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社畜人生
私は社畜だ。
社畜とは、主に日本で、社員として勤めている会社に飼い慣らされ、自分の意思と良心を放棄し、サービス残業や転勤も厭わない奴隷(家畜)と化した賃金労働者の状態を揶揄したものである。
私は社畜でしかない。
自分の意思など何一つない。
全ては会社のため。
誰から見ても社畜。
自分を客観的に見ても社畜。
社畜以外のなんでもない。
でも、それが辛いとは全く思わなかった。
仕事なんてそんなものだと思うようにしていた。
みんな頑張ってる。みんな同じように辛い。辛いのは私だけじゃない。私が辛いのは頑張りがたりないから。頑張るしかない。もっともっと、頑張るしかないと、ずっとずっと…
と、普通なら病んでしまうような状況だったのにもかかわらず、彼女はなぜか楽観的だった。
辛いなら、辛くならないように努力する! と意気込み、辛いという感情をなかったことにした。
頑張らなくちゃと思ったら、食べる時間寝る時間を削りとことん仕事に割り当てた。
彼女は、22歳で入社し35歳まで、そんな社畜生活を当たり前であるかのように続けた。
そして、ある日
ぶっ壊れた…