1節 想いは迸り突き抜ける5
アナの言葉に反応し、聖はすかさずロザリオフィールドを展開。その瞬間、前方を強烈な光が迸った。数舜して光が収まると、セイマリアとヘルティガンディ以外の周囲の来場者が倒れていた。
「は!?」
『何だぁ……? 何で倒れてないんだぁ……!?』
「あんた……何しやがった!!」
『こっちの台詞だぁ……何で俺の電撃で倒れねぇ……』
『こうまで意思疎通が出来るとは……何かが違うのは確かだな』
アナの疑問の傍ら、セイマリアは口を閉ざして相手を警戒。するとヘルティガンディは、足元で倒れる来館者の頭を踏み潰す。
「何してやがる!?」
『そうだよな……倒れるんだ……なのにお前は倒れない……――いや、でも、もっと強くすれば倒れるかなぁ……なぁあ!?』
怒咆を込めてヘルティガンディは、足元を転がる他の来館者達を蹴り飛ばす。聖は自身に向かって来る人間達を咄嗟に受け止めると、ヘルティガンディはその隙に両手から稲光を溜め込んでいた。
『高エネルギー反応!! 〝電撃〟だ』
「っく!!」
『大事なら一緒に死ねよ!!!』
解き放たれる電撃。一瞬でセイマリアは迫るその刹那、ロザリオフィールドをすかさず展開。歪む光の輪郭に沿って強烈な閃光が捻じれ、放射線状に広がって周囲の壁と天井と床を吹き飛ばす。――赤黒い飛沫と炎と共に。
「なッッッ!? 人が――――」
『構うな! 防がなければ、聖と手の者が焼かれていたんだぞ!!?』
「っくぅううう!! 許さねぇえぞテメェア!!!」
セイマリアの目が血走る。手に持った人間をすぐさま下ろし、拳銃を構えて接敵する。




