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イサベル〜波乱の女王〜  作者: ところがどっこい
9/14

フェルナンド襲われるen Barcelona(バルセロナ)! 対フランス戦スタンバイ

両王はグラナダ戦の間、戦闘に明け暮れていたわけではなかった。時は大航海時代である。ヨーロッパの君主達はこぞって新大陸の発見・支配を行った。そして新大陸から出た利潤(特産品・銀など)を本国に持って来させる事で自国を少しでも豊かにしようとしていたのだ。


私生活では末娘カタリナ王女が生まれた。後に彼女は6回も結婚した事で有名なイングランド国王ヘンリー8世の最初の王妃となる。


両王も例に漏れずコロン(コロンブス)の支援を行っていた。コロンブスは始めポルトガルに航海の資金援助を依頼したが国王ジョアン2世に渋られ、両王の元に馳せ参じたのだ。フェルナンド2世は他の国王同様に渋っていたが、イサベル1世の新大陸に対する思い入れの強さが功を奏して、コロンブスはグラナダ陥落と時を同じくしてアメリカ大陸に到達した。

因みにポルトガルはバルトロメウ・ディアスを、イスパニアの仇敵フランスはアメリゴ・ヴェスプッチを援助していた。


グラナダでの統治は両王の信心深さが災いして残虐を極めた。陥落した後もグラナダに残っていたモリスコ(イスラム教徒)を無理矢理改宗させ、従わなければ拷問の末に殺害された。モリスコに対する弾圧は最終的に2人の玄孫アブスブルゴ朝のフェリペ3世の代で完了するまで続く事になる。そしてこれはユダヤ教徒への弾圧にも連なった。


グラナダでの統治で厄介なのはそれだけではない。両王が国土の南半分に居るのをいい事に隣国フランスがピレネー山脈を超えて侵攻してきた。両王は止むを得ず拠点をバルセロナに移す事にした。


バルセロナの宮殿の広間はフェルナンドを歓待する群衆で溢れていた。

宮殿に入り、一旦話し合いをした後にフェルナンドは群衆に挨拶する為に広間へ降りた。


後からイサベルも広間へ行き、フェルナンドがイサベルの手を取るため後ろへ振り返った刹那


警備の目を掻い潜った1人の農奴がフェルナンドの肩を後ろから思いっきり斬りつけた


「フェルナンド!」


家来の1人が農奴を斬ろうとしたが、結局生け捕りにした。イサベルがフェルナンドに駆け寄り、倒れたフェルナンドを抱き起こし、医者を呼ばせた。


「フェルナンド!フェルナンド!」


フェルナンドには薄れゆく意識の中で仕切りに自分の名前を呼ぶイサベルの声だけが聞こえた。

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