1節 想いは迸り突き抜ける6
家の改装が入るので執筆環境が変わるので遅れます。
鬼の形相を浮かべてセイマリアは走る。その目に捉えるは許し難い怨敵の姿。稲光の様な白っぽい黄色の光沢を放つ薄黒い装甲に全身を包み、口元と下腹部が露出している。盗み出された骸の宝剣は、何時の間にか床に転がっていた。
ヘルティガンディは他に転がる来館者を掴み上げて盾とすると、セイマリアは鞭を取り出して振り被った。
『馬~鹿っ!』
嘲笑交じりに来館者を構える。鞭が当たる直前、セイマリアは咄嗟に鞭を持つ手を引きながら横に飛ぶ。鞭の先は来館者の眼前を空振り、縦一列に並んだ民間人とヘルティガンディの頭は、聖の咄嗟の位置取りで横一列に並んでいた。――最速で拳銃を構えて銃弾を放つ。
「ぐはぁ!!」
劈く様な甲高い激突音が鳴り響く。ヘルティガンディは汚声を上げて怯む瞬間、セイマリアは一気に距離を詰めると拳銃を敵の仮面に叩き込み、迷わず接射から連射を繰り出した。
大きく体勢を崩すヘルティガンディから来館者を奪取。後ろに優しく、なるべく遠くに投げ飛ばしてから、豹変したかの如くヘルティガンディを殴打する。その拳で相手を掴み、弾切れの拳銃で殴打、殴打、殴打、殴打。更に大振りのトドメの殴打。
渾身の連撃に拳銃は耐え切れず粉砕。グリップが残るも握りながら更に殴打。グリップも潰れて砕けるも、手を緩めずにもう一撃――――。
『っざぁあい!!!』
ヘルティガンディは咆哮と共に放電。一瞬の解放にロザリオフィールドの展開も遅れて感電。そのまま爆発と共に吹き飛ばされた。
『聖! しっかりしろ!! くっ! 感電と電熱で神経、皮膚、鼓膜の損傷……最低限の再生でも――』
「――りくーん……何処ですか――――!!」
粉塵舞う美術館に、耳の聞こえぬ聖を呼ぶ少女の声が静かに木霊していた。




