスを食べながら、ゴロゴロしていた。
そうだ、困った時の神仏頼み!
とりあえず、知っている仏様の名前を梵字で書いて頼んでみた。
「不動明王様、毘沙門天様、何卒金運を授けたまえ~!!」
その日、S県某市には、絶叫するような雷が落ちた。
不動明王は言った。
「金運ならば、弁財天に言え!」
毘沙門天も言った。
「いいから、真面目に働け! こんなことで呼ぶな!!」
はい、そうっすね。
おおせのままにm(__)m
この企画を主催してくださいました、黒森 冬炎氏に深く感謝申し上げます。
なお、イベント企画のための作品ですので、企画終了後は、一覧から、はずすようにいたします。