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1節 征く為に言葉は贈られる9

アナ「連続更新は今日で終わりDA! よって聖にはハニートースト3斤用意の刑!」

聖「何故に!?」

 瓦礫と粉塵が舞う街中。中心で狂乱する全身黒づくめの顔が隠れた女。恐怖の権現ヘルティガンディ。相対するは、聖ことセイマリアだった。


「クッソ!! 近付けない!」

『ふむ、遠距離タイプか。分析は字数的に省略だ。兎に角、死角に入りつつ距離を詰めよう』


 冷静に戦い方を提案するアナの声が脳内に響く中、セイマリアの眼前にいるヘルティガンディは汚い怒声を撒き散らす。


「秋刀魚ぁぁぁあああアアアッッッ!!!!」


 その怨嗟と共に胸部装甲が展開され、露わになった幾つもの小さな穴から秋刀魚を思わせる柳葉状の無数の刃が一斉に解き放たれた。さながら秋刀魚の大群が押し迫る中、セイマリアはロザリオフィールドを展開しようと――。


『駄目だ! 盾!』

「ッ!」


 アナの咄嗟の呼び掛けに反応した聖は、すぐさまヘブンズラックから分厚い巨大な盾を取り出した。それを手に取ると、秋刀魚の群れは盾の表面を埋め尽くす程に突き刺さった。それでも群れの突撃は止まず、幾つもの刃が横を通り抜け、瓦礫の表面を削り、抉る。


『予想通りだ。理由も略すが一瞬だけでのフィールドでは防ぎ切れない。吾輩のファインプレーだ、帰ったらご褒美のハニートースト案件だ』

「半斤、帰りに買えるかな……!」

『2斤だぞ♡』


 盾の縁は削れ、勢いに押されて身体と盾が後退りし始めると、肩で支えてさらに踏ん張る。歯を食い縛って無我に耐え、僅かに緩んだその瞬間、右手でライフルを取り出して覗かせる様に構えて引き金を引いた。


 放たれた弾丸は息切れした魔女の左肩を撃ち、大きくよろめかせる。咄嗟に標的の中心を狙い撃つ訓練の賜物だった。


『修正! 左3、下1!』

「ああ!」


 アナの指示に反応した聖は、微調整して迷わず、躊躇わずに引き金を引く。放たれた複数の弾は、ヘルティガンディの胸に全て撃ち込まれ、大きくよろめかす。更に剣山と化した構えてた盾を蹴り飛ばした。


 目にも止まらぬ速さで飛ぶ盾は、自身に突き刺さった刃でヘルティガンディを突き刺し返し、勢いに乗ったその重量で奥へと深く突き通す。


「ガァァァアアアアアアアアッッッ!!!! ――サ、秋刀魚ァァァアアア!!!!」


 忌むべき秋刀魚と似た刃が自身に襲い掛かった事に激怒するヘルティガンディは、堪らず盾を身体から引き剥がす。――が、視界を遮る程の盾を退けたその陰から、セイマリアは身を屈めて肉薄していた。


「っしぃ!!」


 力強く叫ぶと同時に上げられた脚は数珠状の光帯を纏っており、ヘルティガンディを上空高く蹴り飛ばすと空間に十を張り付けた。


「〝クロスレイドキック〟ゥゥゥェェェエエエアアアアアア――――ッッッ!!!!!」


 雄叫びと共に飛び上がったセイマリアは、ヘルティガンディに渾身の飛び蹴りを叩き込む。と同時に、ヘルティガンディは巨大な光柱に包まれた。


『〝テオシスライド〟だ! 聖!』

「分かった! テオシスライド! 行くぞ! アナッ!! セインティア!!」

『消化試合も同然だ! ダイジェストに倒してしまえ!!』


 こうして聖は、敵ヘルティガンディを不殺で撃破した







 初夏――日差しが強まる日、その日はやって来た。聖は上半身裸で、鏡の前に立って自分の肉体を眺めていた。


「うーん……興味が無いけども……そこまで筋肉が目立たないな……やっぱり筋トレって時間掛かるな」


 以前に見た自身の体型の記憶を呼び起こしながら、それを照らし合わせる。以前と比べて分かる変化があったのは腕周りだった。肩の肉は増し、二の腕も太くなり、皮の張りが目立つ。対して胴体は変化は無し。特に腹筋は筋は入れど、明確に割れ目を視認出来なかった。


 すると、後ろからアナが話し掛けて来る。


「聖、お楽しみの所悪いが、聖教守護者団から連絡だ。プランターの1つの位置が判明したので、これから回収に向かう」

「遂にか……何処なんだ?」

「ネパールだ」

応募用に新作書こうかなって、

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