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薬屋のライバルが偵察に来ました

新キャラクターが登場します!

『『いらっしゃいませー』』


今日は一週間に一度のお店を開いている日です。

まだ薬屋を始めて二週間しか経ってませんが、

結構お客が来てくれています。


前よりも来てくれているかも?

お会計を済ませる時にお客が噂が流れてきたから

来てみたと、言ってくれる人もいました。


どんな噂が流れているかと尋ねると、

「めっちゃ可愛い姉妹の薬屋」や、

「一週間に一度しかしないレアな薬屋」などです。


変な噂ではありませんので嬉しかったです。

特に今日着ている私達の服が好評です。


前に「イーリー」の衣類屋の店主、

ミラさんから貰った白衣のような服に、

天使の羽がちょこんと背中から出ている仮装服です。


男性客はお会計をする時に「姉妹の天使だ!」「可愛い天使だ!」と言って貰え、

女性客からは「こんな妹がほしい!」「天使ちゃんだ!」と言われます。


服の事を尋ねられたら、

ミラさんのお店の事を教えていますので、宣伝もばっちりしています。


そして、お店を開いてから数時間が経ちました。


『お客さん、いなくなっちゃったねー』

『そうね、まぁ昼時だから仕方がないわ』


この時間帯は昼ごはんを食べている人が多いので、

薬屋の来る人がいません、先週もそうでしたからね。

私達はネイに休憩をするから看板を裏返しにして来てと言い、

カウンターを出て外に行きました。


すぐに帰ってくると私達は、

カウンターの隅っこに置いてあるテーブルと椅子を出して並べ、

ママが作ってくれたお弁当を食べる準備をしていました。


二人で向かい合って座り、お弁当の箱を開けようとした時でした。

ドアを開けられら音が聞こえ、振り向くと女性が入って来ました。


見た目は茶髪の癖っ毛が印象的で、

白のタックブラウスとミニスカートが似合うとても可愛らしい女性でしたが、

私は椅子から立ち上がって今は休憩中と伝えようとした時でした。


女性が店内をあちこち見てから私達に言いました。


『ふーん、ここが噂の薬屋さんね、特に普通の薬しかなさそうだけど・・・』


私は質問を変える事にしました。


『あの・・・どなたでしょうか?』


お客では無い雰囲気がありましたので尋ねてました。

女性は私と目があうと、申し訳無さそうにしていました。


『あ、ごめんね。ライバルになりそうだったから偵察に来たの』

『ライバル?』


ネイが首を傾げていましたが私も疑問に思いました。

ライバルとはどういう事でしょうか?


質問をしてみようとすると、女性から説明してくれました。

どうやら彼女は私達が住んでいるウィリックの隣町にある、

ビーナという町で薬屋を最近始めていて、

私達の薬屋の噂を聴いて偵察しに来たみたいです。


私達は驚いてしまいました。

偵察に来た事ではなく、隣町にも噂が広まっている事にです。


そして、彼女はこれなら勝てるわと安心して帰ろうとした時でした。

棚に置いてある惚れ薬を見て、彼女の動きが止まりました。


『惚れ薬・・・?』


彼女は惚れ薬を手に取り、私の元に来ました。


『これ買うわ』


私は戸惑いながらもお金を受け取りました。


『あ、ありがとうございます』


好きな人でもいるのかな?と思っていましたが、

彼女は私に指をさして言いました。


『あなた達が作った薬、どれくらい効果があるか確かめてあげるわ!』

『『えっ・・・?』』


私達は嫌な予感がしました。

どうやら、どれくらい薬の効果が強くて上手く作っているか、

確かめてからライバルになるかどうか判断するみたいです。


レストランで言うと味見ですね。

他の店が出来たら偵察をして味見をして、

強敵になるかどうか判断するやつです。


彼女は惚れ薬を一口で飲んでしまいました。


『んー・・・特に何もないわね・・・。

やっぱり私の薬屋の敵にはならないわね』


と言いながらも数秒後に彼女の様子が変わりました。

胸を押さえて床に膝をついてその場にぺたんと座り込み、

頬が赤く染まって甘い吐息を出していました。


『はぁ、はぁ・・・体が、熱い・・・んっ・・・』


かなり惚れ薬の効果が効いてとてもエロかったです。

このままだと大変な事になるので、

私は毒消しを薬を棚から取り出して彼女に飲ませました。


『ほら、これを飲んで』

『んっ・・・ごくん・・・』


数秒後に惚れ薬の効果が消え、彼女は元に戻りました。


『はぁー・・・酷い目にあったわ・・・こんなに強いだなんて油断したわ』


私は彼女に手を貸して、立ち上がりました。


『私の作った薬はどうかしら?あなたのライバルになりそう?』


微笑んで言ってみると、意外な言葉が返ってきました。


『ええ、いいライバルになりそうだわ。

私の名前はセイラ、これからよろしくね』


私達も自己紹介をしました。


『私はアインよ、こちらは妹のネイよ』

『ネイです!よろしくー!』


こうやって出逢い方はちょっと変わっていますが、

薬屋のライバルが出来ました。


セイラさんはお店を出て行く前に、

色々と自分の薬屋の事を教えてれました。


セイラさんの珍しい薬を沢山作って販売をしているみたいです。


例えば攻撃力を上げる薬、防御力を上げる薬、

モンスターに薬を投げて弱体化させる薬など、

全て自分で研究して作った薬なので、

普通の薬屋には負けないという自信があると言っていました。


だからこそ、自分の薬屋が唯一無二で優れているのを

確認するために、他の薬屋を偵察していたみたいです。


きっと負けず嫌いな方なんですね。

私はネイとお弁当を食べながらセイラさんの事を話したり、

日常会話をしたり盛り上がりました。


さて、食べ終わりましたからお店を開きましょうか。

次回予告はセイラとお出掛け?

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