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降りるのがかなり面倒な件について。

下手な割に前書き後書き調子に乗ってる感じ満載なことに気がつきました今日この頃…。お二人が評価してくださったようで、とても嬉しいです!読んでくださる方に失礼のないよう、感謝を胸に日々精進して参ります。


「疲れた…」


「早い!」


後ろから倒れ込んできた伊織を僕は背中で受け止めた。


「伊織さーん、まだまだ先は長いですよー。これからぐうっと回っていかなきゃいけませんからね」


シスターさんの呼びかけには伊織は応答しない。また眠りに落ちてしまわないよう、僕は体をそらして伊織を立たせる。

鬱蒼と茂った森の中にある、綺麗に整えられた土固めの道。僕たち一行はそこを歩いていた。軽く右にカーブしている下り坂は歩きやすかったが、変わらない景色には飽き飽きしたので、みんなでワイワイおしゃべりしながら歩いた。


「そういやシスタ…あ、ク、クリスさん?」


この金髪碧眼のシスターさん、本当の名前はクリスというらしい。この世界では珍しい、神様と通信できる人間らしく、その能力を活かして転生してきた人間の管理をしているのだそうだ。


「あはは、シスターって言おうとしたんですか?別に構いませんよ、レオさん、何でしょう?」


「あ、いや、よくよく考えてみて思ったんだけど、転生といえばチート能力じゃない?僕たちにそういうの無いのかなーなんて…」


するとシスターさん、もといクリスは少し困ったような顔で言う。


「それがですね…この世界に転生された方々には基本的に、いわゆるその『チート能力』を差し上げているのですが…レベルが急激に上がるだとか、魔力が異様に強いだとか。ですが皆さんの場合、元々別の世界へ転生するはずだったので、そういったチート設定が施されていないのです。先程皆さんを妖精に変身させていただいたのは単なるサービス精神の様なものなので、種族効果をメインに戦うのは難しいかと思われます」


「ってことは、僕たち、普通に弱いのか?」


「そうです」


「あっさり言ってくれるな」


僕はため息をついた。これは少しまずいかもしれない。異世界に来て、魔王もいるって言うのに、まさか僕たちがチート能力を持っていないとは。それでも意外なことに、他のみんなは結構平気そうである。


「大丈夫ですよー!最近のラノベではチート無し主人公の成り上がりも流行っていますし、元々の能力が高いっていうパターンもありますしねぇ。ワタシは全く心配ではありませんよ!まずはこの世界のビジュアルデザインを楽しむことに専念いたしましょう!」


光が元気よく叫んだ。伊織もそれに賛同するように頷く。黒星はそんな会話を微笑みながら聞いている。佐久はほけーっと空を飛ぶ鳥を見ていた。僕もその鳥を見て、元いた世界と同じような動物も暮らしているのだなと思った。柊はというと、無表情のまま道の向こうを見て歩いている。


「チート無し転生ね…」


「おやレオ氏、これを転生と判断しますか」


前を歩いていた光が振り返る。


「あれ、違うの?」


すると、意外なことに柊がその問いかけに答えた。


「ライトノベルでいう転生は、死をきっかけにして異世界で生まれ変わること。ワープとかで移動した場合は転移と呼ばれる」


「柊嬢、よくご存知で。アナタもそういった嗜好がおありで?」


光が尋ねたが、柊はまた前に向き直る。


「どっかで見て、覚えてた」


その声色に、少し感情の揺らぎがこもったことを僕は感じ取った。何が琴線に触れたんだ?もしかして隠れオタクか?


「まあ、皆さんの場合これは転生と呼ぶのでしょう。天界で神さまの手によってではありますが、たしかに皆さんは一度亡くなりましたからね!」


明るい笑顔で言わないでくれ、シスター。


「そういえば、やっぱりみんな銃で打たれた?」


佐久が空を見上げたままいった。全員がそれを肯定する。僕はその瞬間のことを思い出し、身震いする。いざ凶器を突然目の当たりにすると、人間は全く動かなくなってしまうのだと強く感じた。佐久はやっぱり!と叫んだ。


「やっぱ最初はびっくりしちゃったよねー。まさか天国に銃火器があるなんて思わなくってさー、ちょっと掠っちゃった」


…は?


「あれ?もしかして佐久君、避けたの?」


そう尋ねた黒星。佐久は、「あれみんなはそうじゃないの」顔で不思議そうに頷いた。


…いやいやいや。


「いやいやいやいや!!!」


つい大声を出すが、それも仕方がない。この男、神の一撃をかわしやがった!


「2回目はちゃんと避けられたけど、結局電撃みたいなのでやられちゃった…」


ついでにもう一撃かわしてた!

彼は戦国RPG的な世界への転生を希望したそうだったが、転生前からもう彼の武勇伝は始まっていたらしい。いや銃を避けるとか!チート無しの転生とは言ったものの、すでに佐久は異世界で英雄になれるほどの能力を持っているようだ。少し心強い。けどやっぱ怖い。


「佐久氏がそんなにお強いのなら、序盤のモンスターは恐れる必要なさそうですねぇ。いつでも来いって感じですね!」


嬉しそうな光。だけどやめて、フラグ立ちそう。


「そうですね!心強いです!もしかしたら初戦は余裕ってこともありそうですね!」


クリスもやめてぇ!立ってる立ってる!

もう何も言わないでくれ、と願いを込めて、僕は柊の方を伺う。彼女はその滑らかな猫耳をピクッと動かした。まさか。


「なにか変な音がする。多分気のせいだけど」


もうだめだ…来る…


「ンギャアアアアアア!!」


来た。


和気あいあいの僕たちの前に現れたのは、小柄で太った、緑色の生き物。

我らが尊敬すべき雑魚、小鬼(ゴブリン)だった。

感想どんどんいただきたいです。楽しんでもらえるような作品を書けるように日々精進して参ります。

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