エリナと新しい薬を作ります
エリナが薬作りの手伝い?
今日も薬屋は休みですが、新しい薬を作るためにお店に来ていて、
一人で薬を作る専用の部屋にこもってます。
『これをこうして混ぜて・・・』
んー上手くいきませんね、どうしましょうか。
困っていた時に誰かがお店に入って来た物音が聞こえ、
気が付いた私は薬を作るのを辞めて、椅子から立ち上がりました。
『ネイかな?それとも盗人?』
私は念の為に警戒をしながら部屋を出ると、
ネイとエリナがお店にいました。
珍しい組み合わせですね、何か用事があるのかな?
ネイから話を聞くと、
エリナが私達の家に遊びに来たけど私が居なくて、
何処に行ったのかを尋ねられたから一緒に来たみたいです。
『せっかく家まで来てくれたのに、居なくてごめんなさいね』
『ううん、私の方こそごめんね。新しい薬を作っていたんでしょう?』
エリナは申し訳なさそうに謝っていましたが、
このまま薬を作っても上手くいかなさそうですので、
遊びに行くなら三人でお出掛けをしようと思います。
『ええ、でも上手くいかなくてね。
だからエリナが遊びに行きたいならお出掛けの準備をするわ』
きっとここに来たという事はそうですよね?
しかしエリナは首を横に振って言いました。
『ううん、初めはそう思っていたけど、
薬作りを手伝いたくてここに来たの』
『えっ?そうなの?』
エリナの隣立っていたネイが明るく頷きました。
『うんっ、だから一緒に来たの!ねー?』
『ねー』
とても仲良さそうにしている二人の姿を見ると、少しだけ嫉妬をしていました。
お姉ちゃん妬けちゃうなー。
まぁ、薬を作るのを手伝ってくれるのはとても助かりますので、
お言葉に甘える事にしました。
三人で部屋の中に入ると、エリナが部屋中をキョロキョロと見渡していました。
『本や瓶が沢山あるわねー』
『ええ、薬草の種類が書いている本や、
薬の作り方が書いてる本が主にあるわ』
『こうやって見ると、本当に薬剤師なんだね。アインは凄いよね』
あら?それは褒められているのかしら?
まぁ、お店を趣味で開きたいという話になって、
薬屋を始めたいと決まってから薬剤師の資格を取るために勉強し、
たった一ヶ月で薬剤師になれたから驚くのも無理はないですよね。
私は薬を作る準備をしているとふと思った事がありました。
エリナはどうやって薬作りの手伝いをしてくれのかな?
疑問に思って本人に尋ねると驚く提案をされました。
それは魔法を使って薬を作るみたいです。
やった事はないので物は試しと言っています。
・・・大丈夫でしょうか?
まず初めにやってみる事は、ポーションに使う薬草にヒールを唱えておくのです。
ヒールをすればさらにポーションの効果が上がるかも知れないと言う予想です。
私は薬草をエリナに渡し、ヒールを掛けて貰いました。
『エリナ、お願いね』
『任せて!癒しの魔法よ・・・ヒール』
エリナの手は優しい緑色の光に包まれ、薬草もその光に覆われていました。
数秒後に光が収まり、エリナが薬草をそのまま瓶に入れ、
私は綺麗な水を瓶に入れて放置をしました。
待っている間は三人で世間話をして、時間を潰していました。
数十秒後に瓶の中を見てみると水が綺麗な青色に染まっていました。
いつもならもう少し色が薄く、水色くらいに染まりますが今回は青色でした。
これは効果が表れているという事でしょうか、
早速試しに飲んでみましょう。
でも、疲れていませんから体力が回復しても
分からないような気も・・・。
私は小さな瓶にポーションを淹れ、口の中に流し込みました。
『んっ、ごくん・・・』
ネイとエリナは少しだけ不安そうに見ていました。
『感想は・・・美味しくなっている?』
『本当?』
『私も飲んだみたい!』
『ええ、待っててね。今用意するわ』
ネイとエリナは興味が湧いて飲んでみたいと言うので、
小さな瓶にポーション淹れて渡しました。
二人が同時にポーションを口の中に流し込みと、同じ感想でした。
『『美味しくなっている?』』
二人も首を傾げていました。
エリナの予想では薬草にヒールを掛けたから、
新鮮になったかも知れないと言っていました。
取り敢えずは次にお店を開く時に一度販売してみましょう、
商品名はハイポーションです。
注意書きには「美味しくなっているかも知れない」
と書いて置きましょう。
こんな調子でエリナと薬を作っていると、
この後に作った薬はどれも上手くいきませんでした。
ポーションに雷の魔法を加えると瓶の中で雷がパチパチとなったり、
氷を魔法を加えるとポーションがカチカチになって凍ってしまいました。
当然、試しに飲む事はしません。
雷がパチパチなっているのを飲んだら絶対に感電しますよ。
最終回は、四人で海に遊ぶスローライフ回!
今、四作目の小説を書いています!一作目~三作目の主人公達が登場します!!
自分が書いている三作品を超えるように頑張りたいです。