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カーディの町と新しい武器10

無事、進路決まりました!

一安心。

ということで、こちらも頑張っていこうと思います。

次回はゲーム外でのお話、その次からはまたゲームで、今度はイベントのお話が始まります。

よろしくお願いします!


レイレイたちと別れ、私は再び表通りを歩く。先ほどの商店街を通り過ぎ、中央ギルドの看板を見つけたところで、少し駆け足になった。

中央ギルドは、白塗りの可愛らしい建物だった。今まで見ていた建物より明らかに大きく、近づくほどになにか圧倒されるものがある。

(なんかまたワクワクしてきた)


「ここかな?」

入口らしき扉を見つけて、その扉を押し開ける。

まず真っ先に目に入ったのは、長い半円形のカウンター。

おそらくここが受付だろう。

周りにはレストランのようなテーブルセットや、ソファがあり、高級感があるわけではないが、どこかのホテルのロビーラウンジのようだ。

「ほぇー…」


私的にはギルドといえば、薄汚れた酒場のような場所を想像していたので、やはり少し意外だった。



と、そこで、現実世界リアルで肩が叩かれる。

「?」

若干機械を浮かせると、呼びに来たらしい兄がそこにいた。

「もう直ぐ夜ご飯だって。」

「あ、そっか。わかったー」

文字通り、急に現実に引き戻されたような感じがした。


(やばいやばい。やばい。)

兄が部屋を出て行った後に、機械を被り直して実感する。

「VRすごぉ、、」



先ほどまで体験していた、本物の没入感に今一度感動する。

(これ脳で入ったらどうなっちゃうんだろ)


気になったが、それはまたの機会にしようと考え、用事をすませるべく受付カウンターへ向かった。


そこにいたのは、長い金髪の若い女性だった。

受付の制服は白地に青いラインの入った可愛らしいデザインのもので、襟には、外壁にも飾られていた中央ギルドの紋章が縫い付けられていた。

「初めての方ですね。

わたくしはロリエッタと申します。本日はなんの御用でしょうか?」

「え、ええと、素材の換金をしたいんですけど…」

本当にここでいいのかなどと不安になりながら答える。

「ああ、それでしたら、そちらの右奥にある換金スペースで素材をお渡しください。その場で換金させていただきます。大きなものや討伐依頼クエストのあったモンスターの一部などはギルド証の提示を必要とする場合がありますがご了承ください。」

「わかりました。ありがとうございます」

「いえいえ」

私はその場を去ろうとして、最後に聞いた。

「ちなみに、ギルド証の発行はどこで?」

「このカウンターで受け付けております。ギルド証の発行には500Gが必要なので、発行の際はご用意ください。」

「そうでしたか、ありがとうございます」

「他にご質問等ありましたらいつでもお声がけください。」

「はーい」


ギルド証を作っておこうかとも思ったが、詳しく説明を聞きたいと思ったので、また今度にすることにした。

イベントの詳細についても。


「すみません、これ換金お願いできますか」

最初のバトルででに入った素材を全て出した。

換金スペースにいた男性は、一つ一つを丁寧に値踏みして、きっちりお金を支払ってくれた。

「また持ってきてな〜」

「あはは、はーい」




「いやぁ〜、楽しかった。」

ゲーム買って正解正解。

中央ギルドを出て、暗くなった表通りを歩く。

このゲームでの時間設定は現実(現在は日本サーバのみ)と同じなので、もう夜と呼べる時間になったということだろう。

(でももう少し、ご飯まで時間ないかな?)

レイレイたちのクエストで貰った槍と、それからスキル[識別]の確認がしたかった。

(鑑定に似たようなものかな、と思うけど)

マップを開いて、それができそうな場所を探す。

(あ、最初のところ)


はじめに説明を受けた丘のような原っぱを目に止める。丁度良さそうに見えた。

「よし」




「[識別]」

唱えると、手にした草がほんのり光を帯びて、私の前にウィンドウが現れる。


『草』


吹き出した。


ちょっとよくわからなかったので、別の種類の草を見つけて同じようにスキルを使ってみた。

『識別の項目を選択してください』

ふむふむ。

ん?

『価格的価値・効能・種類』

(……なるほど)

価格的価値を選択すると、『草+200』と出てきた。

比較対象はさっきの草らしい。

続いて効能。『草 治癒効果』

種類。『薬草』

(なるほど、、、大分大雑把だけど、収集クエストとかで使えそう。)

レベルを上げれば、もっと詳しいこともわかるようになるのだろう。


「次は槍ー」

アイテム欄を引っ張り出して、レイレイたちに貰った槍を実体化させる。

まずは、剣と同じように、両手で握って振り下ろしてみる。

槍の重さで、地面に少し凹みができ、草が槍の先に切られて舞った。

次は、横向きに構えて薙ぎ払うように振る。

風邪を切る音が心地よい。

「[横薙ぎ]」

しゃがんでから放ったそれは、綺麗に草を切り揃えた。


「美風ー」


「あっ」

兄の声が聞こえ、慌てて大声を返す。

「今行くー!!」


槍をしまい、町に駆け戻る。

(よく説明読んでなかったけど、町なら安全のはず。)


ウィンドウを呼び出し、ログアウトボタンをタップした。

目の前が光に飲まれる。

気がつくと、ゲーム前の白い画面に戻っていた。



コントローラーを置き、ゲーム機を外し、電源を切る。充電のためのコードをもって来てゲーム機とつなげた。


「ふう、」

少しだけど、すごくいろんなことをやった気がする。

(うん、楽しかった!)

ソフトのパッケージを見つめていると、また私を呼ぶ声がかかったので、今度こそ私はご飯のために部屋を飛び出していった。


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