姉妹でお出掛けをします
寝る前に読んで良い夢を!!
昨日は初めてお店を営業して少し疲れましたので、
今日は姉妹でのんびりとお出掛けをしています。
『お姉ちゃん、次は何処に行くー?』
『んーそうねぇ・・・行きつけのお店に行こうかしら?』
『行きつけと言えばあのお店ね!』
『ええ、あのお店ね』
私達の行きつけのお店とは、
毎週通っている衣類屋の「イーリー」というお店の事です。
このお店はとても可愛らしい服が多く、女性に大人気の衣類屋です。
「イーリー」に向かい始めて数十分後、
ようやく到着しました。私達早速お店の中に入りました。
新作の商品はあるでしょうか?
私が沢山のワンピースが並んでいるコーナーを見ていると、
ネイが何か発見したようで私を呼びました。
『お姉ちゃん!新作のコーナーが凄いよ、来て来て!』
私は急かされるようにネイに呼ばれて見に行くと、
とても変わっている服が二着も店内に飾ってました。
まず左側の服は白と黒のシンプルなメイド服、
そして右側に飾っているのは白衣らしき服。
普通の白衣にしては裾が短く、
背中あたりから小さい羽根も付けられています。
羽根に触ってみると綿で出来ていました。
興味が湧いてじっくりと見ている時に、
後ろから誰かに声を掛けられました。
振り向くとそこに居たのは、店主のミアさんでした。
『仲良し姉妹ちゃん、私が作った仮装服に興味があるの?』
聞き慣れない単語が出て来ました、仮装服とはなんでしょうか?
私はミアさんに尋ねてみました。
『仮装服ですか?』
『ええ、そうとも、仮装服よ!』
彼女は自信ありげに腰に手を当てて、話を続けました。
『ある職に成りきれる衣類の事よ、宴会とかにはもってこいの服ね!』
なるほど・・・私服とは別の衣類の事を言うのですね。
宴会とかにはもってこいと言っていましたが、
他の事にも使えそうね・・・。
私が考えているとネイも同じ事を考えていた様子です。
ネイが私の肩にポンポンと優しく手を置くと、笑顔で話をしました。
『お姉ちゃん、お姉ちゃん!
この服私達のお店の制服に使えると思わない?』
そうです、私も自分のお店の雰囲気に合うのではと思っていました。
ネイと話し合いをした結果、
白衣みたいな衣類を購入する事にしました。
二人で話が盛り上がっていると、
ミアさんが気になり始めて私達に尋ねてきました。
『仲良し姉妹ちゃんは何のお店をしているの?』
ネイがミアさんに教えていました。
『薬屋です!なのでこの服がお店に合うかなーと思ったんです!』
ミアさんは少し戸惑いながらも、喜んでくれました。
『私の作った服を薬屋の制服に・・・?
嬉しいけどこれを着てくれるの?』
『ええ、これを着たいです!』
『私もー!』
私達が白衣みたいな服を一着ずつ手に取り、
ミアさんにカウンターまで付いて行って銀貨を払おうとしましたが、
ミアさんは受け取らずに言いました。
『可愛い姉妹ちゃんのお店の制服にしてくれるなら、
私のお店の宣伝効果にもなるからタダであげるわ』
『良いのですか?』
『ええ、ただし、ちゃんと宣伝してよね』
『はい!宣伝します!』
私達は心良く引き受けました、
今度この服をお店で着るのが楽しみですね。
お礼を言ってミアさんとお別れをしました。
町を歩きながら次に行きたい場所を二人で相談すると、
少し休憩したいという話になり、
私達は「ミンティ」という喫茶店に入る事にしました。
ここの喫茶店は友達のスフィアがとてもお気に入りのお店で、
始めてスフィアに連れて来てくれた時に好きになった所です。
ここでネイの友達も出来たので思い入れがあります。
「ミンティ」の喫茶店に入ると、ネイの友達のアーナちゃんがいました。
私達に気が付いたアーナちゃんがこちらに気が付くと、
カウンター席で会話をしていた青髪の女の子も振り向きました。
その女の子はなんとスフィアでした。
『おっ、二人ともこんにちは』
『スフィア!こんにちは!』
『こんにちはー!』
二人に挨拶を交わした私達はスフィアの隣に座り、
ハーブティーを注文しました。
届く間は三人で楽しく会話をしていたので、
あっと言う間にハーブティーが届きました。
私が注文した種類はレモングラス、ネイはローズヒップを頼んでいました。
ハーブティーを一口飲むと再び女子会が始まりました。
今度はアーナちゃんも加わってより会話が盛り上がりました。
帰り際になるとスフィアが私達の持っている荷物が気になり、
何を買ったの?と尋ねてられましたので、
私は紙袋から先程ミアさんに貰った服を取り出して、
皆んなに見せました。
『ちょっと変わっている服だな、白衣か?』
『珍しい服よね?』
二人は疑問に思って白衣みたいな服を見ていましたが、
薬屋の制服にすると説明をすると納得してくれました。
私達のお店にピッタリな制服と言ってくれたので嬉しかったです。
今度来た時は楽しみにしていてねと言い、
お会計を済ましてスフィアと一緒にお店を出ました。
『アインとネイはこれから何処に行く予定なんだ?』
『んー予定は決まっていないわ』
『お姉ちゃんとお出掛けをする時は、行き当たりばっかりだからね』
私達の予定が無い事を聞いたスフィアは口元を緩め、提案をしました。
『私はこれから温泉に行こうと思っていたんだけど、
良かったら一緒に行かないかい?』
私は断る理由がないので、スフィアについて行って温泉に行く事にしました。
ネイも大喜びをしています。
いつもの温泉に到着して脱衣所で服を脱ぎ、隣にいるスフィアを見ると、
大人っぽい下着を着けていたので少しだけ驚きました。
ずっと見ているとスフィアに気が付かれてしまいました。
『そんなに私を見てどうしたんだ?』
『お姉ちゃん、どうしたのー?』
ネイにも気が付かれ、誤魔化す事も出来ませんので話しました。
『えと・・・スフィアの下着が大人っぽいから、
ちょっとだけ驚いてしまったの』
そう、スフィアの下着は紫色で少しゴシックの様な感じで、
16歳が着けるような下着では無いのですがセクシーでスフィアらしい、
私のよりも一つ年下なのに凄いです。
現に私の着けている下着は可愛らしいピンク色なので、
ちょっと子供っぽいと思ってしまいました。
気にしているとスフィアが、
アインらしくて可愛い下着だよと褒めてくれました。
ネイも一緒に褒めてくれました。
『ありがとう二人共、少しだけ自信がついたわ』
『それなら良かったよ。じゃあ、そろそろ温泉に入りに行こうか』
『ええ、そうね』
『うん!』
私達は下着を脱いでカゴの中に入れて、
ドアを開けてゆっくりと温泉に入りました。
三人は仲良く並んで浸かっていました。
『ふー・・・温泉はやっぱり良いわねー・・・』
『ああ、身も心も温まるよ・・・』
『気持ちいよねー・・・』
しばらく浸かっていると、
スフィアが何を思い出して私達に聞いてきました。
『あ、そうだ。明日エリナとギルド会場に行って依頼を受けるんだけど、
アインとネイも久し振りに一緒にどうかな?』
スフィアが久し振りにと言ったのは、
私達はここ一ヶ月ほど薬屋をオープンする為に忙しく、
ギルド会場に行けなかったからです。
今はお店がオープンしたので時間があります。
私はネイの顔を合わせお互いに頷きました。
答えは一緒です。
『『一緒に依頼を受けたい!!』』
スフィアは嬉しそうに微笑んでいました。
『やったあ、ありがとう!凄く楽しみだよ!』
いつも凛としているスフィアが子供の様に喜んでいましたので、
相当嬉しかったご様子です。
明日は張り切ってギルドに行こうと思います。
温泉を堪能した私達は一緒に上がり、
脱衣所に戻って着替えを済ましてスフィアと別れました。
さて私達も家に帰りましょうか、明日が楽しみですね。
次回予告はスフィアとエリナと、
姉妹達でパーティを組みます!
小説にはちょっと珍しいモンスターが登場?