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カーディの町と新しい武器9

やっと受験が終わりました〜(結果はまだ)

間が空いてしまいすみません。

あらすじにある通り、来月からは毎週更新しようと思います。


「おお、」

(無事で良かった…。まあゲームだしそういうもんだろうけど、狼の群れの向こうにいたら焦るよね)

「助けに来てくれたんですね!私怖くて…本当にありがとう!」

ルイルイはそう言って私の手を握ってくる。

その目には涙が滲んで見えた。

美少女と、涙。これはあかん。

「う、うん。レイレイに頼まれて探しに来たんだよ。頼まれて。」

思わず顔をそらしながら言った。

「?」



さて、こうしている間のレイレイが心配だ。

「じゃあ、行こうかルイルイ。」

「はい!」

私の言葉にルイルイが敬礼する。

かわいい。


洞窟の前にたむろしていた狼は先ほど蹴散らしたので、邪魔をするモンスターはいない。

だが油断はできないので、私が棒を構えつつ先導して歩いた。

結果、特になんのモンスターに出会うこともなく、崖下に戻る。


(さて、どうやって登ろうか…)

見上げると、やはり少し高い。

(私だけならなんとか登れそうだけど…)

「ルイルイ、ちなみにこの壁って登れそう?」

一応聞いてみる。

「ここですか?はい、多分登れます!」

登れるんだ。

(ハンデかな)

「じゃあ一緒に登ろう。上でレイレイが待ってる。」

「はい!」


そして登ること20分。

「…ルイルイ、登れそう?」

とっくに登りきった私が未だ壁にへばりついているルイルイに問う。

「……大丈夫です」

そしてルイルイはまた手を緩めてずり落ちる。

「お姉ちゃん頑張って!」

「…うん、今、行くからね」

そして、少し上へ。

私はため息をついた。

〈ただの棒〉を装備する。

そして崖下へ垂らした。

ギリギリ、ルイルイの頭上に届く。

「ルイルイ、これにしがみついて。」

「え、わかりました!」

ルイルイが棒にしがみつくと、私とレイレイとでその棒を必死に持ち上げる。


登りきるころにはみんなくたくたであった。



そして、気の抜けた森での帰り道。ダメージをもらいながらも私がモンスターを蹴飛ばし、殴って、私たち三人は無事カーディの町へ戻った。




「いやあ、本当に助かりました。孫を見つけて、薬草まで持って来ていただいて。本当にありがとうございました。」

レイレイとルイルイの祖母が、そう言って頭を下げる。

「あ、いえいえ。頼まれたことをしただけですので。」

思わず手を振って応えた。


《クエストが達成されました。

達成報酬は、

・経験値+320(職業未取得の場合は取得時に加算)

・所持金+200

・レアスキル[識別]の取得

です》


(お、スキルだ。)

私が報酬に喜んでいると、

「少し待っていてくださいね。」

「すぐくるから!」

と彼女らと祖母がなにやら店の奥に消える。

なので、待つことにする。

彼女たちの住む薬屋はこじんまりとした、けれども明るい雰囲気のある良い佇まいの店だった。

見渡してみると、店内にはたくさん薬があり、回復ポーションも見えた。

(買って行こうかな…)

しかし、またお金を使おうとしていることに気づいて首を振った。


そして、レイレイが真っ先に戻ってくる。

小さな箱を抱えて。

「?」

その後、ルイルイがレイレイの箱よりも一回り大きい箱と、もっと大きい箱を重ねた状態で引きずってきた。

「な、なに」

これがお礼だとか言われたら困ってしまう。

「なんでしょー!」

レイレイは楽しそうに言った。


祖母はもっと大きな箱を持ってくるんじゃないかとドキドキしていると、彼女が持ってきたのは、空色の液体の入った小瓶だった。

(ほっ)

彼女は、その小瓶を私に手渡して言った。

「これは〈癒やしの千寿草〉で作った万能薬です。お礼で少しだけ作ったので持って行ってください。」

「えっ」

(たしか勝手に売ってもいけないとかいう薬草だったんじゃ、)

驚いて受け取った小瓶を二度見した。

「いいから、持って行きなさい」

彼女がそういうので、私は納得することにして、ありがたく受け取った。

(必ずいつか役にたつだろうし…)


「で、次はこっちです!」

レイレイの声に振り返ると、先ほどの箱が大きさ順に並べて置いてあった。

「この箱の中から好きなものを選んでもらってください。死んだ父のコレクションで、置き場所に困っていて…」

ルイルイが言う。

「中身は武器か装備です。どれも良いものですよ!」

なにを渡されるかと思ったが、武器はありがたい。

(…うーん)

こういうものは、大きいものを選ぶとバチが当たるという意識がある。

でも、置き場所に困っているなら大きいものを貰った方が親切だろうか。

「じゃあ、一番大きいやつで!」

出てきたのは、大きな槍だった。刃の部分はわりと大きく、反ってはいないが薙刀のような感じもした。

「かっこいいじゃん…」

「ですです!」

「ぜひ使ってください」

二人に顔を近づけられ、私は現実でにへらと笑った。


頭の中で、新しい武器の取得が告げられた。

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