姉妹と魔女と騎士と海に行こう
ここまで読んでくれた皆様、ブックマークに入れてくれた方、ありがとうございました!
短めの小説になりましたが、楽しんで貰えたら幸せです!
『『ありがとうございましたー』』
『おうっ、また来るぜ!』
男性の戦士さんが残っていたハイポーションを買って帰り、
外も暗くなってきましたので店仕舞いにする事にしました。
私はネイに看板を「CLOSED」にする指示をし、自分は棚を
タオルで軽く拭き終わり、お店を閉めて帰りました。
『お姉ちゃん、お疲れさまー』
『ええ、お疲れさま。ネイ』
『エリナが作ったハイポーション、なんとか全部売れたから良かったよね!』
『そうね、エリナに伝えたら喜んでもらえるね』
そう、エリナと一緒に作った新しい薬、
ハイポーションを10本お店に出したら一日で完売する事が
出来たのです。
これは人気商品になりそうな予感がします。
エリナに売り上げの一部をあげないといけないですね。
帰り道の途中でその様な話をしたり、
明日は四人で海に行く約束をしていますので、
その話題になると会話が弾みます。
スフィアとエリナはどんな水着を着てくるのか、
私達が新しく買った水着を何て言ってくれるか、
その話だけでも楽しみで仕方がありません。
今日は早めに寝て明日に備えた方が良いですね。
ふふふっ、早く明日にならないかなー?つい、口元が緩みました。
○
そして翌日になり、荷物と武器を持って集合場所に向かいました。
武器を持って行くのは海に偶にモンスターが現れる時もありますので、念の為です。
集合場所に向かっている途中にネイが少しだけ心配そうな表情をしていましたので、尋ねてみました。
『ネイ、何か心配事があるの?忘れ物をしたとか?』
ネイは首を振って否定し、口を開きました。
『ううん、心配って程ではないんだけどね。
ただ、スフィアがちゃんと起きているかなーと思って』
『あ、なるほどね』
私は直ぐに納得してしまいました。
何故ならスフィアは朝起きるのがとても苦手な方なんです。
なので集合場所はスフィアの家にしていて、集合時間も10時にしているのです。
まぁ・・・今回は大丈夫かな・・・?
スフィアの家の前に到着するとエリナが家の中から出て来て、
溜め息を吐いている姿がありました。
エリナから話を聞くと、スフィアはまだベッドの上で寝ていたみたいです。
相変わらずお寝坊さんですね。
しかし、着替えて準備をするのはとても早く、
五分もしないでスフィアが家から出てくれました。
とても申し訳無さそうにしながら謝っていましたが、
いつもの事なので皆んなで笑って許してあげました。
『良し!それじゃあ、海に行きましょうか!』
エリナが掛け声をすると、皆んなは元気よく声を上げて言いました。
『『『おー!!!』』』
海に行くためには馬車に乗る必要がありますので馬車がある
場所に向かい、御者に方に銀貨を払って出発しました。
荷台には私の隣にネイが座り、向かえにスフィア、
左側にエリナが座っていて囲む様に荷台に乗っています。
海に着くのには数時間掛かりますが四人も居ますので会話が途切れる事がなく、
とても楽しく時間を過ごせます。
途中でお腹が空いた時にはエリナが手作りをして持って来た
サンドイッチを頂けました。
とても美味しかったです。
サンドイッチ代ではありませんが、
ハイポーションを作ってくれた件のお礼でエリナに銅貨を20枚ほど渡しました。
初めは断られましたが、私とネイが感謝の気持ちだから受け取って欲しいと説得をすると、
エリナは収めてくれました。
こうして時間はあっという間に過ぎ、
海に到着をした私達は荷台から降りて海を見渡しました。
綺麗な海と心地良い並みの音、海には泳いでいる人やはしゃいでいる人、
ビーチパラソルで休んでいる人がいます。
この光景を見た私達は速く海に入りたくて仕方がありません。
直ぐに着替えが出来る建物の中に入り、
それぞれが個室の中で急いで水着に着替えました。
一番初めに個室から出てきた私は皆んなを待っていました。
『まだかなー?』
『お待たせっ、アイン!』
隣の個室から出てきてエリナ姿を見ると、
とても可愛らしいワンピースの水着でした。
種類はホルターネック型のフリルの青色で、
エリナは普段着ている系統とはちょっと違うものなので、
少しだけ照れていました。
『どう・・・かな?』
私は素直に可愛いと思うので正直に答えました。
『ええ、似合っているし可愛いわ』
『本当?良かったー!』
エリナがホッと一息をすると、個室のドアに掛かっている鍵をガチャリと開けて誰かが出て来ました。
振り向くとチェック柄のパンツタイプのビキニを着ている妹のネイでした。
『お待たせ、着替え終わったよー』
そして、くるりと回り、エリナに感想を尋ねていました。
『私にこの水着似合っているかなー?
お姉ちゃんは似合っていると言ってくれたんだけど、
ちょっと可愛いすぎない?』
ネイが着ている水着の色はピンクで、
とても可愛らしいから買うのを溜めらっていましたが、
私が絶賛をするとこの水着を選んでくれました。
私の目に狂いはなく、エリナも絶賛してくれました。
やったです。
ちなみに私が着ている水着は白色のフリルのビキニで、
ネイよりもちょっとだけ露出が高い感じかな?
勇気を出して買っちゃいました。
しかし、スフィアが個室から出て来た姿を見たら私はまだまだでした。
なんと青色のビキニで露出が私よりも高かったのです。
本人は水玉柄だから可愛いのを選んだつもりと言っていましたが、
充分にセクシー系ですよ!さすが、スフィアです。
エリナはスフィアに駆け寄り、
自分が着ている水着が似合うかどうかを聞いていて、
可愛いと言われると小さく両手でガッツポーズをして喜んでいました。
あ、なるほど、スフィアに可愛いと褒めて貰うために、
スフィアが好きな青色の水着を買ったのですね。
皆んなが無事に着替え終わり、
私達は海に真っ先に入りに行きました。
水飛沫があがると、とても気持ちよくて海に来た実感が湧きました。
『んー!気持ちいいわねー!』
『そうだね、お姉ちゃん!』
『ああ、温泉も好きだが海は海で良いよな』
『暑い時は海よねー!』
四人で大はしゃぎをしました。
海で泳いだり遊んだりしていると人がどんどん増えて来たので、
私達はちょっと静かな場所に移りたくなり、岩場がある方に向かいました。
この辺には他に人が居なくて落ち着きますね。
私とネイは岩場に座って脚を海につけて休憩をし、
スフィアとエリナは蟹を探した後に再び海に入りに行きました。
二人とも体力ありますね・・・さすがです。
『スフィア!これでもくらいなさい!』
『おっ、なかなかやるなー。仕返しだ!』
『わっ!顔面に水を!?』
二人で水の掛け合いをしていました。
こうやって観るともうカップルですね。
私とネイは微笑んで観て、二人で話をしている時でした。
テンションが上がっていたエリナがスフィアに抱きつき、
そのまま海の中に倒れ込みました。
『スフィア!エリナ!大丈夫!?』
私とネイが海に入って二人の元に駆け寄ると、
エリナが先に起き上がり、スフィアも後から出てきました。
なんとか無事のようでしたが大変な事が起きていました。
エリナがスフィアを見ると頬を染めて焦り、
本人はまだ気付いてないのですがネイも気が付いていました。
それはスフィアが着けている水着が取れていたのです。
私達が焦り始めてようやく気が付いたスフィアは、
両手で胸を急いで隠しました。
『わっーーー!!!水着が取れている!?』
『ご、ごめんねスフィア!今探すからね!』
『私も探すよ!』
『私も!』
水着はネイが直ぐに見つけ、胸が見えないように海に入って貰い、
エリナがスフィアに水着を着けました。
普段凛としているスフィアも、
こればかりは恥ずかしそうにして焦っていました。
温泉とは違って人も沢山居ますからね、
救いなのが人目が付かない場所で良かったです。
『はぁー・・・他の人に観られたら
嫁に行けなくなってしまう所だった・・・』
『その時は大丈夫よ!私が嫁にしてあげるよ!』
エリナが問題発言をすると、
スフィアは少しだけ睨んで大声でツッコミをしました。
『お前は少しは反省しろ!!』
『ひぃっ、ごめんなさーい!!』
こうしてなんとか一件落着する事が出来た。
その後は水の掛け合いを辞めて、
砂浜にある露店で冷えているジュースを買って飲みました。
帰り際にもう一度海に入って遊び、
シャワー室で身体を洗い流して私服に着替えました。
『今日は楽しかったな、じゃあ馬車に乗って帰るか』
『そうね、帰りましょう』
『今日は楽しかったよー、トラブルもあったけどね』
『あははっ・・・』
エリナは苦笑いをしていました。
うふふっ、皆といたらとても楽しいですね。
私達は今日もスローライフを続けていました。
4作目の投稿予定は4月23日になります!
ここではプチ情報を書きます!
4作目の5話にアインとネイを少し登場させます!
姉妹が経営している薬屋さんは風邪をひいた時のお話に登場予定です。